毎日中国関係の日記を書いているのでたまにはレビューを。
全日本食えばわかる図鑑の続編をまさか中国で読むとは前作を買った大学生の当時は想像していなかった。ちなみに購入先は王府井の外文書店だ。値段は確か60元(1元は16円)。定価は590円(税別)なのに・・・
そこでしか食べられない美食、言い換えるとそこでしか食べない珍食を味わうために全国を歩き回る椎名さん。(どうも椎名さんには飛び回るっていうイメージがない)北海道ではエゾシカとアメリカザリガニを十分に堪能したのだけど、佐賀県代表のイソギンチャクや青森代表のカメノテにインパクトで負けてるからそれが残念。ただし味では勝ってると断言できます。しかし滋賀県代表の鮒ずしと京都府大表のゲンゲは一度は食べてみたい。
ちなみに、脂身のない鹿肉ですが焼いたら花火のような白煙がもの凄く屋内では調理できません。だから煮物にして食べるのが一般的なのですが、ボクは新鮮な鹿肉の焼き肉をわさび醤油で食べるのが大好きです。
椎名さんの食べ歩きエッセイ、と言うより旅行記はその土地の人の生声が載っているのが醍醐味です。しかも漁師のおっちゃんや料理を作ったおばちゃんの自慢気な言葉が多いから、食べ物の味はわからないけど食材に関わっている人の性格をうかがい知ることができるので、椎名さんの文章から美味そうな感じがより伝わってくる。
先日、ボクと同じ境遇の暇で暇でたまらない友人の部屋に遊びに行ったら『図書館戦争』を観ていたので途中からだけど一緒に観ることにした。
図書館戦争はボクの読まず嫌い観ず嫌いが高じて原作小説は中途半端に読み捨て、アニメは2話観てお仕舞いという酷い扱いをしている。それもつまらないという理由ならまだしも、納得できないからという身勝手な理由なのでここらで自分自身の誤解を解く良い機会だ。
事前に三軒茶屋さんの『』や
さんのレビューを見てたからストーリーは結末までわかっている。あとは楽しめるかどうかだ。
結果的に言えば非常に楽しめた。途中で友人と笑いながら「これおかしいだろ」と突っ込んだりはしたが、全話ではないが見終えたということもあって前々から気になっていた疑問も解消できた。
妖怪ハンターシリーズなど、史実を斬新に独自解釈して描かれる物語も好きだけど、栞と紙魚子シリーズのように歪んだ日常を読者もキャラクターも違和感を覚えながら上手くやっていく雰囲気も好きだ。読んでいるだけで小旅行をした気分にさせてくれるSFものも良い。けっこう悲惨なことを描いているのにあまり残酷に思えないのは、絵が下手なのが理由なんじゃなくて余韻を残さない描き方をしているからだろう。キャラクターに対してあまり思い入れがあるような描き方をしていない。キャラクターが死ぬ理由も生きる理由も読者に感じさせないように描いているのかもしれない。
その諸星大二郎の作品に『壁男』がある。氏としては珍しい怪談めいた漫画で、是非読みたいと親に無理を言ってわざわざ中国まで送ってもらった。別に新しい漫画ではなく、映画化されるに当たって文庫本として新刊発行されたのを読んだのだけれど、これが十年前の作品とは思えないぐらい斬新で、見方によっては今現在のホラー界に皮肉を与えていて瞬く間にハマってしまった。
そして先日、中国の動画サイトを使って『壁男』の映画を見る気にようやくなったのだけれど、この映画が2007年に撮られたとは思えないほどの出来で呆れてしまった。
留学すると色々不便だ。海外へ行き生活環境が一変すると食事も満足に出来ないし、欲しいものも手に入らない。日本料理店や高級デパートへ行けば望みの物も手に入るかもしれないけど、本当に自分が欲しいものはそういうところにはない。
ボクが中国に来て困ったことは、本が買えないと言うことだ。アニメや漫画は中国のサイトで見られるし、日本人用の漫画喫茶もあるのでそれほど不自由しないのだけど、一般書籍となるといきなりハードルがあがる。『北京国際交流基金図書館』や『外文書店』、『ホテルニューオータニ』など決められた場所にしか置いていないし、マイナーな本が売られることは少ない。
だからボクにとって、たまに来る母親からの荷物が何よりもありがたい。既にボクが買って本棚に積んである本や、サイトのレビューやヤフーの新着本案内などで見かけた新刊書を母親に催促し、荷物と一緒に送ってもらう。
あまりえげつない本を注文できないのが難点だけど、いかんせんアマゾン等を自由に使えるキャッシュカードがないので親に頼らなければいけない。
それでこの間、どこかのサイトで水木しげる先生が描いた河童しか出てこない漫画を収録した『河童千一夜』の復刻版が出ると見て、ボクの心は躍り上がった。何故なら水木信者のボクにはどうしても読みたい河童漫画があったからだ。