中国にいる利点の一つに北海道以外の長野やら神戸やら福岡やら内地の友人が増え、視野が広がったことがあげられる。
先日、長野県出身の先輩から北海道の食べ物って変わってんねと言われた。
どこの都道府県にも独自の食文化があるけど、僕ら道民は自分たちの食文化が異端だと知ってるんでたまに卑屈になることがある。
「ああ、トマトに砂糖かけて食べるって奴ですか?」
いや・・・ちょっと違うな。
「じゃあ、赤飯に入れるのは小豆じゃなくて甘納豆って奴ですか?」
う~ん、それもあるんだけど・・・・
「ああ、わかりました。ザンギですね?!」
えっ、何それ?
(ザンギとはニンニク、生姜、醤油などでしっかり味を付けた鶏肉に衣を付けてバリバリサクサクに揚げた唐揚げ。釧路か函館が発祥だとも言われ、発音は中国語の『炸子鶏』から来たという説がある。僕の故郷釧路のザンギは『ザンタレ』とも言われ、さっぱりとした甘酸っぱいタレをぶっかけて食べる)
なんで先輩がこんな話を切り出したかと言うと、2ちゃんまとめサイトで道民の食文化についてのスレッドを見たからだという。
それで先輩が見たスレッドがこちらだ。
北海道民なら「ああ~あるある……うん、あるわ!!」と思うものばかりだろう。
ただ僕は『茶碗蒸しに栗を入れる』っていうのは全国区だと思ってました。ちなみにトマトやアメリカンドッグ(うちじゃフレンチドッグって言ってた)に砂糖をまぶして食べるのも、全国区だとは思ってはいなかったですが高校時代にめざましテレビの『めざまし調査隊』を見るまで北海道の文化だと思っていました。
(釧路は炭鉱地で炭鉱マンが多かったため、彼らの疲労を癒すために砂糖をかけて食べる料理文化が出来たんだとか)
こうゆう食文化って何も誇れない。別にゲテモノ料理のようなインパクトもないし、とりたてて美味いというわけでもない。言うなれば我が家独特のご飯ルールが全道に広まっちゃったっていう感じだ。
長野だと『ざざ虫の佃煮』っていう虫料理があるけど既に名物になってるし、センベイを鍋に入れて食べる青森の『センベイ汁』だってデパートで一式セットが売られているのを見たことがある。
でも……
トマトに砂糖ぶっかけるのを売りにしてる食堂なんかないべ?
甘納豆入りの赤飯を弁当にしても売れないべ?
『焼き鳥』注文して豚バラ肉の串焼きが来たら怒るべ?
北海道民は自分らの食文化をアピールすることなく、卑屈に守っていこうよ。カツゲンとかジャガイモにイカの塩辛かけて食べるのとか美味いんだしさ。
北海道と言えばもう一つ奇習がある。それは
運動会では親父が酒を飲むのがデフォルトってことだ。
この問題は北海道のニュース番組でも何度か取り上げられていて、子供の晴れの舞台に酒を飲むのは何事かという論調が最近では強い。
でも僕らが小学生だった時、親父が酒を飲んでる姿は全然不快なものではなく、友達の親父と酒を飲んでるところを見たらむしろ「親父たちも楽しんでんなぁ」と気持ちが良くなったものだ。そして父兄参加の出し物になるとクラスの人気者が半分酔っ払った自分の親父の手を引っ張って、綱引きなどを一緒にやるっていうのがとても楽しかった。
お酒飲んで酔い潰れてたら子供が可哀想なんて言う意見もあるけど、子供そこまでナイーブじゃねえから。
ただ母親が卵焼きと唐揚げの普通の弁当作ってきたら許さないけどね。そりゃブンむくれで水道水飲んで腹いっぱいにするよ。美味しんぼの世界じゃあ上質の若鶏を使った唐揚げに新鮮な卵を使った甘い卵焼きが正答なのかもしれないけど、現実は見てくれなんだよ。
僕の小学校時代はこれが普通だったけど、今に規制ができて運動会を見ながらビールで喉を鳴らすなんてことはできなくなるんだろうな。タバコはもうダメだろう?酒まで禁止したら運動会に親父なんて来ないぜ。別に子供の運動会なんて特に面白いところもないしね。そっちの方が子供が可哀想だ。
俺、子供ができたら、運動会で酒を飲むんだ……
ダメだったらガラナでも飲んでるよ