忍者ブログ
カレンダー
02 2024/03 04
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31
フリーエリア
最新コメント
[12/21 LenkaAdhes]
[09/26 MabelKarce]
[09/25 Rositaelego]
[08/19 Jessiehop]
[08/19 HaroldLab]
最新トラックバック
プロフィール
HN:
栖鄭 椎(すてい しい)
年齢:
40
性別:
非公開
誕生日:
1983/06/25
職業:
契約社員
趣味:
ビルバク
自己紹介:
 24歳、独身。人形のルリと二人暮し。契約社員で素人作家。どうしてもっと人の心を動かすものを俺は書けないんだろう。いつも悩んでいる……ただの筋少ファン。



副管理人 阿井幸作(あい こうさく)

 28歳、独身。北京に在住している、怪談とラヴクラフトが好きな元留学生・現社会人。中国で面白い小説(特に推理と怪奇)がないかと探しているが難航中。

 Mail: yominuku★gmail.com
     ★を@に変えてください
バーコード
ブログ内検索
カウンター
アクセス解析
* Admin * Write * Comment *

*忍者ブログ*[PR]
*
このブログは、友達なんかは作らずに変な本ばかり読んでいた二人による文芸的なブログです。      
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

今回のCP26はジョジョや鬼滅などのサークルが強かったのだが、どちらも女性向けが多かったため欲しいと思うものがあまりなく、戦利品を見返してみるとだいたいが男性向けサークルのものだった。そのうちの同人誌を紹介する。


 


 


 


 


中国国内で開催された東方Project関係のイベントをまとめた書籍。こういう記録書は手元に置いておきたい。


 


 


 


日本人サークルが出していた漫画と小説のオリジナル同人本。日本語で、少年AB-Flyの方は上海在住の日本人らがつくった合同誌か。


 


 


 


 


2017年のデレマス上海イベントで声優たちが観光した上海の各地を聖地巡礼するというレポ。日中訳になってる。


 


 


クトゥルフ神話の神々を材料にした名状しがたき料理本。




 


 


 


百度バキBBS(そんなのあるのか)が原作の烈海王幻想郷入り本。サイコロを振って、出た目によってストーリーが決まる。ビリビリ動画に烈海王幻想入り動画が上がってるけど、元は同じなのか。



 



 タンク百年。今回一番面白いと思った書籍。戦車の擬人化漫画だが、この戦車というのが、もともと日本軍のものだったのが撤退によって中国に放置されたのを解放軍が使ったというもの。国共内戦で活躍した元日本軍の各戦車の歴史を文章7割漫画3割で記している。つくるの大変だったろうなって思った。


 


 


CP行く前に、一応アプリで欲しい物をチェックするが、烈や戦車の本は会場で初めて見つけた物だ。会場を歩いてみないと見つからない物も多い。
 
 CP27にも期待したいし、何らかの形でサークル参加者たちを応援したい。

PR



 


CP2672526日に上海市徐涇東の上海国家会展中心で行われた。ここは中国国際輸入博覧会が2回とも行われた場所で、抜群の面積を誇る。四つ葉のクローバーを模した建物は、4枚の葉に8つのブロックが入っていて、CP26では同人エリアに12ブロック、企業エリアに78ブロックを使用した。じゃあ1ブロックごとがブースでいっぱいだったかと言うとそうではなく、中央にブースを集めていて周縁部はスッカスカだった。


 


 


 


企業エリア内の周縁部から撮影した同エリア中央部


 


 


今回のCPは、感染予防の一環なのか一般参加者の入場時間を分け、事前に10時入場、13時入場、15時入場のチケットをそれぞれ販売した。当日券はない。もちろん早い入場の方が買い物に有利だ。


 


 


自分はサーチケをもらっているので8時半に悠々と入場できた。入場時に、健康コードとチケット、そしてパスポートの確認があったが、何も揉めることがなかった。しかしパスポートの確認は、初日は受付で名前やナンバーをちらっと見ただけで終わったのに、2日目はきちんと顔写真があるページの写真を撮っていたので、来場者のデータを残していないとはどういうことかと担当者が初日終了後に注意されたのかもしれない。


 


 


・サークル側としての風景


 


さて、実はCP2018年頃から同人エリアでの撮影が禁止されたため、残念ながら今回の模様を写真で見せることはできない。


 


何度も色んな場所を歩いてみたが、女性向けサークルがますます増えたなという印象を受けた。同人エリアは1号館と2号館に分かれていたが、東方ProjectFateなどを含む男性向けサークルが1号館の一部にあるだけで、ほかはほぼ女性向けサークルなのではとさえ感じた。


とはいえ東方の島は同人誌やゲーム、CDなどのいつもの出展のほか、過去の東方関係のゲームができるコーナー、東方の歴史を展示した簡易博物館なども設営され、東方エリアの規模では今まで行ったCPの中で過去最大と言ってもよかった。


 


東方やアイマス関係のサークルには、今までなら日本から来た日本人がいたのだが、コロナのせいで今回は海外からの出展はほぼなかったはずだ。だから外国人サークルは友人のぐらいだと思っていたのだが、実はもう一つ、上海在住の日本人によるサークルが日本語のオリジナル同人誌を出していたのには驚いた。


 


 


・中国独自のキャラのあだ名


 


今回、友人が頒布したグッズの一つは、ビリビリ動画で良く分からないほど爆発的な再生回数を叩き出して中国で大人気になったアニメ『イド:インヴェイテッド』のポストカードなどだ。これは無料の代わりに、希望者にそのアニメの好きなキャラを言ってもらうという決まりを付けた。


 


自分は店番として、友人がいないときに応対をしなければならなかった。このアニメを2回も通して見たとはいえ、キャラ名を言われてもすぐに反応できるという自信はなかった。例えば主人公の鳴瓢/酒井戸は、日本語ではなりひさご/さかいどという読み方だが、中国語ではミンピャオ/ジウジンフーという呼び方になる。来場者の大半が中国人のこの場では当然中国語で答えられるわけで、一瞬反応が遅れる可能性があった。


 


 


だからこういうカンニングペーパーを作って、一応万全を期したつもりだった。しかし実際対応してみると、好きなキャラを正式名称で呼ばない人間がこれほど多いとは思わなかった。


 


 


例を挙げると


「好きなキャラは?」


「春哥!」(哥は男性への敬称)


(春哥…そんな男キャラいたか…?)


 


文字にするとすぐ分かるが、本堂町小春という女性キャラのことだった。行動力があり男らしいから「哥(アニキ)」と呼ばれているのだろう。


 


 


例をもう一つ


「好きなキャラは?」


Dong哥!」


 


Dong…東…?ってことは東郷さん[女性キャラ]…?)


 


「えっと、誰?」


「ああ、あの髪がない人」


 


(髪がないってことはおっさんキャラ?でも早瀬浦局長も松岡さんもハゲていなかったはず


 


と、ヒントが全然ヒントにならず、結局その子がポストカードを指差して「このキャラ!」と言ってくれて分かった。


 


 


Dong哥」とは「洞哥」であり、頭部に「穴」の開いた男性――富久田保津/穴井戸のことを言っていたのだった。


  


生兵法は大怪我の元だということがよく分かった。しかし、自分もビリビリ動画でコメント付きでアニメを見て、春哥も洞哥も流れるコメントでちゃんと目撃していたはずなのに、実際に音を耳で聞くとなると頭の中で全然結び付けられない。


 


ちなみに友人が用意した同人誌とグッズは初日の午前中になくなってしまい、同人誌は上海のコピー屋で再度印刷して2日目にまた頒布したが、それもまたすぐになくなった。


 


 


・闇マーケットめいた売買


 


CPは同人祭や総合同人展であって、同人「即売会」と形容できない事情がある。おそらく昨年から、同人エリアでは写真撮影を禁止するとともに同人誌や同人グッズなどに値札をつけることが禁止されたので、売買時は口頭で値段を確認するのがマナーになっている。またグッズの一覧表に「有償交換」と書いているサークルもあり、全員が暗黙の了解の下で物品とお金を交換している。


 


友人は今回、基本的に無料配布という形式で参加した。その理由は、コピー本やポストカードなどの製作にも当然費用がかかっているのだが、売るとしても10元(約160円)程度であり、そのような小さな金額のやり取りをいちいちしたくないからというのが大きい。中国ではこのようなイベントでもスマホ決済がすっかりメインになり、自分も今回は全てスマホで済ませたのだが、会場の通信速度の影響で支払いに時間がかかるときが多々あった。大勢の列が並んでいるサークルはどう対処したのか不明だが、便利なはずのスマホ決済の普及によって金の受け渡しを拒否した友人のような参加者は他にもいたのではないだろうか。


 


 


 


・コロナ、どれほど影響?


 


会場内のコロナ対策は思ったほど厳しくなかった。ソーシャルディスタンスというものはなく、各サークルブースには1テーブルにつき2つの椅子が用意されていたが、2人が座ると本当に密着状態で、テーブル同士もきっちりくっついている。列に並ぶ人々もそれほど間隔を空けておらず、あちこちで人がたむろしていた。


 


だが会場にいる人間は運営側やコスプレイヤーも含めて誰もがマスクを着用しており、外しているとたまに警備員に注意された。レイヤーは写真撮影時にはマスクを外していたが、その時はカメラマンとの距離が1メートル以上離れているので問題はないはずだ。


CP側としては、入場時に最低限の確認はしているので会場内でまで厳しく制限する必要はないということだろう。それは同人エリアだけではなく企業エリアでもそうで、ステージ前には人だかりができていた。


 


 


しかしやはりコロナの影響は大きく、海外からのゲストを招くことができなかった今回は、オンライン形式で日本の漫画家やZUNらとのトークショーを会場で配信したそうだ。これはこれで普段中国に来られない有名人を呼べて、交通費も浮くし交流の幅が広がってメリットは大きいが、サイン会ができないという決定的な欠点があるし、儲かるモデルではない。


 


 


ちなみに今回は2日間ともほとんど同人エリアにいたため、企業エリアの様子は良く分からない。一応初日に回ってみたが、ステージでダンサーが踊ってたし、クイズイベントもやってたし、各企業がテナントを出してグッズ等を販売していて、いつもと変わらないなと思った。  


 


確かに、全員がマスクをしている以外、今回のCP26はこれまでのCPと大差ないように思えた。来る前は、サークルのブース同士が離れていたり、列は1メートル間隔を空けていたり、何があってもマスク着用必須だったりするのだろうと考えていたが、会場に入ってみたらマスクが目につくだけで他は「コロナ前」のそれだった。


 


これらの措置を怠慢と見るか、万全な態勢に基づく余裕と見るかは人によって分かれるかもしれない。だが参加者である自分は、窮屈さや緊張感をほとんど感じなかった今回のCP26にはとても満足している。これができたのも、当初の日程から開催を2カ月延ばしてコロナの感染拡大が抑制された時期を選んだCP運営側の判断や努力、そして度重なる延期にも諦めなかったサークル参加者のおかげだろう。


  


だがチケットによって入場時間を分けるのはどうかと思った。特に、15時に入場しても、その時には撤収しているサークルや売り切れているグッズも多々ある。自分も15時前に会場から出てくる時に今から入場するという人々とすれ違って、もう見る物も買う物も少なくなっているのにかわいそうだなと思ってしまった。


 


 


・コスプレってなんだろ?


サークルのブースに座っていたりウロウロしていたりする中で多くのコスプレイヤーを見かけた。正直なんのキャラか分からないのが多い(老化)中で、東方エリアに行くといわゆる「東方コスプレ女装男子(東方CJD)」がいて、その見慣れた風景に安心した。


 


ジョジョのコスをしているのはだいたい女の子で、鬼滅関係のコスはさほど多くなく、流行の移り変わりの速さを感じた(ただ、同人はたくさんあった)。


 


数あるコスプレの中で一番気になったのが、「これはなんのコスプレだろう?」という衣装の数々だった。コスプレは一般的に服を着て終わりではなく、染髪やカツラで髪の色を変えたり、化粧をしたりしてそのキャラの外見に近づける。だがCP26には、ゴスロリ(企業エリアにゴスロリ衣装販売コーナーがある)、現在の中国で人気の衣装「漢服」、そして女子高生の制服を着た女性「コスプレイヤー」が大勢いた。


 


 


もしかしたらそれらの衣装はなにかのアニメキャラのものかもしれないが、コスプレの完成度を見ると「服を着ているだけ」のようにしか見えなかった。


多分彼女らは何か特定のゲームやアニメのキャラを真似ているのではなく、普段着とは異なる衣装を身にまとってCPという舞台を楽しんでいるのだろう。CPなどのコスプレイベントは何かのキャラになりきるだけではなく、日常とは違う自分をさらけ出す場所でもあるのだ。コロナが身近にあるいまの日常が「ケ」であるならば、CPなどのイベントはまさに「ハレ」の舞台だ。今後も「晴れ着」を着た参加者はますます増えることになるだろう。


 


 


 ・次回は未定?


今回はサークル参加者の友人のおかげで楽して参加できたわけだが、次回はなんか頒布品を持って行かないと申し訳ないなと思った。


 


しかし、いつもなら会場出口付近には次回のCPの開催日時が書いているはずだが、今回何もなかったのがとても不穏だった。例年通りなら今年の冬に再び開催されるはずだが、上海の今の状況が一転して悪くなる可能性もゼロではないので、運営側もそうやすやすと告知できないのだろう。


 


日本の冬のコミケも中止が決定した現在、今年最大規模の同人イベントだと言われているCOMICUP26だが、無事CP27も開催してその記録を更新してほしい。


 


 


 


今回の戦利品


 

上海市で72526日に中国最大規模の同人イベント・COMICUP(以下、CP26が無事開催された。無事と表現したのは、今回の新型コロナウイルス感染症の影響で、本来5月開催だったイベントが6月に延期され、再び7月に延期された末の開催だったからだ。


 


 


上海では大きな感染拡大が起きなかったが、56月に北京などで感染が報告されるたびに本当に上海で開催できるのかと不安になったし、開催直前には大連で感染者が確認されて対策が強化されたため、もし上海で起きていた場合、CP26は再び延期、または中止になっただろう。


 


 


これまでCPには北京から何度も参加しているが、今回はサークル参加する友人からサークルチケットをもらい、その店番という名目で入場することができた。コロナによる変化を含めた今回のCPの様子を書き、備忘録代わりにしたい。ここでは上海に行くまでの登録や準備について書く。


 

これまでのCPレポ

2018COMICUP23
 
2018COMICUP22
 
2017COMICUP21
 
2017COMICUP20


 ・支度はほぼスマホで


 


CP26にサークルとして参加する友人は当然創作物を持って行くつもりであり、上海出発直前まで日本アニメの同人漫画及びグッズを製作する上で締め切りと闘いながら散々産みの苦しみを味わっていたが、自分の心配事は無事に上海に行けるのか、着いてもちゃんと行動ができて北京に帰れるのか、北京に帰っても何事もないか、だった。それはやはりコロナが関係していた。


 


 


今回の上海・北京間は片道4時間半かかる高速鉄道を使用したが、この切符もこれまでと違っていて、発券がなく電子チケットだった。チケットの電子化自体はコロナがきっかけではなく昨年からすでに始まっていたのだが、初使用の自分としてはちゃんと申請がされているのか、それに中国の「身分証」を所持していないわれわれ外国人はパスポートを使用するので、どのように改札ゲートを通過するのか考えると不安になった。


 


 


もう一つはホテルの予約であり、これも高速鉄道と同様に以前からパスポートナンバー及び名前(ローマ字)を入力するシステムだ。上海旅行の際はいつも安宿を取っていた。しかし友人が、半年以上海外(日本)に行けていないどころか中国国内の旅行も満足にできていないので、せめて出先の上海では良いホテルに泊まろう、湯船のある部屋を取ろうと言って五つ星ホテルを取ったので、じゃあ自分もとで友人とは異なるホテル(昆侖大酒店)を予約した。


 


 


 


 


 


 


一泊600元(約1万円)ほどで、でかい部屋やベッドもそうだが、デスクがあるのが非常にありがたかった。ここでならいくらでも「カンヅメ」できる。
 


 


 


・手応えのないデジタルへの不安


 


高速鉄道もホテルの問題は当時から考えても単なる杞憂にすぎないが、それ以上に気がかりだったのは健康コードだ。現在、中国各地ではその土地(省や市)特有の健康管理アプリをスマホに入れ、店舗や施設に入る際はそれを提示し、自身が感染の疑いがないことを証明しなければならない。自分が住んでいる北京も行き先の上海も感染リスクは低く、移動が原因でそのコードがグリーン(セーフ)からレッド(危険)に変わることはないのだが、しかし何か不都合が起きないかを考えてしまった。

 
ちなみにホテル予約時もホテル側に宿泊の条件をちゃんと確認し、PCR検査の証明は必要かとメールで聞いたところ、感染低リスクエリアに住んでいる人は不要と言われたのでその手間は省けた。一応北京ですでに検査をして「陰性」の証拠はあるのだが。


 


 


 左が上海、右が北京で使う健康コード


 


さらに今回のCP26はサークル参加者・一般参加者関係なく事前に実名と身分証(外国人などはパスポート)ナンバーの登録が必要だった。これもまた本当に登録できているのかが心配だった。


 


 


しかし実際は、高速鉄道のゲートはパスポートを機械で読み取り、上海に着いても健康コードは正常に起動し、CP26の会場にも入れたし、北京に戻っても特に異常はなく(2日後に健康コードの再登録が必要になったが…)、問題が起きることはなかった。


 


 上海行き高速鉄道の改札


 

一方友人はサークルチケット(サーチケ)が無事届くのか気を揉んでおり、なんと上海から北京にサーチケが届いたのは出発前日の723日(木)だった。そのため、サーチケに同封されているサークル出展契約書は現場で提出した。


 


 2日分のサーチケ


 

コロナと初めてのこと、さらに旅行という要素が重なった結果、余計な気苦労が増えただけなのだが、こういう風に感染拡大予防が理由で必要な登録がどんどん必要になっていくと、心配性の人間はますます暮らしにくくなる。


 


最近はコロナに感染すること以上に、今後中国(北京)で発表される措置に自分が対象としてちゃんと含まれているのだろうかという方が心配だ。成功体験を積むことでその緊張も幾分緩和されるので、不安に対する一番の対処法は挑戦なのかなと今更ながら考えてしまった。


 


 


1年ぶりの上海


 


無事上海に到着し、ホテルに荷物を置くと早速夕食を食べに出掛けた。夕食はもちろん、上海に来たら毎回食べているアレだ。


 


 


哈霊麺館のカエルラーメン
いつも通り美味かったが、カエル肉のプリシャキ感が足りなかった。


 


 


半年ぶりに見た上海の町並みはやはり郷愁を感じさせるものだった。上海の町並みは日本と似ていると言われるが、そもそも東京など本州に全然行ったことがない自分でも懐かしさを感じるのは、さすがは「魔都」上海と言ったところだ。


 


 


そしてビールを2缶買って部屋に戻り、風呂にバブを入れ、約半年ぶりに湯船に浸かり、デカイベッドに早めに寝て明日の本番に備えた。


 


 

 


企業エリア


 


同人エリアとは違い、企業エリアは写真撮影が禁止されていないので結構撮った。


 


 


 


 


 


 


 


    


麻雀ゲーム『雀娘』のブースでは全自動雀卓がセットされ入場者が実際に麻雀を打っていた。「ツモ」とか「ピンフのみ」とか日本語が聞こえた。ルールも日本風?らしく、役がないと上がれないようだった。こういうのも『咲』とかのアニメで覚えるんだろうか。


 


   


中国の人気漫画『非人哉』の作者サイン会が行われていた。これは中国漫画館というTwitterアカウントで日本語版が連載されているので、作者に「日本語版も読んでいます」と伝えたかったが、そういう雰囲気ではなく、何も声を掛けられなかった(ギスギスした雰囲気ではないが、誰も彼もが作者に話し掛けていないので恥ずかしかった)。


 


 


 


企業エリアの花形はビリビリ動画などの大きなステージだが、目玉は公式グッズショップだ。今はタオバオとかのネットショップがあるから別にここで買わなくてもと思うのだが、雰囲気がそうさせるのか各ショップには始終列ができていた。


 


 


 


 


特に多かった『魔道祖師』グッズ


 


 


 


 


 


 


 


アニメ伊藤潤二『コレクション』のグッズ(台湾)


 


 


  


今回も声優のイベントがあった。ボイスドラマ『黙読』の主役声優である劉琮と楊天翔のトークショー及びサイン会が16日に行われるはずだったのだが、結局トークショーは中止になってしまった。


 


詳しい顛末はここに載っている。


https://www.weibo.com/ttarticle/p/show?id=2309404318240313576412


 


要するに、トークショーを見に来たファンが多すぎたため、限られた警備員やスタッフだけで現場を整理することができず、安全を考慮した結果、やむを得ず中止にした(トークショーを23分だけ開いた)そうだ。


  


これは完全に運営側(CP及びこのボイスドラマ会社)のミスであり、こういう運営側の不備によるイベントの中止は中国でよく聞く。私も、まさか楊天翔にそんなに多くのファンがいるとは思わず(CP22の時はまだ大丈夫だった)、ファンの数が予想できなかったという運営側の言い訳は分からなくもない。とは言え、声優ファンの中にはこのためだけに飛行機や高速鉄道に乗ってここまで来たという人間もいるので、万全を期してもらいたいものだ。


 


 


まとめ


 


今回はやはり、撮影禁止の措置に驚かされた。今のところ上海のCPしか状況が分かっていないが、この措置が中国の同人イベント全体に広がる可能性がある。中国の同人イベントは女性作家に支えられていると言っても過言ではないと思っているので、今後BL二次創作の締め付けが厳しくなれば、こういうイベントもいつまで続けられるのかと心配になった。


 


だが、イベントの参加者が現在の不穏な空気を読み取り、挑戦的な行動に出ていないのは救いかもしれない。例えば、同人エリアでもやはり写真を撮っている人間はいたが、微博を覗いてみるとブースに並ぶ出展物を撮影した写真はほとんど見当たらず(もともとそれをアップする人間自体が少ないのかもしれないが)、多少の不自由があってもルールを守って続けていこうという団結心や意志が感じられた。


   


戦利品


 


 


 


『東方Project』の水墨画風画集の新作を買えた。あとは中国SF漫画短編集が収穫だが、これも実際に出版されているので同人ではない。今回の使用金額は公式グッズ含めて600元もいっておらず、年々買いたいと思える物が少なくなっているという実感が数字として出てきた。これは、自分の興味のあるジャンルの同人をあらかた買ってしまったことが原因だ。だからジャンルを増やせばいいのだが、それでも『一人之下』のように自分好みの物が見つからずに何も買えないということがある。


    


友人の戦利品はこのように豊富なので(というか大体『一人之下』だが)、CPの出展物が減ったというわけでは決してない。


 


 


中国では、政治のお膝元である北京での同人イベントの開催は年々少なくなるが、上海を含む各地ではCOMICUP以外に多くの同人イベントが行われている。オンリーイベントも多いので、COMICUPにこれ以上の収穫が見込めなければ、他のイベントに行ってみるのも一つの手だ。


 

 


 


 


 


1215日と16日、上海の新国際博覧センター(SNIEC)で「COMICUP23」(CP23)が開催された。


 


2017年のCOMICUP20から4回目となる参加だが、今回はお目当ての同人を買いに行くということより、COMICUPの現状を知るのが目的だった。中国では最近、同人業界に不穏な空気が漂っているのだ。


 


201711月、ネット作家の狗娃子天一は自作BL小説『攻占』をネットで数千冊販売し、エロ本を売って金を稼いだということで逮捕された。そして201810月に行われた一審で、本を7000冊売って15万元(約240万円)の利益を得たとして、懲役10年の判決が下された。この結果に中国ネット界隈は騒然となり、特にネットでBLイラストを描いている作者らはこの判決を知るや否や、微博(マイクロブログ)からそれらのイラストを自主的に削除したようだ。


だがこの判決は20年前の司法解釈を根拠にしており、現代にそれを適用するのは無理がある。そして同年1218日の二審では、7000冊販売と言われているが実際は4000冊程度、利益の15万元の中に製造コストが含まれていない、『攻占』がエロ本であるという判定の基準が不透明、などの理由が挙がり、作家側に追い風が吹いた。


 


 


日本のコミックマーケットと異なり、COMICUPの主力はオリジナル二次創作の女性向け同人で、出展者や入場者も女性の方が多いように感じる。BLメインのイベントが昨今の情勢にどのように対応しているのかを知るために参加したわけだが、現場に来たら同人業界が置かれている立場が予想以上に厳しいことが分かった。


 


 


今回もイベント前日の金曜日に仕事を終えて18時発の上海行き高速鉄道に乗り、23時頃ようやくホテルへ。いつものユースホステルが改修工事中だったため、外灘(バンド)にある同系列のユースホステルに泊まる。ここの方が会場の新国際博覧センターに近く、今度からここを利用しよう思った。しかもホテルの近所に、上海に来たら毎回行っている24時間営業のカエルラーメン屋の支店があるのだ。


 


 


15日は朝食にカエルラーメンを食べてエネルギーを補充し、朝7時にはホテルを出た。


今回はサークル出展者の知り合いからサークルチケットをもらっているため、会場に入るために長蛇の列に並ぶ必要がなくなった代わりに、朝8時半まで会場入りしていないといけない。


 


ちなみにVIPチケット所持者は9時半入場、一般チケット所持者は10時入場だったが、会場は9時頃にVIPチケット所持者向けに開放された。予定入場時刻と実際の時刻が違うのはいつものことだ。


 


会場に入って同人エリアに着いて驚いたのは写真撮影の徹底した禁止だ。事前に公式から、同人エリアでの撮影を禁止するというアナウンスがあったが、そうは言っても大した効力はないだろうと高をくくっていたが、現場には非常に厳格なルールが敷かれていた。各サークルブースのネームプレートの上に貼られた「撮影禁止」の紙、ブースを区切るアルファベットの垂れ幕に書かれた「撮影禁止」の文字、「撮影禁止」の立て札を持つCPスタッフなど、とにかく到るところで禁止の文字が飛び込んでくるので、同人エリアで写真を撮ろうという考えはなくなった。


 


公式の取り決めによれば、同人エリアで写真撮影が可能なのは取材証を持つ人間だけで、それもブースを撮影する時は出展者の許可をもらう必要がある。また、壁には入場者へ向けた規則も貼られ、出展作品を笑ったり突っ込みを入れたりしない、ブースの前で長時間喋って販売の邪魔をしない、出展者との交流はマナーを守って行うなどの文言が並んでいた。今回の撮影禁止は今までの入場者の態度を改めるものだったのかと思ったが、私にサークルチケットをくれた出展者によると、「色々言っているが、一番の心配は、会場で出展されている本の写真をネットにアップされ、それが警察の目に止まること」だと言う。


 


確か、前回CP22では現場で出展物の違反を指摘された女性が逆上して、逆にCOMICUPを警察に通報してやると騒いだ事件があったようだが、今回の撮影禁止の措置はこのような報復を予防する目的があったかもしれない。


  


というわけで、同人エリアの写真は全くなく、ただ記憶に基づく報告をするだけだ。


  


15日と16日両日、私は8時前後に会場入りした。CPのスタッフと警備員を除き、会場にいるのはサークル関係者ということになる。しかし、8時の段階ですでにブース前に列ができているのはどういうわけだろう。CPではもうお馴染みになったゴシックロリータエリアの各ブースにすでに列ができているのにも驚いたが、何より目を引いたのは同人エリアにありながら実質公式サークルの『魔道祖師』ブースで、8時にすでに列が3つに分けられるほど、多くの女性が並んでいた(ちなみに『魔道祖師』は作者が同人グッズ販売の自粛を呼び掛けている)。私もサークルチケットを譲ってもらったのであまり人のことは言えないが、サークル関係者であることを利用して早くから並ぶのは「ナシ」じゃなかろうか。


 


あと、ブースと言えば、私は気付かなかったが、同人グッズの値段を書いた値札を置いていないところが多かったらしい。販売はしていないという建前で警察の介入を防ぐのが目的だろうか。


  


今回は見たところ、男性向け女性向けともにそこまで過激な表紙は少なかった。


  


今回興味があったのは日本語訳もされている中国の人気漫画『一人之下』の島だったのだが、やはりほとんどが諸葛青と王也という女性向けカップリングばかりで、私の好きキャラである肖自在をテーマにした同人が一つもなかったので何も買わなかった。


 


 


 


殺人嗜好症の異常者でちょっとずれてる肖自在(一応味方側)


 


 


ところで、中国ではすっかり生活に欠かせなくなったスマホ決済だが、今回のCP23で私は現金を使わなかったので、現金受付拒否のブースがどのくらいあったのか不明だ。だが、同人即売会も支付宝(アリペイ)と微信(ウィーチャット)のスマホ決済が主であり、もしかしたら近い将来、こういうイベントでは現金禁止がルールになるのかもしれない。


 


 


そう言えば、CP20に引き続き、日本から漫画家の士貴智志が来ていて、ブースでサイン色紙を描き続けていた。しかし、せっかく日本の漫画家が来ているというのに隅っこで黙々とサイン色紙を描いているのはもったいないと思う。トークショーをやれとは言わないが、通訳も付いているし、会場には有名無名の中国人漫画家も来ているんだから、もう少し中国人との交流を増やせば良いんじゃないだろうか。


  


 


COMICUP23報告 その2に続く


 


 


 


 


Copyright: 栖鄭 椎(すてい しい)。。All Rights Reserved.
Powered by NinjaBlog / Material By 御伽草子 / Template by カキゴオリ☆