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プロフィール
HN:
栖鄭 椎(すてい しい)
年齢:
33
性別:
非公開
誕生日:
1983/06/25
職業:
契約社員
趣味:
ビルバク
自己紹介:
 24歳、独身。人形のルリと二人暮し。契約社員で素人作家。どうしてもっと人の心を動かすものを俺は書けないんだろう。いつも悩んでいる……ただの筋少ファン。



副管理人 阿井幸作(あい こうさく)

 28歳、独身。北京に在住している、怪談とラヴクラフトが好きな元留学生・現社会人。中国で面白い小説(特に推理と怪奇)がないかと探しているが難航中。

 Mail: yominuku★gmail.com
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このブログは、友達なんかは作らずに変な本ばかり読んでいた二人による文芸的なブログです。      

 

2016年度第74回ヒューゴー賞短編賞を受賞した『北京折畳(折りたたみ北京)』が収録されている短編集。劉慈欣の『三体』に続く中国人作家のヒューゴー賞受賞作品ということでTwitterなどで既に話題になった作品をようやく読むことが出来ました。




人口の増加と土地の減少の問題を解決するために北京は500万人の上流階級が住む『第一空間』、2,500万人の中流階級が住む『第二空間』、そして5,000万人の下流階級が住む『第三空間』の三つの世界に分けられた。空間は時間帯によって入れ替わり、時間が来ると土地が建物ごと折りたたまれて仕舞われて新たな空間が現れる。第一空間の住人は朝6時から翌日の朝6時までの24時間を享受することができるが、第二空間の住人は朝6時から夜10時までの16時間しか使えず、第三空間の住人に至っては夜10時から朝6時までの8時間しか時間が貰えない。主人公の老刀は第三空間で生まれそこで2,000万人が従事しているゴミ処理場の職員として働いている。ある日、第二空間の学生から第一空間まで手紙を送るように頼まれた老刀は娘を良い幼稚園に入れるお金を稼ぐために決死の思いで『密入国』をする。



統計によると2016年現在の北京の総人口は2,000万人ほどだと言われていますが、実際には3,000万人以上いるという指摘もあります。この作品ではおよそ8,000万人の人間が北京に暮らしていますが、ここでは空間どころか時間でも住民を明確に区別しています。



第三世界に住んでいる住人は罪を犯したわけでも罰としてそこに入れられているわけでもありません。老刀の場合は彼の父親もここでゴミ処理場で働いており、この境遇が悲惨であるとも思わず怒りも覚えておりません。そして恐らく第一空間の住人も同様に、第一空間で生まれた子どもは生涯そこで過ごすことができるのでしょう。



この作品で衝撃を受けたのは北京が知育玩具のように折りたたまれて異なる様相を現すこと以外は特に現在と変わりがないというか現実の延長にある世界を抱いているところです。


実際に北京に住んでいる外国人として自分は第二世界には行けるのだろうかと不安を抱きますが、それすらも中国人から見ると非常に傲慢な考えで、外国人だからと言っても能力のない人間は第三世界にすら住めないかもしれません。実際いまは北京で発行される外国人ビザの条件がどんどん厳しくなっているので、自分としては北京が折りたたまれることより北京に住めなくなるんじゃないかという不安の方がよっぽど切実かつ現実的です。




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本番の91119時から22時までが授賞式でした。3時間も何やるんだろうと疑問でしたが始まってみると賞の発表の連続に驚きました。


私が記録しただけでも今回はこのぐらいの賞がありました。


科幻電影創意賞

科幻探索賞

最佳原創図書

最佳引進図書

最佳青少年作品

最佳評論

最佳編輯

最佳美術作品

最佳短篇小説

最佳科幻社団

浩林杯最佳小児図書

年度新秀

最佳中篇小説

最佳長篇小説

特別貢献賞





編集者に授与される賞や小説の表紙を描いたデザイナーに対する賞もありえらい景気の良さを見せつけられた気がします。


6回の賞一覧を見てみると「最佳科幻迷賞(SFファン賞)」なんかもあったようで、賞の種類は毎年増減しているようです。しかも聞くところによると賞の数はまだまだ増える予定ですので、例えば私が今から中国SFに関するレビューを書き続けていけば第8回には『最佳海外科幻評論賞』なんかを作ってもらって受賞できるのではないでしょうかと妄想してしまいます。



授賞式の合間には寸劇というか出し物もあって見ていて飽きなかったです。



ライトセーバーを持ち、ジェダイやシスの格好をして出て来る審査員たち



手品。花束をステッキに変えるというベタベタなものから美女の空中浮揚までやっていた。この一連の手品、セットで売られていそう。



たちはらとうや、Cat Rambo、そして中国人作家(名前忘れた)の日米中三ヶ国語による老舍の『猫城記』の朗読会。

 

 





ミュージシャン(有名?)による『銀河之外』の生演奏。なかなか良い詩だった。






・総評


デカイイベント、国内外の著名人、数々の賞と賞金を見てやっぱお金があるところは良いなぁと思ったのが正直な感想。もしこれと同じ規模を中国推理のジャンルでやるとしたらまずスポンサーを呼ぶための目玉となる作家なり作品なりを用意する必要があり、当分の間は期待できません。



そして中国SFがメディアミックス、というより映像化に力を入れていることに興味を惹かれました。中国推理も同様にドラマ化を進めていますが、中国SFはそれより一段上の映画化を目指し、国外への進出を狙っています。あの『三体』が2017年にいよいよ劇場公開されるということですがそれがこの先駆けになるのでしょうか。まぁ絶対に成功させなきゃいけないプロジェクトでしょうし、我々外国人も成功を祈っています。最近のハリウッド映画で露骨な中国押しがありウンザリしている人が多いと聞いているので、だったら一から全部中国国内で製作してくれというのが世界の映画ファンの本心なのではないでしょうか。



ところで中国SFではタイムスリップや輪廻転生などが規制されているという話を聞きましたが、結局のところこの制約は有効なのか、そして作り手側は不利益を被っているのかが気になりました。


またこれは現場でとある中国人SF作家から聞いた話なのですが、日本ミステリ(海外ミステリ)を主に出版する新星出版社のような日本SF(海外SF)専門の出版社がないから中国には新しい海外SFがあまり入ってこないようです。「いちばん有名な日本人SF作家は?という私の質問にその作家は「星新一?と笑いながら答えてくれましたがちょっと冗談には聞こえませんでした。

 ただし伊藤計劃の『虐殺器官』と『ハーモニー』は簡体字訳されていますし、今回の最佳引進図書(最優秀海外図書)では『火星の人』が金賞を取りましたので、要するに本国で売れている作品ならば中国で売るつもりはあるということなのでしょう。ココらへんが日本ミステリ事情と異なっており、日本ミステリの場合はその作品単体が無名でも『日本ミステリ』という幅広いジャンルで一定数の売れ行きを見込んで出版しているのかと思います。




ただ、中国SFの発展具合を見るともう海外SFなんかいらないんじゃないかと思います。中国側もいまは中国SFを海外に宣伝することに焦点を絞っているようですので、今後は世界が中国SFを理解する側に回るのではないでしょうか。

 

 

終わり!!

 

記念すべき開幕式は海淀区の国家図書館にある芸術センターで執り行われました。と言っても式典の14時から18時までほとんど来賓の作家や会社社長らのトークとなり、本番はあくまでも911日です。



10日及び11日のイベントは事前予約制となっておりQRコードがないと入場できません。海外からのお客さんが多いのである程度の防犯対策が必要なのでしょう。会場は500人ぐらい収容できる大講堂でしたが多分400人ほどしか入っていません。また、中間の席が「ゲスト席」となっていましたが多分ここには大学のSF研究会の学生や関係者なんかが座っていたのでしょう。



前日の9日に北京師範大学でのトークショーで藤井太洋さんが、参加者の平均年齢が日本よりずっと低い、ということを感動したように話していましたが、この日もやはり学生らしき若者の姿が目立ちました。



この日は『三体』の劉慈欣、王晋康、呉岩、姚海軍ら中国SFの巨匠をはじめ、日本SFからは藤井太洋、たちはらとうや、アメリカSFからはCat RamboCrystal M Huff、そしてハリウッドの特殊効果?専門家のSebastian Carrilloが参加。



各界の著名人が中国SFの歴史や未來、そしてメディアミックスについて話す中、この日一番の目玉はおそらく呉岩、董仁威、姚海軍、藤井太洋、Cat RamboCrystal M Huffによる中日米SFトークショーだったと思います。ただ、藤井太洋さん方外国人3名の会話がほぼ英語だったため私は話をいまいち理解できませんでした。



実は会場では中英の同時通訳が行われていて受付で借りられる小型受信機でその通訳を聞くことができたのですが、それをすっかり忘れて入場してしまっていました。まぁなんか、日本やアメリカに中国SFを輸出することについて語っていたと思います。

 

 中国人SF小説家によるSFと現実の未來に関するトーク



 しかし映画関係者が次々に壇上に上がっている様を見ると、中国SFって本当に映像化に力を入れているんだなと感心しました。原作小説を海外輸出するより映画にしてから世界に広めた方が手っ取り早いんじゃないでしょうか。







20169月の北京は中国SFのイベントが集中する月でした。98日は第27回科幻銀河賞授賞式が北京航天大学で執り行われ何夕の『天年』が最優秀長編小説賞が選ばれ、そして99日から12日までは全球華語科幻星雲賞に関するイベントが主に北京市海淀区の各地で開催されました。


今回はその全球華語科幻星雲賞に関するイベントの報告をまずは99日分から行います。




99日は北京師範大学にて『中日科幻小説と影視動画漫談』(日中SF小説と映像作品に関するトークショー)が開かれ、日本側からは藤井太洋とたちはらとうや、中国側からは日本の『SFマガジン』に『鼠年』が訳載された陳楸帆、『文学少女偵探』の作者であり過去2回全球華語科幻星雲賞に入賞している梁清散、そしてSF小説家でもあり日中翻訳者でもある丁丁虫が日中SFトークを展開。


(写真は左から陳楸帆、たちはらとうや、通訳、藤井太洋、梁清散、丁丁虫。スクリーンには中国SFの代表的人物であり北京師範大学出身の呉岩が映っているが当日急に来られなくなり、代役で梁清散が話すことになったらしい。)



トークショーでは主に日本SF業界の現状に興味が集中。その中で、たちはらとうやさんが語った中国SFを日本へ輸入する際の問題点は、中国文学の中でも比較的メジャーなSFならでは起こる問題に思えました。日本の出版社側に中国語のわかる人がほぼいないということは仕方ないとしても、中国SFを知るためには英訳された作品を見なければいけず、更にその作品を日本で発表する段で中日翻訳するのではなく、中日という手順を踏みたがることは日本における中国SFの発展をだいぶ阻害するのではと感じました。この点には陳楸帆も「原作の意味がどれだけ残るかわからない」という作家としての不安を上げていました。



また、藤井太洋さんはトークショーの来場者を見て「年齢層が日本と比べてだいぶ若い」と指摘。当日は各大学のSF小説研究会のメンバーも来場者として参加していましたが、作者も読者も若いというジャンルは成長の余地が十分残っていていいですね。



質疑応答では「日本ではSFとは何を指すのか?」という極めて単純で難しい質問が寄せられ、藤井太洋さんが「その作品を指してこれはSFではない否定してはいけない」真剣に忠告する場面も。




トークショーのあとは『未來全連接』というSFショートショート作品大賞の授賞式が始まりました。


まさか中国にこれほど多くのSF小説研究会があったとは驚きました。





このトークショー兼授賞式は決して大きな規模ではなかったですが、それでも中国SFの長老格である王晋康(写真左から2番目)や董仁威(写真右端)が顔を出しており、やはりこの期間は中国SF界にとって貴重な日々なのだなと感慨深くなりました。




まぁただ個人的に一番ドキドキしたのが私の隣に座っていた男性がSF小説家で『外星人在中国』(宇宙人は中国にいる)というノンフィクション書籍の作者だったということです。「中国にも矢追純一やたま出版の韮澤さんみたいな人っているんだなぁ」と感心しつつ「あなたの本絶対買います!」と約束したのですが、アマゾンでも京東でも見つからなくて困っています。本人に連絡を取るしかないのかな…

 

827日に『第23回北京国際図書博覧会』(以下、北京ブックフェア)に行ってきた。今年は824日から828日まで開催されていたが、例年と違い毎日一般参観が可能だったようだ。(去年は一般参観が土日だけで平日は企業しか入れなかった)

 

いつもどおり14号線『国展』駅前の中国国際展覧中心が会場になっているが、駅前でダフ屋がチケットを定価20元の半額の10元で売っていたのが気になった。

 

 

去年2015年は抗日戦争勝利70周年ということもあり関連書籍がたくさん出ていて結構賑やかだったが、それに比べると今年はそれほどでもなかった。

 

今年の北京ブックフェアの様子。

  

 

 

  日本ブース

 

  

講談社がトップに居るのは毎年恒例。

 

 

小さなスペースで安野モヨコ展をやっていたのは何故だろう。あと、安野モヨコは中国語だと安野夢洋子というのか。

 

アニメイトコーナーのおそ松さん特集。北京にもアニメイトがあるが王府井のカフェで~までコラボイベントを開催しているらしい。

 

 

日本ブースの各出版社で展示されていた本の数々。

 

 

 


毎回説明するが北京ブックフェアは出版社同士が書籍の版権を売買する場所であり、書籍自体を売ることを主としていない。中国の出版社に置かれている書籍はみな中国で流通している本だから来館者は購入することが可能だが、外国の出版社で展示されている外国語の本は買うことはできない。

  

韓国ブース。

 

相変わらず日本より大きくて撤収している出版社が多い。(ブックフェアは28日日曜日まで行われるが韓国ブースの大半の出版社は平日の商談が終われば帰ってしまうようだ。)

  

韓国ブースは漫画を重点的にプッシュしているらしい。私はここで展示されている韓国の漫画の絵柄には非常に惹かれているのだが、いまだに北京で中国語訳された韓国漫画を見たことがない。

   

例えばこの『THE TABLE』という漫画。おそらく左にいる女性看護師のために隣の男がスタミナのつく料理を作る内容のグルメ漫画なのだろうが、料理を題材にしているというだけで読んでみたい。

 

 

とは言え、今回も『妖怪藻堂』という韓国漫画の作者・金京一のサイン会が開かれていて、少なくない(主に女性)読者が列を作っていたから例えばウェブ漫画等の形態で中国でも韓国の漫画を読むことができて一定数の読者がいるのだろう。

 

 

台湾ブース

 

 

軽小説(ライトノベル)が充実していた。またコーナーこそなかったが台湾ミステリも多く出品されていて例年とは異なる印象を受けた。

 

 

 

台湾ブースでも書籍を買うことはできない。ただ、こんなに多くの面白そうな本を見せられたらどうしても手に入れたくなるのが人のサガ。どうにかして買おうと現場のスタッフにダメ元で聞いてみたがやはり「売れません」の一言。

 

 表紙からして面白そうな台湾ミステリもあった。買えないのが本当に悔しい。


しかし、台湾側のこのラインナップは「台湾にも日本と同じぐらい面白いライトノベルがあるぞ!」という中国大陸にメッセージかもしれない。それに日本ブースではライトノベルがこれほどまとまって出品されていないからこの台湾ブースの展示は目を引いただろう。近い将来、大量の台湾ライトノベルが大陸に進出するかもしれない。

 

 

今回は大手ネット総合古書店『孔夫子』やアマゾン、京東などネット書店のブースがあったのが気になった。

 

孔夫子で出品されていた日中戦争時や文革の頃の書類

  

 

 


ホールでは著名人のトークショーが行われているのだが、私が見に行ったときは中国文学の翻訳者という4名の外国人が通訳無しで中国語でトークしていた。流暢に話す姿から私なんかよりよっぽど中国語が上手いということがわかったが、ホールの音響設備が最悪でマイクから出る音声がくぐもっていたため彼らの話す中国語が全く聞き取れなかった。隣りにいた中国人カップルも「なんて言ってるの?」的な会話をしていたので私のヒアリングの問題ではないと思う。なんだかいたたまれなくなったので帰った。

 


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