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栖鄭 椎(すてい しい)
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1983/06/25
職業:
契約社員
趣味:
ビルバク
自己紹介:
 24歳、独身。人形のルリと二人暮し。契約社員で素人作家。どうしてもっと人の心を動かすものを俺は書けないんだろう。いつも悩んでいる……ただの筋少ファン。



副管理人 阿井幸作(あい こうさく)

 28歳、独身。北京に在住している、怪談とラヴクラフトが好きな元留学生・現社会人。中国で面白い小説(特に推理と怪奇)がないかと探しているが難航中。

 Mail: yominuku★gmail.com
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このブログは、友達なんかは作らずに変な本ばかり読んでいた二人による文芸的なブログです。      

前回の続き

 参考サイト

 



海賊版サイトとネタバレ師との間に一体なにが起こったのか。まずは海賊版サイト『鼠絵漢化』が発表した『掲示板のネタバレ師の通報を受けて鼠絵が全ての中国語版マンガを撤去した件に関する通知』を見て、あらすじを簡単にまとめたいと思います。

 


『掲示板のネタバレ師の通報を受けて鼠絵が全ての中国語版マンガを撤去した件に関する通知』

 

鼠絵は一本の通報によって「呼び出し」を喰らいました。関係者の協力の下、この鼠絵を粛清しようとした勇者の正体を調べたところ、驚くべきことがわかりました。それは掲示板に長年ネタバレをアップしていたlawofuekiだったのです。

彼はもともと鼠絵漢化サークルに所属していましたが入団テストの成績が普通だったのでワンピースの翻訳をさせていませんでした。その後彼は掲示板のワンピーススレッドやジャンプスレッドに簡単な翻訳や転載をするようになり、いつしか有名人となり、鼠絵漢化サークルを退団しました。

そして、lawofuekiは毎週木曜日にあらゆる海外サイトに張り付いてジャンプスレッドにジャンプを最初に転載する「神」のような存在になりました。

 

つい最近になって鼠絵がアップした翻訳に間違いがあったことで、鼠絵と掲示板の間に軋轢が生じたが、これがlawofuekiを刺激したのか彼はその後「合法的な利益を守る」という名目で鼠絵を通報するようになり、Twitterでもジャンプの編集部に密告しました。

彼は正義の名の下に通報しているしれませんが、彼自身も毎週マンガを転載しています。我々(鼠絵)がやっていることは確かに真っ当なことではないですが、彼のような小物に関わっている暇はありません。


 

 

『鼠絵漢化』の声明は今回の騒動に対して特に謝罪はしておらず、通報による処置も取ってペナルティも受けたと説明し、文章の大半が通報者であるlawofuekiを責める内容でした。

 

 

しかしlawofuekiは『鼠絵漢化』の声明に対して?(両者の声明がどちらも削除されているので時間軸がよくわからない)以下のようなコメントを発表しています。

 


『鼠絵を通報したことに対して責任を持つ。自分がしたことに後悔はしていない。』

 

きっかけは最近鼠絵の微博に晒されたことだ。鼠絵の原文を理解していない勝手な解釈の翻訳には前々から不満を持っていたが、これがTwitterで通報した原因じゃない。私が通報した理由は鼠絵が非常に下品だからだ。

私は以前鼠絵に属していたがそれは今回の通報と関係はない。今回の件で各所に大きな影響を与えてしまったが後悔はしていない。そして違法アップロードに関して、私が掲示板に転載していることも正規版の著作権を侵害しているだろうという指摘があるかもしれないが、私はそれを否定しない。もし今後違法アップロードで制裁を受けてもその処分を甘んじて受け入れるつもりだ。違法アップロードをする人間はみなこういう覚悟を持ってやっていると思っている。

中国という正規版と海賊版の狭間で存在している奇形的な社会が現在の状況を作り出した。私はもう掲示板での業務を辞めるつもりだ。それが自分の行為の責任である。


 

 

事態を釈明しているようで責任転嫁の態度が見え隠れし文面から真摯さが伝わらない鼠絵に比べるとlawofuekiのコメントからは騒動を引き起こした人間が持つ覚悟が感じられますが、彼が正義であると思い込むのは軽率です。事件の経過を見ると鼠絵の横暴な態度に腹を立てたlawofuekiが自爆的な行動を取ったと言えますが、私から見ると双方は同じ穴のムジナでありどちらが正しいかは判断しづらいです。

 

ちなみに上記のlawofuekiのコメントを載せているサイトはlawofueki贔屓で鼠絵批判を展開していて、その非常に長ったらしい文面には今回の事件で浮かび上がった鼠絵への疑惑や鼠絵の過去の所業などがつぶさに記載されていますが、公平性の面で信憑性に欠けます。

ここで取り上げられている鼠絵の問題点を紹介するのも面白そうなのですが情報の裏取り作業も含めると本当に何日かかるかわからないのでここではやりません。

 

 

私は今回の事態を単なる仲間割れとしか見えませんでしたが、双方の言い分を見ると同業他社同士の潰し合いだったことがわかりました。そして事件が大きくなった理由は以下2つの存在にあると思います。

 

 

1.翻訳組の存在

日本語のマンガを中国語に翻訳する団体のことを翻訳組、アニメやドラマに中国語の字幕を付ける団体のことを字幕組と言いますが、日本のマンガやアニメに限定すればこれらの仕事は一般的に無償のボランティアのようです。(他の海外アニメや海外ドラマも金銭が発生していないかは不明)

私は過去にマンガの翻訳をしていた中国人と2回会ったことがありますが、彼らは私の「バイト代いくらだったんです?」という問いに対して「そんなの貰うわけないじゃないですか」と驚いたように答えてくれました。

マンガやアニメ好きの中国人にとって翻訳組などはタダでも良いからやりたい仕事なのかもしれません。(しかし中国語のマンガの最新話を作るにしたって中国語に翻訳する以外にコマのセリフを中国語に修正するDTP作業もあるから全ての作業者が一銭も貰っていないということは考え難いです。まぁそういう世界だと言えばそれまでですし、ある程度以上の仕事はボランティアではない人間が担当しているかもしれません。)

 

lawofuekiも当初は鼠絵の翻訳組に所属していましたが、新人には人気のある作品を割り当てられないようでワンピースの翻訳には参加できなかったそうです。そして彼は個人でワンピースの最新話を翻訳して掲示板にアップするネタバレ師となりましたが、これが鼠絵の仕事内容とかぶっていますので両者は敵同士となるわけです。

 

lawofueki贔屓の上記サイトには鼠絵の誤訳を紹介しており、lawofuekiも鼠絵の下手くそな翻訳に怒りを覚えていたとコメントしているので、時には両者の間で喧嘩が発生したのでしょう。そして鼠絵にとってもよりによってネタバレ師に自分たちの翻訳の質が個人より劣ると指摘されると腹が立つわけで、ネタバレ師を攻撃したりネットに晒したりしたようです。

両者の険悪な関係が今回の事件を引き起こす要因の一つとなりました。

 

 

2.海賊版の存在

鼠絵とlawofueki双方のコメントを見て失笑してしまうのは双方とも自分がやっていることを悪いと思ってはいるのですが、だから海賊版業界から手を引いて償いますという結論にはならない点です。通報された鼠絵はlawofuekiだって同じことをやっていると拗ねてみせ、lawofuekiの方は「いつでも捕まる覚悟はある」と全く信用出来ないセリフを吐いています。

 

lawofueki贔屓の上記サイトでは鼠絵批判を繰り返していますが、鼠絵はけしからんという論調で進んでいるコメントの結論が「だから海賊版サイトの利用を止めるべきだ」とはならず、「鼠絵漢化ではなく他の海賊版サイトを見るべきだ」になっていて海賊版サイトの是非を考えることを放棄しています。そして鼠絵は翻訳などをボランティアにタダでやらせているくせに企業として儲けているのがけしからんという主張もしていますが、ここらへんはちょっと嫌儲的な考えで賛同できません。儲けているからダメ、ではなく、この行為自体がダメだと言えないと批判にはならないでしょう。

 

海賊版が既に文化として根付き、良質な海賊版作品を作り出して商売ができるまでに発展してしまったことで海賊版をアップロードする作業者もそれを享受する読者も海賊版がなくなるということを想像できないから今回の事件はひとつの海賊版サイトとひとりのネタバレ師の争いという形で終わりそうです。


・終わりに 

2015年に『熊猫漢化』という海賊版サイトの関係者が日本で著作権違反で捕まったことで現在そのサイトではマンガの違法アップロードが行われていないことを考えると、海賊版サイトはいつなくなってもおかしくない存在ですし、「いつでも捕まる覚悟はある」と豪語したlawofuekiも実際に何らかのペナルティを受けることになるかもしれません。しかし、仮に鼠絵がなくなっても他のサイトでは相変わらず海賊版マンガはアップされ続けるでしょうし、鼠絵のように儲けたいと考えて新たに海賊版サイトを作る者も現れるかもしれません。更に、ワンピースの翻訳で有名だったlawofuekiが引退するということを受けて、今度は自分が彼のようなネタバレ師になってやると考える者もきっと出てくるでしょうし、あの海賊版サイト(ネタバレ師)が気に入らないから通報してライバルを減らす手段を取る者も現れるかもしれません。

 海賊版マンガや違法アップロードは既に同好の士だけが楽しむ趣味の世界を超えて、相手より一分でも早く最新話をアップしてやろう、相手よりもっと上手く翻訳をしてやろうと鎬を削る世界と化し、遂にはライバルに特攻を仕掛けて共倒れを狙いドロドロの内情をさらす仁義なき戦いの世界へと突入しました。ですが読者側からすれば今後も中国語版をアップしてくれれば誰でも良いので、今回のような共倒れは二度と起きないで欲しいと言ったところでしょう。ですので今回のような騒動は決して海賊版根絶には繋がらないと思いました。

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主に日本のマンガ、とりわけ『ワンピース』や『進撃の巨人』などの有名作品を中国語に翻訳し、日本の発売日よりも早く最新話の中国語版をアップロードするサイト『鼠絵漢化』でトラブルが発生したそうです。

 

このサイトは2013年に自分たちが翻訳した『進撃の巨人』が漫画雑誌に無断転載されていることに腹を立てて注意したところ、外野から「お前らだって勝手に翻訳してアップロードしているじゃないか」と指摘を受けたことがありますが、中国人のマンガ読者からすればたくさんのマンガを無料で翻訳し、しかも日本より早く公開してくれるところですので重宝されているようです。

 進撃の巨人が読めるのは漫画少年だけ!

しかし2016510?(具体的な日時は不明)にサイトからマンガが全て撤去される事件が発生し、511日に公式サイトから『掲示板のネタバレ師の通報を受けて鼠絵が全ての中国語版マンガを撤去した件に関する通知』という声明が出ました。

  

この件はマンガを勝手に中国語に翻訳してアップロードする海賊版サイトと掲示板でマンガの早バレを提供するネタバレ師の『仁義なき戦い』であり、どちらが正義というわけではありません。少なくとも私の目には内ゲバというか仲間割れに見えました。

中国の海賊版業界の内情を理解するためにもその顛末をまとめようと思います。ただ、関連サイトを読めば読むほど情報が多すぎてすぐには整理できないので、一旦参考サイトだけをメモして後日まとめたいと思います。

 

参考サイト

http://www.yxdown.com/news/201605/291842.html

http://www.zhihu.com/question/46177975

http://www.weibo.com/p/1001603974765743326288

 

51日と52日に北京の国家会議センターでコスプレイベント『IDO 16』が開催されました。

 



去年10北京のコスプレイベントでビリー兄貴を見に行った話のときと同じ建物を使用していますが今回の会場はその地下です。51日は北京の最高気温が30度を超え、またその日の来場者数は約1万人とのことでしたのでかなりの蒸し暑さを感じました。

 

今回の『IDO16』には『IDO 13』のビリー兄貴や仮面ライアー217氏のような海外からのスペシャルゲストはおらず、コスプレダンス大会がメインイベントのようでした。チケットは当日券1枚が50元。確か『IDO13』も50元だったかな…

 

展示物やイベントを紹介します。

 

エヴァンゲリオンの公式スマフォゲームの宣伝ブースです。

 

 

公式のはずですがそこで配られていたウチワの日本語がちょっとおかしい…ネルフ本部に入っ\ってなんなんだ。

 

 

ダンスイベント。この衣装はラブライブでしょうか…

 

 

ラブライブあるところにラブライバーあり。イベントを重ねるごとにサイリウム持っているヤツとオタ芸ができるヤツが増えているように感じる…彼らはどこで練習しているんだろう。

 

 

会場で販売されているものは大抵Tシャツや抱きまくらカバー、ポスター、画集やコミックス等の既成品ばかりで特に目新しいものはなかったです。北京のコスプレイベントでサークルの同人誌やオリジナルグッズが売られることは少ないのでショッピングはあまりおもしろくありません。

 

それでもくまモンの人形があったのは印象的ですかね。あとこの変な魚はなんか元ネタがあるんでしょうか。



ちなみに、10月の段階であちこちにあったうまるちゃん人形はもうあまり見かけません。

 

 

トップレスはマズイだろう…2日目に見に行ったらなくなっていたからなんか注意受けたのかもしれません。

 

 

毎回代わり映えしない販売物の中で目を引いたのは真っ白なCDROM一枚ずつにBLゲームとギャルゲーのタイトルが書かれていた違法コピーゲームと、日本の漫画原稿を売っていたブースです。後者のブースは撮影を断られてしまいましたが、まんだらけにあるようなワンピースの原稿や『一番くじ 進撃の巨人 A賞 複製原画』と書かれたまさにこのヤフオクにある通りの品物がありました。値段は聞いていません。
 


■『一番くじ 進撃の巨人 A賞 複製原画』■


 
 『
Fate/Zero』の舞台劇です。こういうコスプレ劇は中国独特のコスプレ文化でしょうかね。

 

Fate/stay night』の方もやるのか…

 


 
 

『宅舞』(踊ってみた)や『カラオケ』ができる自由参加のコーナーです。おそ松さんパーカーを着ている女の子がいますね。

ラブライブの曲を踊ったり、日本語のボカロ曲を歌ったりしていて自由参加とは言え一定以上の実力が要求される場所です。ただ、私は今まで何度もコレ系のイベントに参加していますが、一度も『いーあるふぁんくらぶ』を歌っている人を見ていないのは何故でしょう。あんまり人気ないのでしょうかね。

 

 

 

これは友人が所属している動漫イベント団体『Cospace』のブースです。彼らは730日に今日のようなコスプレイベントを開きます。


 Cospace夏祭り


 
 全員で『
Butter-Fly』合唱(タイムスケジュールに記載有り)。

 

 

板野友美の北京・上海ツアー及び舞台版『フェアリーテイル』の上海公演(日本語版、中国語字幕付き)のポスター。

 

 

ラブライブのルービックキューブ。普通のサイズもあったけどこれはデカすぎ。というかこれはどう合わせたら完成なんだろう?

 

 

・おまけ
 

Eva展販売所 チケット売り場と書かれている)

 

この会場は本来エヴァ展をやるはずだった場所なのですが、半年経ってもまだこういうのが残っているってことはここで普段何のイベントも開いていないということでしょうか。ちなみにチケットの値段は70元と書かれています。なかなかの値段です。


春のコスプレイベントで2日目の5月2日は雨が降りましたがそれでもだいぶ暑かったです。そんな中、仮面ライダー(どのシリーズかは不明)、ガンダム、デッドプール、その他ゴテゴテした服装や中国系衣装をまとったコスプレイヤーさんには本当に頭が下がります。 


 ・おまけ2

 

 なんのアニメかもわからなかったけど迫力があったので思わず撮影した。中国のオンラインゲームかな…

豪学競技 作者:使徒子/嗶嘰(ビジ)

 


西暦2075年、教育に革命が起きていた。全く新しい「豪学競技」教育システムの登場によって学生は量子ロボットを使用してデュエルを行い、その中で学習と強固な知識を蓄えることができた。文化系の南著はお小遣い欲しさに仕方なくデュエルに参加して他の学部のライバルや友人と出会い始める(コミックスあらすじより引用)


 

自分の知識でアニメの遊戯王のカードバトルみたいなことができるようになった近未来に学生たちは自分の勉強内容にもとづき歴史上の偉人たちを召喚してデュエルをすることにハマっていた。主人公の南著はその時代に紙媒体が好きという変わり者であり魯迅全集を読むほど魯迅が好きで、デュエルの使用キャラも当然魯迅である。

 

他のキャラクターはエジソンとかニュートンとかニコラ・テスラとか科学者を使用しているが、だからと言って文系が弱いというわけではないらしく、如何に召喚した偉人について熟知しているのかが勝負の鍵になるらしい。だからこそ召喚する偉人によってはハイレベルな知識が必要になるのかもしれない。

 

 

主人公南著は魯迅のことを熟知しているためヒロイン枠の呂寒子が召喚したミケランジェロとデュエルしているときに、ミケランジェロのパレットナイフ攻撃に対して魯迅にメスを持たせて反撃しているが、この偉人の情報ってのは嘘や間違いがあった場合デュエルにどう反映されるんだろうか。偉人全てを網羅したデータベースがあってそれに適合しない知識は弾かれるようになっているのか。いろいろ考察ができそうな漫画だし、2巻では物語の鍵を握っているような少女が出てくるので今後の展開並びにどんな偉人が召喚されるのかが楽しみだ。


 下記のURLから漫画を閲覧できます
 豪学競技:http://ac.qq.com/Comic/comicInfo/id/532242

 





 中国のアマゾンにおすすめされた漫画本。第一印象で面白そうだと思った作品が実は日本の書籍の翻訳版だったというガッカリを今まで何度も味わってきた身として変わったタイトルで『rakugaki』という作者の名前にまた日本の本かと期待していなかっただけに、良い作品に出会えた喜びもひとしおだ。


 本作の主人公は2人。1人目は兄貴とその親友のカップリングを作るぐらい腐っている妹と、もと同人作家の母親と非オタクの父親がいる裕福な家庭で暮らす楊唯(読みはYang wei)という非オタクの男子高生。2人目は両親の馴れ初めがコスプレイベントというオタク家庭に暮らし、周りにはオタクであることを隠している佟琪(読みはTong qi)という女子高生。

  
左が楊唯、右が佟琪


 発端は楊唯が妹の楊依が描いた自分とその親友の石葉のカップリングイラストを発見することから始まる。しかし叱りに来たはずの母親は娘に対し「石葉は誘い受けじゃなくて健気受けでしょう」と楊唯には全く理解できないことを言い、彼は尚更混乱する。翌日、楊唯は隣の席の佟琪に純粋な好奇心から「健気受けってなに?」と聞き彼女を狼狽させる。その後もいろいろあって楊唯は佟琪に彼女以上の秘密を持っていると誤解されたまま彼女と友好を深めようとする。



 娘にカップリングを説く母親


 この作品の見所は親のオタク趣味が子供に影響するという点だろう。本書の本来のタイトルが『宅腐2代』(オタクと腐女子の子供)ということもあり、主人公二人の親もまた主役であるべきだ。それを表すかのように、作中では親が大学生だった頃の話が挿入される。中でも私が衝撃を受けたのはこの話だ。

   

 これは佟琪の父親が大学生だったときに参加した同人誌即売会で隣にいた人気同人作家が楊唯の母親だったというエピソードなのだが、注目して欲しいのは「それは今から20数年前のCB10動漫イベント」という文章の下で佟琪の父親が着ているSOS団のTシャツだ。

 (CB10の意味は不明。第10回コスプレ・○○イベントという意味だろう)
 

 これを見たとき「えっ?!ハルヒってもう放送から20年経ってるの?」と怖くなったが、『涼宮ハルヒの憂鬱』のアニメは2006年に放映されているのでハルヒ放送から20年後となると2020年代後半となる。作者は巻末で各キャラの設定を身長から血液型まで考えているのでこの時代設定が単なるミスとは思えない。そこから考えるとこの漫画は敢えて近未来を舞台にしていると理解できる。

(中国で血液型は日本ほど重要視されない。)


 遠藤誉の『中国動漫新人類』によれば中国では2000年頃からコスプレ現象が爆発的に流行したとある。そして私が留学していた2007年にも北京の大学構内でコスプレイベントが開催され、少量だが同人誌(健全)も売られていた。2000年代後半にオタク学生だった中国人もその20年後の2020年代には40歳代となり、子供がいれば楊唯や佟琪の年になっているだろう。


 漫画では楊唯の母親が息子からシンジとカオルをイメージした2本1組のエヴァ香水をもらって喜んだり、娘の楊依に漫画の描き方を教えたりしてアニメや漫画が親子のコミュニケーションを円滑にしている。一方、父親が昔女装コスプレイヤーであったという佟琪も小さい頃は六花(中二病でも恋がしたい!のキャラ)のコスプレをして友達にドン引きされたという過去が描かれている。

 

 初音ミクが母親で戦場ヶ原ひたぎが父親


 この漫画に描かれている親子二代に渡るオタクコミュニケーションって、現在30代でもう結婚して子供もいる元オタク学生の家庭に将来訪れる未来なんじゃないだろうかと思う。

 2巻では『家長会』(生徒の親が学校に来て教育に関する説明を受ける保護者会)で楊唯や佟琪の親が接触することになるようだが、今後は親を巻き込んでオタク家庭同士が交流していくのかが期待だ。


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