最近中国の漫画が日本でウェブ連載、または電子書籍化して日本語でも読めるようになっています。
その中の一つに『英俊又可愛』というギャグ漫画が『ハンサム&キュート』というタイトルで少年ジャンプルーキーに連載しています。
リンク先: ハンサム&キュート(日本語)
この漫画、元気な美少女が交通事故に遭って美少年の体に意識が移されて今後は男として生活するという内容なのですが、男女入れ替わりモノに特有の「秘密性」がなく、少女が男になったことは両親から幼馴染や親友にまでバレており、本人も周囲の人間も彼女の体の変化にてんやわんやするというちょっと異色のギャグ漫画になっています。
ずっと想いを寄せていた隣人のお兄さんにオシッコする方法を聞いたり、幼馴染の女の子に抱きしめられて勃起してしまったり、外出中に一人でトイレ行くの不安だからお兄さんに付き添ってもらって同性愛者と勘違いされたり、おい下半身のネタばっかだな。
とまぁ、結構面白い漫画なので興味がある人は読んでほしいのですが、日本語版が読める作品は置いといて、今回は同じ作者の別作品を紹介します。
『食之東方』は中国らしく美食、特に中華料理をテーマにした漫画です。杭州(東部)出身の陸桃、ハルビン(東北)出身の唐梨、成都(西南)出身の銭楽児、広州(南方)出身の白桑という4人の少女が大学寮の一室で生活するという一見よくある日常系漫画なのですが、経緯がよくわからないのですが宇宙生物と戦ったりします。
北京の大学の学食のマズさを思い知る陸桃
もちろんメインは食事であり、主に少女たちが自炊をしながら自分たちの故郷の料理をお互いに教え合うという内容が描かれますが、食をテーマにしている割には食に対するこだわりやうんちくが全く描かれておらず、女の子が単に飯を食うだけで終わっているところが物足りないところです。
しかし、その中でも好きなのが月餅を食べる回。中秋節(中国のお月見)の日に各人が面白いと思った月餅を持ち寄って相手に食わせるというゲームを行います。ですがどいつもこいつもイロモノしか持ってこず、誰も手を付けようとしないという。
上から、ナッツ月餅とハスの実月餅、求肥月餅とスピルリナ(藻の一種)月餅、バニラキャラメルアイス月餅と漢方月餅、雲南ハム月餅とニラ月餅。
以前、月餅関係の文章を翻訳した時も「ナッツ月餅」の評価が明らかに低かったのですが中国人はそんなにコレが嫌いなのでしょうか。ナッツが歯に挟まったりするから?
中国人は本当食に対してうるさいし、地方から北京に来た学生は北京の飯が如何にマズイかでいくらでも喋れるし、各人それぞれが中華料理に対してプライドを持っていますがそれ以上に自分の故郷の料理こそ一番だと思っています。だから描こうと思えばいくらでも『美味しんぼ』みたいに他の料理をディスりまくるギスギスした漫画も、料理に関するトリビアや秘訣たっぷりの漫画も描けるはずです。
もう少し対象年齢が上の料理漫画がいつかできるといいですね。
リンク先:食之東方(中国語のみ)