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プロフィール
HN:
栖鄭 椎(すてい しい)
年齢:
40
性別:
非公開
誕生日:
1983/06/25
職業:
契約社員
趣味:
ビルバク
自己紹介:
 24歳、独身。人形のルリと二人暮し。契約社員で素人作家。どうしてもっと人の心を動かすものを俺は書けないんだろう。いつも悩んでいる……ただの筋少ファン。



副管理人 阿井幸作(あい こうさく)

 28歳、独身。北京に在住している、怪談とラヴクラフトが好きな元留学生・現社会人。中国で面白い小説(特に推理と怪奇)がないかと探しているが難航中。

 Mail: yominuku★gmail.com
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このブログは、友達なんかは作らずに変な本ばかり読んでいた二人による文芸的なブログです。      
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 yitigan.jpg

 先週(9月14日~18日)あたりの中国の雰囲気をAA(アスキーアート)で例えるならこんな感じかな。
 
 
 さて、山場の9月18日を超えた北京では日本料理屋から国旗やポスターが剥がされ、街は普段通りの光景を取り戻しつつあります。いや、もともと北京にはデモの影響なんかなかったのかもしれません。しかし、今も尚外出先で日本語を使うことを躊躇ってしまうのは、やはり街中にはまだ緊張感が漂っているからでしょうか。
 

 反日デモなんて毎年行なわれている恒例行事なんですからそんなビクビクする必要はないんですけど、過去最大規模とか言われるとやっぱり萎縮してしまうのは事実なんですよ。日本料理屋が五星紅旗で覆い尽くされ、車や日本と何の関係もない一般店舗にまで『釣魚島是中国的』というポスターが貼られているのを見ると、せっかく根付いた北京からどんどん孤立させられていく気がしてならないんです。
 
 でも尻馬に乗るような形でどんな企業の広告にも『釣魚島是中国的』と書かれているのを見ると、中国にとって重要なメッセージが自国民のせいでキャッチコピーにまでランクダウンさせられて、結局は一過性のものだったんだなぁと感じざるを得ず、出遅れた企業を逆に心配する余裕すら持てます。
 
 きっと夏の暑さが残っている今のうちに、2008年の四川大地震の際に売れた『四川加油』(四川がんばれ)Tシャツのように今度は『釣魚島是中国的』Tシャツが飛ぶように売れて、年末(新暦)には『釣魚島是中国的』が中国の流行語大賞の1位を飾るっていうアングルが出来上がってるんでしょう。
 
 
 ピークが去って今回のデモを冷静に見れるようになって、何で今まで怯えていたんだろうと理由を考えますと、私はこの行事を楽しんでいる中国人を羨ましがっていたんだと気付きました。

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 北京にいる日本人はVPNを使って金盾の壁を越えてFacebookやらTwitterやら利用して日本人同士で連絡を取り合っているんでしょうが、やり方が分からずVPNが使えない情弱(情報弱者)な私はもっぱらマイクロブログ新浪微博にツイートを載せる毎日です。

 
 一時期話題になった実名登録を避けて携帯電話番号を登録することで新浪微博からその身元を保証されたわけですが、それで得られたのは『微身分』という勲章だけ。そもそも下手くそな中国語で150回しかツイートしていないわけで、私のツイートに反応してくれるのは中国語読解能力に長けた心優しい中国人のフォロワーだけです。
  
 こんなんじゃ何時まで経ってもフォロワーは増えません。私もどうでもいいことを一言ツイートするだけで数百人にリツイートされたり返信されたりするようになりたいのに。
 
 しかし、数十文字程度のツイートの内容を辞書引きながら30分ぐらいかけて書いたのに一向にリアクションがない、そんな虚しい日々とおさらばする日がとうとうやってきました。なんと私のような微博弱者(略して微弱)に救いの手が現れたのです。それがこのフォロワーです。

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 彼女の仕事は微博の粉絲(フォロワー)を増やし、コメントやリツイートをして契約者の微博を宣伝することで人気者を作り上げること。仕事だからもちろん有料です。
 
 これが彼女の会社のサイトです。
 
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 http://www.mx286.com/

 名前は何故か『哆啦A夢 網絡』(ドラえもんネット)。フォロワーを増やすのに22世紀の技術でも使っているんでしょうか。
 

 
 日本と比べて品質が数段劣る中国のスーパーにも目を引く商品は多々ある。日本じゃ買えない珍しいものを見つけたら衝動的に買わなきゃ逆に損だ。今日も近所のローカルスーパーでタマネギワイン(洋葱紅酒)という変わった名前の赤ワインを見つけ、値段も29元(380円程度)と安かったことから試しに買ってみた。

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 タマネギワインという名前に偽りはなく原材料には72%の葡萄と28%のタマネギに使われている。その割に想像していた辛味がなく飲み口は爽やかで、ワインの甘さが口に残らない。

 中国ワインはそこそこの値段でも飲んでみるまで味が想像できないところがタチが悪い。特に当たり外れの幅が大きい長城ワインは購入のたびに冒険だ。良い長城ワインを見つけるには友人に先に一本買わせるしかない。
 しかしマズイの代名詞中国ワインの中でこのタマネギワインは当たりだと思えた。
 
 タマネギワインには血糖値を下げる効果があるらしいがこの商品にも同様の効果を期待して良いのだろうか。だが日本で知られているタマネギワインより確実に飲みやすいこのワインにはくれぐれも健康を期待してはいけないだろう。
 
 

 【賭け象棋なら珍しくないが…】

 北京に住んでもう4年になるけど戸惑う場面に遭遇することが未だにある。日常生活を送っているだけなのに新しい発見には事欠かない。場違いな風景を目の当たりにすると、舞台の裏側を見てしまったような気まずい喜びを感じる。
 

 ちょっと前の話になるが、8月に国貿地区の路上で小さな賭場が開かれていた。
 
 国貿地区とは北京市の朝陽区にあるビジネスマンや富裕層が生活する洗練された都心部だ。しかし一方では出稼ぎ労働者や地方からの旅行者たちの受け皿としての役割を果たしている。
 
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 決して綺麗な風景ばかり見えるわけではない。
 Podで音楽を聞いている外国人の後ろで、乞食の老婆がゴミ箱から漁ったマックシェイクを啜っている光景なんかよく目にする。
 
 
 だからこそちょっとやそっとのことでは驚かないようになっていたのだが、高級デパート新光天地まで200メートルもない白昼の歩道で堂々と賭場が開かれていたのには言葉を失ってしまった。


 10人程度の男女が白熱した様子でオッサンを囲んでいた。彼らが注目しているのはオッサンの足元だ。覗いてみるとそのオッサンはヒマワリの種(中国語で瓜子)を数個摘んでは小皿に叩きつけるように放り投げている。そしてすぐに手のひらサイズの木の板で蓋をして、足を止めて見ている『客』に向かって数を聞く。
 

 どうやら丁半賭博のような遊びらしく、お皿の中にある瓜子の数が奇数(中国語で単数)なのか偶数(双数)なのかを当てれば良いらしい。
 変わっているのはお皿の中の瓜子はいちいち取り出さず、10個ぐらいになるまでそのままにしておくところだ。結構乱暴に瓜子を放り込むので、お皿の中の瓜子とぶつかって飛んでいき数がわからなくなってしまう。

  guazi.jpg  

 

 驚いたのは賭け金だ。なんと1回100元(1200円程度)もかかるらしく、真っ赤な100元札がオッサンと客の間を行き交っている。10人全員が賭けていたわけではないが、100元札は胴元のオッサンの懐に入っているように見えた。

  当たれば100元は魅力的だが、こんな単純なルールと設定でイカサマがないわけがないし、オッサンがくれる100元札だって信用できない。それというのも、オッサンの隣にいて瓜子が放り込まれるたびに口火を切って数を叫ぶ男性がいた。これは私の勝手な推測だが、この男性はオッサンとグルで歩行者が賭けをしやすい環境を作っているサクラなんじゃないだろうか。
 それだけなら良いが、この男性が負けるたびに支払う100元札が実は偽札で、オッサンは負けたときにはこの偽札を他の客に配っているんじゃないだろうか。
 

 考えるだけ疑いは晴れないし、そもそもが怪しいギャンブルなので結局私は賭けに参加せずその場を去った。

 よく本を書いに行く中関村図書ビルの【ミステリ・ホラー】コーナーを漁っていたら見知った作家の小説を発見した。

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 リアル鬼ごっこの作者・山田悠介が放った第4作目のホラー小説【あそこの席】が中国語になっていたのだ。


 翻訳出版されている日本の小説を見つけた時、私が最初に気にかけるのは翻訳の精度ではない。作家や訳者による『前書き・後書き』があるかどうかだ。
 

 そしたら思いもかけず、山田悠介本人が中国人読者へ向けた前書きが載っていた。本を購入していないので記憶を頼りに転載するしかないが、その『前書き』には読者へ向けた挨拶と、今年は作家生活10年目となる節目だから云々、そして今後の意気込みなどが(中国語で)綴られていた。


 正直言って至極平凡な内容だったが、「中国人読者のみなさん、こんにちは」なんて挨拶から始まる『前書き』に、作家・山田悠介の人柄が伺えた。


 ブログにも以前捻りのない山田悠介批判を書いたことがあるが、私は山田悠介が書いた小説はどれも読んだ上で嫌いという評価を下している。その評価はそのまま作家山田悠介本人への人物像につながっていたのだが、最近になって私の中で彼に対する印象が好転していっている。


 2001年にデビューして以来10年もの間、ネットでずっと内容の底の浅さと文章力の稚拙さを責め立てられ、老若男女から馬鹿にされてきた小説家が山田悠介だ。【山田語】とまで形容されたその特異な日本語や明らかな文法の誤りを訂正すれば、『個性がなくなった』と更に罵倒された稀有な存在である。

 しかし山田悠介はそんな批評に言い訳をするのでもなく自分の読者のためだけに小説を書き続け、作品が映画化などすればその発表会に顔を出した。そこにはある種の『プロフェッショナル』な一本気の精神が感じ取れる。


 そういうわけだから山田悠介が中国の読者に向けて特別に【前書き】を寄せたのも不思議なことではない。



 現在中国では【あそこの席】の他に、デビュー作【リアル鬼ごっこ】と【8.1】の計3冊が翻訳出版されているようだ。(海賊版らしい本は数に入れない)
 
 京東商城逃亡遊戯(リアル鬼ごっこ)
 :禁止入座(あそこの席)
 :8・1(8・1)(ここに前書きが全文載っている)
 豆瓣山田悠介の書籍検索結果


 豆瓣などのコメントを見ても、文体の奇妙さに触れている人は誰もいないので、あの妙味は翻訳の過程で消されてしまったのだろう。中国人読者が『頭痛が痛くなる』ような【山田語】を味わえないのは実に残念なことである。

 

 そして、『まるで中学生の作文、小学生が翻訳したみたいだ』というコメントに関しては、訳者に非は全くないと反論を加えたい。


 豆瓣逃亡遊戯(リアル鬼ごっこ)へのコメント
 

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