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栖鄭 椎(すてい しい)
年齢:
34
性別:
非公開
誕生日:
1983/06/25
職業:
契約社員
趣味:
ビルバク
自己紹介:
 24歳、独身。人形のルリと二人暮し。契約社員で素人作家。どうしてもっと人の心を動かすものを俺は書けないんだろう。いつも悩んでいる……ただの筋少ファン。



副管理人 阿井幸作(あい こうさく)

 28歳、独身。北京に在住している、怪談とラヴクラフトが好きな元留学生・現社会人。中国で面白い小説(特に推理と怪奇)がないかと探しているが難航中。

 Mail: yominuku★gmail.com
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このブログは、友達なんかは作らずに変な本ばかり読んでいた二人による文芸的なブログです。      

著:薄葬子   イラスト:玲奈



 これも『替死鬼』と同様2012年の角川華文軽小説挿絵大賞(現在の角川華文軽小説大賞)で銅賞を受賞した中国産ライトノベルです。



 「死」に興味がある『我』(ボク)はとある棺桶屋にアルバイトに行き、そこでクールな棺桶職人の秦月と見るからに生意気そうな少女・小桃(表紙の女の子)と出会う。そこから『我』の日常は一変し、死者や妖怪が入り乱れる世界を生きることになる。そして『偽神之眼』という「見たくないものを見なくする」能力を持っていることが判明し、『我』は妖怪たちに狙われることになる。

 本書はホントにカチコチの伝奇物ジュブナイルって感じで、「死」に興味があるという中二病をこじらせた青年やら、気が強く乱暴という典型的なロリータキャラ、無愛想な棺桶屋の主人、少女の姿をした語尾が「喵」(miao。猫の鳴き声の擬態語)の猫の妖怪などなど如何にもライトノベルというキャラクターが次々登場します。


 『偽神之眼』っていう能力や力で全てを解決する安易な異能力バトルに落ち着かない展開、一般人が徐々に怪異と交流していくっていう設定など惹かれるものは多かったんですがいかんせん文章が読みづらくてなかなかストーリーに入り込めなかったのが残念でした。


 作者の薄葬子は奈須きのこのファンのようですが、ある香港人のブログに「この作品は『xxxHOLiC』に似ている」というレビューがあって結構合点がいきました。確かに主人公が感情表現に乏しい四月一日君って感じです。




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替死鬼 著:井士 イラスト:ekao

 

2012年の角川華文軽小説挿絵大賞(現在の角川華文軽小説大賞)で銅賞を受賞した中国産ライトノベルです。(著者とイラストレーターは台湾人。)中国のラノベを読んでみたくなったので積ん読の中から取り出しました。

 


玉突き事故に巻き込まれ意識不明の状態になった張植は自分の意志とは無関係にこれから死ぬ人間に取り憑いて他人の死を経験するという理不尽な能力を得た。あるときは焼かれ、あるときは刺されて殺され続けた彼が13人目に取り憑いた男子高校生の皮提偉はいじめられっ子だった。皮提偉が不良の楊浩たちからのイジメを苦に自殺をしようと考えていたことに気付いた張植は取り憑いた人間の都合を第一に考えて行動するというルールのもと、そして皮提偉の幼馴染の女の子・林希綺のために不良たちに一矢を報い、彼を自殺から救う。しかし、14人目に取り憑いた人間のせいで張植は更なる苦労を強いられることになる。


 

タイトルの『替死鬼』とは「身代わり、スケープゴート」を意味します。作中で他人の体に入ることを『附身』(取り憑く)と言っていますが、張植に取り憑かれている間、皮提偉の意識はないため彼ら二人が頭の中で会話をすることはなく、取り憑かれていたことすら覚えていません。だから初期の白書ではなく密・リターンズのような設定だと考えてください。

本体が寝たきり状態で今までずっと殺され続けていた張植にとって皮提偉の境遇は同情こそすれ怒ることではないようで、まさに他人事と言った風に冷静に仕返しの計画を練ります。また張植は実は23歳なので大人の知識を駆使して考えられた仕返しはちょっとご都合主義に偏りすぎていないかと思いますが読者の溜飲が下がります。そして張植が取り憑かなければ皮提偉は死んでいたという状況には外部の大人が加入しないとイジメ問題一つ解決できないことに対するやるせなさを感じますが、張植を通じて皮提偉の周囲に彼を大切に思う人間がいたことに読者が気付けるのは不幸中の幸いです。

 

本作の見所は皮提偉の自殺を止めた張植が次に○○に取り憑くところにあります。多分、本作の銅賞授与の理由はまさにその一点にあると思います。皮提偉と違い○○には殺される原因があるので本書は中盤から自分を殺す犯人を突き止めるミステリ小説のような展開になるのですが、張植が皮提偉だったときにやったことのせいで行動に制約がかかっていることも巧いと思います。

もしこの学校に張植が来なければ自殺と他殺で二名の死者が出ていたでしょう。しかしこの話があまりハッピーエンドに見られないのは、もちろん物語のラストにすっきりしていないこともありますが、張植が自分で望んだものではないとは言え問題に介入したにも関わらず態度が軽く、しかも彼の存在が誰にも悟られていないので事態がどう転ぼうが責任を取らない立場だったことが気になったからです。確かに彼は二人の命を救いましたが、正体を誰にも知られていないので誰にも褒められずまた責められもしないというその身の振り方は主人公として正しいのでしょうか。

この話の肝は張植が学園生活で非常に能動的に動く一方、自身の存在を隠して徹底的に黒子に徹するというところにありますが、個人的には誰でもいいから張植自身を評価する人間を置いてもいいのではないかと思いました。



角川華文軽小説大賞


超級学園 探案密碼/著:早安夏天

 

ライトノベル雑誌『意林・軽小説』に連載されていたライトノベルミステリ。だが正確に言えばミステリ風のライトノベルだろう。以前この作家の別の作品『推理筆記』を読んだことがあったが、それよりもパロディ成分は薄かったものの超常現象に探偵が立ち向かうという構図は似ていた。

 

中国ラノベミステリ 推理筆記3 死神筆記重現

 

校内に勝手に『福爾摩桑偵探社』という探偵クラブを作り、喧嘩など様々な問題を起こしている不良少女で自称『名探偵』頼小桑のもとにどこから見ても美少女にしか見えないいわゆる『男の娘』の陽簡安が奇妙な依頼を持ってきた。それは預言により死が運命づけられている大金持ちを犯人から守るという内容で、預言者曰くそれができるのは頼小桑しかいないということだった。

意気揚々と依頼を引き受ける頼小桑と何故かついてくる陽簡安は依頼人徐釘歌の屋敷に招かれる。そして腹に一物ありそうな大人たちが集まる屋敷に『地獄預言師』という預言者が現れ、彼の発した不吉な預言は参加者の死という犠牲で実現することになる。

 

 

ライトノベルミステリというジャンルにおいて超常現象としか思えない事件が発生した場合、それが論理的に解決できる謎なのかそれとも本当に超常現象なのかどうか読者は悩まされる。

本作では『預言』がそれに当てはまるのだが、結構早い段階で超常現象だと読者にバレてしまうのはちょっとネタバレが早い気がしたが、その後に参加者が死に、更に目を話した隙にその死体が消失するという正統派推理展開もあり、最低限の公正さは用意されている。

 

 

暴力探偵美少女と男の娘の主人公コンビに限らず、作者と同名の貧乏作家や謎の男Lなど個性的なキャラが沢山出てくる割には一人ひとりの掘り下げが浅く、続編を意識しているかもしれないが消化不良の感が強かった。

 

そして一番残念だったのはイラストだ。本書はライトノベルとして表紙に限らず各章の最初のページにイラストが掲載されていたのだが、実は雑誌連載の時はカラーイラストもあったらしい。そのカラーイラストが単行本版に掲載されていなかったことが誠に惜しい。

 

 

 

 ライトノベル全撤去事件から約2ヶ月後にようやく復活を果たした天聞角川が4月末から書籍全体の本格的な出版を開始します。





 5、6月には『カゲロウデイズ-in a daze』『ヒカルが地球にいたころ 6巻』『神さまのいない日曜日 7巻』『犬とハサミは使いよう 6巻』『はたらく魔王さま! 9巻』『ストライク・ザ・ブラッド 3巻』『ログ・ホライズン 6巻』『棺姫のチャイカ 1巻』などの各シリーズの新刊が出て、更に6月下旬から7月下旬にかけては10作品以上の新刊が引続き出るらしいです。また『カゲロウデイズ』シリーズはアニメが中国で公式配信されている期間に合わせるかのように、今後3ヶ月の間に月イチペースで新刊が出ると言われております。



 新刊と言っても台湾では既に台湾繁体字版が出版されているものばかりですが、今後も天聞角川が出版を続けてくれるということで、『このまま大陸でライトノベルが出版されなければ台湾繁体字版を読むしかない』と嘆いていた読者もひとまず安心したんじゃないでしょうか。


 とは言え、撤去の発端となったとされる作品については現時点でまだ何の言及もなく当分再販される様子はありませんし、新刊が出ることによりシリーズの既刊が復刊するのであれば、あとは最終巻を待つのみの『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』は事実上の絶版なんじゃないかと思います。


 まだまだ前途多難に見える天聞角川ですが、読者からそれほど悲壮感を感じられないのは例えライトノベルが絶版のままでも『いざとなったら台湾版を』、『ちょっと頑張って日本語原版を』、『なんならネット版を読めばいいし』と選択肢が残されているからでしょう。



 中国のライトノベルは電子書籍に対する『実体書』(紙媒体の本)としてそのほとんどがコレクションのためにのみ買われているのが現状です。ですので天聞角川には中国の検閲のギリギリを見極めて、日本でもマイナーなため中国のネットでも海賊版がないキワモノだが面白いライトノベルを出版してもらいたいです。

 

なんか『のうりん』がブームだなぁこんなことなら帰国した時1巻ぐらい買っておくべきだった悔やみながら中国語版は出ていないのかとネットを調べると、やはり台湾版は尖端出版社から既に出ていたが大陸版(つまり簡体字版)はまだらしい。

 

『のうりん』はフォント弄りや挿絵を効果的に利用しているライトノベルだから、それが翻訳版で再現出来ているのか確かめたかったんだけど、台湾版を試し読みできるサイトは見つからない。

 

そこでアニメイト北京支店に行ってみたのだが工事中だったため台湾版があるのか探せられなかった。

Animate北京支店

朝陽区工体東路16号中図外文書店4

 

 

だから台湾版はネットショッピングモール淘宝で買うことにして現在入荷待ち。

 

台湾の書籍は日本と同様縦書なので日本語版と同じレイアウトにし易いだろう。しかし書籍は横書きが基本の大陸版で同じものを作るのは非常に難しそうだ。

 

まぁ正規版はなくとも海賊版はある。とあるライトノベル翻訳サイトに寄ると、本物同様挿絵付きで小説のように2ページ見開きの状態のデータがアップされていた。おそらく日本の電子書籍が台湾繁体字に翻訳されたデータを更に簡体字へ翻訳したものだろう。

 

 

しかし『のうりん』のようなパロディ満載の作品を翻訳するのは骨が折れただろう。実際その海賊版にはネタに対して多数の注釈がついており訳者の苦労が見て取れたが、私が確認したかった『のうりん』1巻第5限(ウォッシュメン)に登場する『ヒストリエ』のパロディ「ば~~~~~かじゃねぇの!?には何も注釈が付けられていなかった。

 

その前の「だましてくれたなァァァァ!」もスルーされていたのでこれを担当した訳者は『寄生獣』は知っているが『ヒストリエ』(中国語タイトル歴史之眼)を読んだことがなかったのだろう。

 

 

実は私はこの海賊版を確認する前に2012年にとあるライトノベル愛好者が中国のSNSサイト豆瓣にアップした推薦文を読んでいたのだが、ここで「ば~~~~~かじゃねぇの!?」の元ネタが誤解され間違った注釈が付けられていたため、海賊版がどうなっているのか気になっていたのだ。

 



上記が件のサイトの画像である。EVAと書いているから想像できるだろうが、紹介者は『爾們是白痴』(アンタらバカか?)のセリフを見て、エヴァンゲリオンのアスカの『あんたバカァ?』と混同してしまったのだろう。

 

 

私はこういった注釈を大量につけているのにやはりネタがこぼれ落ちている海賊版や、ライトノベルに詳しいような人物がネタ元を間違って紹介している書評を見ると、中国で正規版を出版する意味はまだあると確信する。

 



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