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プロフィール
HN:
栖鄭 椎(すてい しい)
年齢:
34
性別:
非公開
誕生日:
1983/06/25
職業:
契約社員
趣味:
ビルバク
自己紹介:
 24歳、独身。人形のルリと二人暮し。契約社員で素人作家。どうしてもっと人の心を動かすものを俺は書けないんだろう。いつも悩んでいる……ただの筋少ファン。



副管理人 阿井幸作(あい こうさく)

 28歳、独身。北京に在住している、怪談とラヴクラフトが好きな元留学生・現社会人。中国で面白い小説(特に推理と怪奇)がないかと探しているが難航中。

 Mail: yominuku★gmail.com
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このブログは、友達なんかは作らずに変な本ばかり読んでいた二人による文芸的なブログです。      

 


今夜宜有彩虹』(今夜は虹が出そう)


 


 


 


中国ユーモアミステリ(バカミス)の旗手・陸燁華の新刊であり、『超能力偵探事務所』とは異なるシリーズ?らしい。


 


二つの視点が交互に展開するストーリーはなかなか核心的な地点にたどり着けず、どのようにまとめたら良いのか悩む内容だった。


 


 





落ちぶれてホームレスになってしまった「オレ」はある日、川で身投げを目撃する。身投げした場所に行ってみると、「警察には通報しないでください。家にあるお金は差し上げます」というメッセージが落ちていた。そこでその家に行ってみると、次は「別荘に行け」というメッセージ。


ところ変わってホテル上海花園酒店の「彩虹楼」では喫茶店従業員の沈氷月が小説家の丁と編集者の趙と共に死体を発見する。ホテルの一室に横たわるその死体はホテルのオーナー呉家元のもので、不思議なことに死体は六面鏡で囲まれていた。現場に残された不思議な暗号と踊るピエロが書かれた紙切れ。探偵に扮した趙編集者は現場のおかしな点を次々と指摘する。





 


 


どうやら「オレ」の宝探し的なハードボイルド小説部分と沈氷月を主人公とする一般的なミステリー小説部分は軸が異なっているらしい。しかし一応小説を読んでいる身としてはこの二つの物語がいずれどこかで交差するだろうと身構えるのだが、読み進めても一向に交わる点が見当たらない。


 


まさか村上春樹の小説じゃないんだから重ならないまま終了ということもあるまいと不安になってきたところに奇人編集者趙によって二つの世界が結び付けられる構成も見事だし、その余りに馬鹿馬鹿しいロマンチックなオチには本書を「バカミス」と分類して良いのだろうかという疑問すら生じる。


 


 


 


陸燁華は本書後書きでこのストーリーを書くきっかけになったインスピレーションを書いている。ちょっと翻訳して引用してみたい。


 


 


…中略…ありうる「意外な犯人」はほとんど書き尽くされてしまった。探偵が犯人、警察が犯人、語り手が犯人、ひいては読者が犯人という作品まであるが、しかしちょっと待ってほしい。まだ誰も「犯人」が犯人という作品は書いていないのではないか?

 これに思い至ったとき、ストーリーのトリックも自然と誕生した。物語が3分の1進んだ段階で探偵が犯人を指摘する。しかし「作者はそいつが犯人だと言っている」ことと「物語がまだ3分の2も残っている」という事実を組み合わせることによって、読者に「コイツは絶対に犯人じゃない」と思わせる。


 


 


一度犯人だと指摘された人間が最終的にやっぱり犯人だったという展開が果たしてまだ誰も「書いていない」のかはわからないが、その後の文章でここ最近とりわけ印象に残ったミステリーの手法に触れている。それは「突然推理」(原文ママ)だ。


 


 


「突然推理」とは何もおかしなことが起きていない状況で、探偵が突然犯人を当てることだ。聞くだけなら非常にスマートだが、実際のアイディア出しはたまらなく苦痛だ。
 普通のミステリーの構造はこうだ。問題が発生する→手がかりを探す→手がかりと問題を組み合わせる→犯人を指摘する。難点は3番目にあり、前2つは3番目に合わせて調整することもできる。
 しかし「突然推理」は、手がかりを探す→手がかりを集めて問題を指摘する→手がかりと問題を組み合わせる→犯人を指摘する。という構造だ。重要なのは解答部分ではなく、何が問題なのかすらも自分で推理しないといけない点だ。
 
 「突然推理」については優秀な2作品をモデルにできる。梓崎優の『冰凍俄羅斯』と時晨(中国ミステリ小説家)の『緘黙之碁』(沈黙の碁)だ。


 


 


「突然推理」という聞き慣れない単語は字面から意味が大体わかるがしっかり把握することは難しい。彼の言う事件の手順は、事件が起きた現場に異常があっても、それが何故異常なのかきちんと説明しなければいけないということだろうか。例えば本作では事件現場の部屋の窓が本来なら開いているはずなのに閉まっていたということが事件を解決する鍵になっている。なにせこの「突然推理」はおそらく作者・陸燁華の造語らしいので(百度で検索しても全くヒットしない)、私が理解するにはまだ時間がかかりそうだ。


 


ところで陸燁華が参考にした梓崎優の『冰凍俄羅斯』は日本語に直訳すると『凍るロシア』になるんだが、これは短編集『叫びと祈り』に収録されている『凍れるルーシー』のことを指しているのだろうか。ちなみに、梓崎優の小説は中国大陸で正式な翻訳版がまだ出ていないようだが「民翻」(民間翻訳。ファンが個人的に非商業目的で翻訳した作品)がある。おそらく陸燁華はこれを読んで勉強したのだろう。


 


『超能力偵探事務所』しかり、チャレンジ性豊富な作品を出して着々と自分のキャラクターとスタイルを形成している陸燁華。本書解説で中国ミステリ小説家・陸秋槎も指摘しているが、凄惨さを感じさせない陸燁華のコメディ的なミステリーは中国ミステリの成長を見て取る格好の作品かもしれない。


 

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 企業エリア


メインはやはりBILIBILI動画か。会場入ってすぐ見えるBILIBIRIの大きなモニターではその真下のステージで踊るコスプレイヤーのダンスが映し出されている。


企業ブースの商品には全く興味が無いのでどこも見るだけに留まったが、ゲームのブースが多く一見しただけではそのゲームが日本製なのか中国製なのか分からなかった。


 


 


 


例えば『全民舞姫』というVRを使用したダンスゲームはCVに竹達彩奈や田中理恵など日本人の大物声優の名前があるのでてっきり日本製かと思ったが、ゲーム画面に映るダンスの舞台(自室や屋外)を見ると非常に中国的。調べてみるとこのゲームは上海のゲーム会社が作った中国製だそうだ。


 


 


『萌戦無双』もいかにも日本製のゲームという感じだ。ただ、タイトルに「モセンムソウ」と書いてあったのでこれは比較的簡単に中国製だと気付いた。その他、CVに井上喜久子らの名前があるいかにも中国風のゲーム『食之契約』があった。



『陰陽師』『兄に付ける薬はない!』など、中国製だが声優は日本人というアニメやゲームは今後ますます増えるだろうが、内容はともかくこのように作品を生み出せるコンテンツ力を持つ中国を見ると「海賊版」という言葉も遠い昔のものになる日も近いという気がしてくる。


 


まだ中国に海賊版が今より大量にはびこっていた時、その理由は「日本でこういうゲーム(漫画)が出ますよ。でも中国では買えません」「新作アニメが放送されますよ。でも中国では見られません」という、中国人消費者が強いられていた「おあずけ」によるものも大きかったのだと思う。しかし、例えCP21の企業ブースで展示されている最新のゲームやアニメの全てが中国でも享受できるのかは定かではないとしても、今の中国では簡単に正規版を手に入れられるようになった。


 


 


 


アニメ化が決定しているBLゲーム『魔道祖師』ブースでは中国人声優のイベントが行われた。


 


 


中国ではおなじみのゲーム『戦艦少女』(『艦これ』とは異なる)のグッズを買おうとブースの外まで長蛇の列が並んでいる。


 


 


 


中国でも放送が予定されているアニメ『ラーメン大好き小泉さん』のブース。


 


好きなラーメンの人気投票企画があったが、とんこつラーメンの圧倒的人気、そしてラーメン二郎のマイナーぶり。


 


コスプレ-


 


中国製ゲームやアニメなどが次々生まれた結果、同人イベントのコスプレにも変化が生じ、今回のCP21でも『陰陽師』『凹凸世界』など中国製ゲームのコスプレイヤーが大勢いた。もちろん中国でも有名な日本アニメFATE『宝石の国』、そして根強い人気の『東方』(どうでも良いけどこっちのイベントって東方キャラのコスプレをする「男」が多い気がする)もたくさんいたが、日本人には分からないコスプレをしているレイヤーたちがイベントで着実に増えている。


 


日本人には分からないコスプレが増えたことは、すなわち中国のコンテンツ力が高まったという証拠なのだろう。


コスプレ写真は撮ってないので当時の様子を知りたい人はTwitterで「CP21」を検索して欲しい。


初日の9日は上海にしては肌寒く、10日は逆に防寒着がいらないほど暖かかった。そのせいか2日目の方がコスプレイヤーの数が多かったように記憶している。2日目はコスプレ撮影の日とかいう決まりでもあるのだろうか。


 


くまモンの抜け殻。多分中の人がトイレにでも行ったのだろう。


 


 


CP21の不満点・疑問


 


・公式サイトで出展ブース数及び出展品数を確認することはできるが、来場者数がいくらでどのくらいの売り上げがあったのかなどのデータがほとんど発表されない。

 →12月16日に公式発表があり、12月9日と10日で15万人の来場者と延べ3000を超えるサークルが参加したというデータが出た。


 COMICUP21無事開催!君は会場に来たか?(中国語)



・今回は一般入場者も開場の1時間半前に入場できてVIPチケットのプレミア感がなくなっているので、例えば有名サークルを優先的に並べるみたいな特典を付けてほしい。


 


・いくつかのサークルでは日本の同人誌の公式中国語版を売っているが、一見するとわからないので注意書きでも付けてほしい。



  とは言え、来年のCP22も当然参加するんだろう。


 

 


『水滸猟人(水滸伝ハンター)』


 


著者の時晨はこれまで『黒曜館事件』『鏡獄島事件』などロジック重視のミステリ小説を書いてきた作家だ。その彼が書く武侠小説なのだからてっきり武侠ミステリのジャンルかと思いきや結構ガチな武侠小説で驚いた。


 


 




水滸伝の舞台になった中国は宋の時代。内憂外患に悩む宋朝は梁山泊を筆頭とする無頼の輩を取り除くために彼らを賞金首にして同士討ちを目論む。しかし梁山泊は敵対勢力を滅ぼし、または吸収し着実に強くなっていった。


梁山泊に一門を滅ぼされた祝家庄の棒・廷玉」は梁山泊に恨みを抱く者たちを集めて復讐を果たそうとする。兵器を司る兵誅城の家に生まれ、貯蔵する武器と奥義書を狙った梁山泊に一家を皆殺しにされた暗器使いの「袖里乾坤・唐霄」や、記憶喪失でありながらも武術の達人である自身が一体何者なのかを確かめたい徐燎らは廷玉の仲間になり、共に梁山泊を倒そうと誓う。そして、梁山泊が名門・少林寺まで狙っていることを知った彼らは巨大な陰謀に巻き込まれていく。


 





 


梁山泊が敵役として登場する本作では『水滸伝』の実在・虚構キャラクター及び時晨オリジナルのキャラクターが入り乱れ、その情景が目に浮かぶような命がけの死闘を繰り広げる。武侠小説に詳しくない私には分からなかったが、鉄棒・廷玉も『水滸伝』に登場する虚構キャラクターらしい。『水滸伝』や武侠小説に詳しい読者が読むと「あのキャラをこう使うか」というような驚きを感じるに違いない。


 


 


小説の内容は純然たる武侠小説だ。前半に氷を使用したトリックと言うかペテンが登場した辺りで「ここからミステリに偏っていくのか」と期待したのだが、それは結局「良い」形で裏切られることになった。


風・雷・電と書かれた三節棍を自在に操り次々と敵を撲殺する廷玉は如何にも「好漢」という感じだ。無数の暗器を身に着ける唐霄毒は一見小賢しいのだが、毒まで揃えたその武器の種類以上に頭脳が恐ろしく、遥かに格上の相手を罠にハメて仲間もろとも皆殺しにする様子はまさに主人公の風格を持っている。


武力をもって宋朝を牛耳ろうとする梁山泊、宋朝の内部で暗躍する奸臣たち、そして宋朝に敵対する女真族ら敵対勢力も登場する本作はもちろん1巻で終わるわけがなくすでに2巻の発売が決定されている。


 


武侠小説と言えば金庸や古龍など有名な大家がいるが、有名すぎて読む気にならない。以前読んだ『武道狂之詩』の作者は香港人作家であり、遠いからあまり応援する気になれない。そんな中、本格推理小説家の時晨が武侠小説家としてデビューしたのは武侠小説初心者には嬉しいニュースになるのだろうか。


今後も推理小説を書き続けていってほしいし、本作のシリーズで武侠ミステリっぽい作品も書いてもらえたら最高だ。


 



百度百科:時晨


 


時晨の百度百科(中国版ウィキペディア)の「代表作」の欄に『水滸猟人』が書いてあって笑った。なんで今まで推理小説書いていた作家が初めて書いたばかりの武侠小説が代表作になってるんだよ。これ更新したの絶対『水滸猟人』の関係者だろ。


 

購入した同人誌・グッズの数々


  


 


 


 




 


 縛の美 100


複数の作家による艦これキャラ合同緊縛SMイラスト集。今回買った同人の中で一番エロかった。普通に冬コミでも売れると思う。


 





 


天朝鉄甲戦姫 150


中国の戦艦を擬人化したイラスト集。しかし中国史に登場する軍艦も対象にしているようで日本の軍艦もよく出る。    





 


BATTLEGIRLS 1 70


各国の軍人を美少女キャラに見立てたイラスト集。


  





  


百鬼笙歌 120


アニメ・モノノ怪を題材にしたイラスト集。描かれている妖怪はアニメには登場しないオリジナル(何か変な言い方だが)だろうか。



  





萌山海経1+2 60


  その名の通り、山海経に出てくる妖怪等を萌えキャラにしたイラスト集。


 


 


 




 


 薬王異聞録 30


   古代中国を舞台にした中華ファンタジーマンガ。


 



 




 


 山海奇異誌 35


 またしても山海経のイラスト集。山海経は今や創作に欠かせない題材だ。 


 



 




 


 幻想大図鑑+POST GOLDEN AGE 150


東方の同人設定集+レトロ感ある英国的雰囲気が漂うイラスト集。


 



  




 


  幻想女僕Café 60


 東方のキャラをメイドにしたイラスト集。このガバガバ日本語が逆に安心する。


 


 



 




 


 東方繁絵帳+幻想推理 65


 鉛筆で書いたような緻密なタッチのイラスト集と推理小説。


 



 





 


宮水制酒2+妄想デレマス野球 100


妄想デレマス野球は実在の野球選手をデレマスキャラに見立てて描いたイラスト集。野球をテーマにしているのに敢えて姫川友紀を描かないところに凄いこだわりを感じる。宮水制酒2は1と同様、日本の同人事情を書いたレポートだ。


 


  




 


  IMAS-CG MATOME01 40


台湾?作家の合同同人誌。デレマスキャラのイラスト集でちょっと過激だ。今年の冬コミにもこれで参加するのだろうか。作者のTOMATOは前回CP20の時にけもフレの同人イラスト集を出していた気がする。


 


 



 





 墨白 100


アニメ・漫画キャラを水墨画風のタッチで描く極道画師のイラスト集。


 


 







 ALETHIA 1 50


エラい達者な中国語を喋る外国人女性が売っていた英語のSF漫画。オマケには中国語訳の冊子がついてくる。現在8巻まで出ていてまだ終わってないそう。   


 





 


 JOKERマウスパッド 20


北京のイベントで知り合った巻毛明叔というアメコミ二次創作専門の人が売っているグッズ。


 





 




FATEコースター 30


左にある酷い言葉が書かれた「無料」のポストカード目当てで買った。


 








合計1,180元(約20,200円)


 


前回のCP20の消費は600元ぐらいだったが今回はその倍だ。これは私の支払い方法が現金払いから電子マネー払いに移行したからだろう。財布の中身を気にせず買い物ができるようになった。


 


CP21では個人的にWechatAlipayの電子マネーが大活躍した。おそらく全てのブースが電子マネーに対応していたが、WechatAlipay両方対応しているところもあれば、Alipayのみというところもあった。私のスマホにはAlipay機能がないので、そういう時は現金払いだった。電子マネーだと財布の中身を気にせずいくらでも使えるので、帰宅してから使った金額データを見て冷や汗を流すことにもなる。気付いたら大金を失っている同人イベントにおいてこれは諸刃の剣にもなりかねないが、消費金額をはっきりする上でこの方が便利だ。


 
 知人Aの戦利品


 



 知人Bの戦利品


 



 


 


Aはオリジナルの耽美系が目立ち、Bはイラスト集や擬人化が目立つ。そして私は主に二次創作だ。同じイベントに行ったというのに買う物は三者三様だ。3人共1,000元程度使ったが、もし『陰陽師』や『僕のヒーローアカデミア』などのメジャータイトルを知っていたら更に散財していただろう。


逆に言うと、多くのブースが出展しているそれらのジャンルを知らないと、COMICUPを十二分に楽しめたとは言えないのではないだろうか。もちろんメジャータイトルを知らなくてもCPを楽しめるが、「知らない」というだけで面白い物を見逃しているのではという気はする。

 


 


129日(土曜)と10日(金曜)、上海の新国際博覧中心で同人即売会COMICUP21CP21)が開かれた。


前回5月に同場所で開催されたCP20にハマってしまった私は今回も当然参加。


 


CP20の模様などはここに書いているので興味がある人は読んでほしい。

 

 


8日(金曜)に会社から高鉄(高速鉄道)に乗り、約6時間かけて上海虹橋駅に到着し、付近のユースホステルに着いたのは深夜12時過ぎ。本番を控えてこの日はすぐに就寝。


 


本番の翌9日は朝8時過ぎにホテルを出て地下鉄に乗り、会場付近の7号線の花木路駅に着いたのはそれから1時間後。花木路駅のプラットフォームや改札口付近にコスプレイヤーがたむろしている。着替えや化粧をしている子らも少なくない。


 


 


CP21は午前10時開場だ。その時間前にすでに大行列が出来ており、一般来場者はその時刻からようやく入場できるが、VIPチケット購入者は8時に事前入場ができ、並ぶ必要もない。


 


しかし6時半のほぼ始発の地下鉄に乗り、8時前に会場に着いた知人たちの情報によると、上海にしては寒い天気の中並ぶ入場者に運営側が優しさを見せたのか、8時半には開場して中に入れたという。一般来場者は入場してから会場に入るまでも長い時間歩く必要があるが、これでますますVIPチケットの存在価値がわからなくなった。


 


中国の同人イベントは大体有料だ。CP21では、事前予約の通常チケットが148元だったが、当日チケットは60元(117元)。VIPチケットは199元だった。もちろんVIPチケットは予約の段階ですぐ完売するので普通チケットの2倍の値段というわけだが、通常チケットと入場時間があまり変わらないのであれば購入者は少し損をした気分にならないのだろうか。


 


ちなみに上記の知人たちは事前に9日と10日の2日分のチケットを購入したのだが、11月に北京大興区の火災により進められた宅配物倉庫整理のせいで起きた宅配便の遅配が原因でチケットが届かず、当日現場で購入することになった。だから日本のコミケのように始発の地下鉄に乗ったのである。


 


結局私も9時過ぎには入場。しかし入場してから会場に入るまで5分以上歩いた。CP20より入場してからの距離が長くなっているような気がする。


 


 


写真はチケット改札場所の様子だ。「実体票」が要するに普通の紙のチケットで、「電子票」が電子チケットだ。前回は電子チケットの確認がやたらチンタラしていたのでこれには期待していなかったのだが今回はスムーズだった。これなら次回から電子チケットを購入しても良いかもしれない。


 


 


会場―同人エリアの様子


 


CP20の時は同人エリア2館と企業エリア1館の計3館を使用していた記憶がある。今回は2館と2館の計4館で企業エリアの規模が増えたが、同人ブースも数が増えた。


 


 


 


CPの同人ブースはやはり女性向けが多い印象だ。『ユーリ!』や『僕のヒーローアカデミア』など日本と同じジャンルの他、『陰陽師』や『全職高手』など中国オリジナルのジャンルや『布袋劇』という中国独自のコーナーもある。


 


当然来場者も女性の方が多い気がする。少なくとも、同人エリアには女性来場者の方が多い。だからVIPチケットの購入者も大体が女性なのだろう。なにせ人気があり行列ができているブースに並んでいるのは大抵女性だった。特に今回で言うと「StudioRS現実幻境」というサークルは1日中行列が途切れることなく、2日目の10日はすでに画集など売り切れていたのにオマケ目当てにまだ大勢が並んでいた。


 


 


中国の同人即売会を語る上で「オマケ」は一目に値する存在だ。中国語で「無料」と書くオマケはポストカードやポスターなどの他、クリアファイルやミニ冊子なども含まれる。おそらく日本語から来ているだろう「無料」にお金を払う必要はないが、お金で買えないという厄介な面も持ち、購入品とセットでサービスとして付いてきて、「無料」だけを配るサークルは少ない。「無料」欲しさにグッズや本を購入するようになったら中国の同人即売会にハマっている証拠だ。


 


 


この「無料」文化は何なのか。日本のコミケ事情を知る知人は、中国だと公式グッズとバッティングする恐れがないからここまで豊富な種類の「無料」グッズが生まれたのではと言っていた。さもありなん。


 


しかしこの「無料」、良い物ばかりではなく正直言って欲しくない物も多い。私がある同人誌を購入しようとした時、それと一緒にポスターと袋まで付けてくれたのだが、荷物が多くなるから同人誌だけくれとサークルに言うと「本だけじゃ売れない。サービスだからもらってくれ」と押し付けられた。


サークル側も全員が上海暮らしというわけではなく私のように北京などから出てきた人間も多い。だから売れ残りを持って家に帰りたくないのだろう。しかしポスターはともかく袋はデカイし使い道はないしで全く無用だ。


 


もらった「無料」の品々


 


 


 


袋・ポストカード・クリアファイル・うちわ?・冊子など


 


 


 


同人サークル


 


今回目立ったサークルは圧倒的な行列の長さを誇った前述の「StudioRS現実幻境」だ。その他行列を作っていたのもやはり女性向けサークルが多く、正直私にはそれがオリジナル同人なのか二次創作なのか、そして中国のものなのかどうかすらもピンとこなかった。


東方の島では設定集を販売し、事前に微博で何度も宣伝をしていた「」というサークルが行列を作っていた。私も並んで購入した。



その他、東方の音楽関係サークルではビートまりおを始めとする日本から来たサークルも多く、あちこちで日本語が聞こえた。翌10日に上海の別の場所で東方のミュージックフェスティバルが開催されたのだが、彼らはそこにも参加したのだろうか。東方関係以外で日本人が出展しているところはなかった、と思うが実際は不明。FATEの島で日本語を聞いたという情報はあった。


 


 今回は早い段階で現金払いから微信支付(WeChat Pay)に切り替えたためか、購入した同人誌の数はCP20よりだいぶ多かった。ほとんどのサークルが微信支付か支付宝のどちらかに対応しており、サークル側も現金より電子マネーの方が便利そうだった。


 サークルによっては支付宝(Alipay)しか対応していないところもあり、私のスマホにはそのアプリがないのでそういうところは現金で払うしかなかった。いくら使ったかデータが残るので、次回からは電子マネー払いをメインにしていったほうがいいかもしれない。




支付宝オンリーのサークル



微信支付と支付宝どちらもOKのサークル


 


同人エリアの端っこに小さな企業ブースがある。


 


ディズニー映画『リトルマーメイド』のデザイナーPHILO BARNHARTCP20に引き続き今回もいて画集にサインとイラストを描いていた。PHILO BARNHART宇宙の銀河を切り取ったかのような派手なジャケットを着ていたのを覚えている。


 


成都で『COMIDAY』という中国語のアニメ情報誌を出版している会社があった。


しかし話を聞いてみると、この雑誌は出版しているが市場に出ることはないようで、今回のようなイベントでのみ販売しているのだと言う。日本と中国のアニメ事情を特集したり、有名な監督らのインタビューを掲載していたり面白い内容だった。


 


 


日本からセル画?を売るブースが来ていたがこれがちょっと近寄りがたい雰囲気を出していた。ブースの中は日本人の中年男性だけ。外に看板も出しておらず遠目から見ると何を売っているのかわからない。やっと来た客がセル画の値段を尋ねるとようやく電卓を出して日本円から人民元に換算する始末。


本人たちにはそのつもりはないんだろうが、感じが悪いし不気味だったし色々対応がお粗末だった。


そこではエロイラスト集も売られていたがどうもどっかで見た絵柄だったので有名な漫画家だったのかもしれない。だが個人的感想を言うと、コンセプトもないエロ同人誌(しかも古い)を売るぐらいなら中国向けに新しいイラスト1枚でも描いた方が断然マシだと思う。



おそらくこのブースはCP20で士貴智志サイン会をやっていたところと同じ会社だろう。CP20のときは漫画家本人が色紙にかなり丁寧なイラストとサインを描いていたせいでファンとの交流が全然できず、それもどうだろうと思ったのだが、今回に比べたらだいぶマシだ。流れ作業で大勢のファンにサインだけするのではなく、1枚のイラストに集中するという企画は面白いし希少価値があるが、今回のコレはなんだったんだろうか。もし次回も出展するのならせめて何をしているブースなのかポスターとか貼ってくれ。


 


 


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