楊先生「じゃあ次はニュージーランド人のレオ」
レオ「はい、えーと、ボクらにとって漢字ってパッと見、意味がわからないじゃないですか」
先生「まぁなぁ。文化が違うモンなぁ」
レオ「ボクも今でこそこうして中国語話してますけど、覚えたての頃はさっぱりで」
先生「ほぉ」
レオ「大学生のときに習い始めたんですけど、うちの大学って留学生がたくさんいるんですよ。中国人もアメリカ人も、日本人もいました。
それである日、ボクのニュージーランド人の友達が、腕に漢字のタトゥーを彫ったんですよ。そのときはまだなんて漢字が書かれているのかもわからなかったんですけど、その後調べてみると何の意味もない漢字だったんですよ。文字は忘れちゃったんですけど、彫る意味もない漢字で」
先生「でもええやん、もし変な漢字で下手に意味があったらめっちゃ恥ずかしいし」
レオ「そうなんですよ」
先生「うちの教え子にもいたわぁ。トルコ人の子やったんやけどなぁ、『国に帰ったら漢字入りTシャツを作って商売したいです』って意気ごんどったけど、その後音沙汰無しや」
レオ「それから数年後に、今度はブラジル人の友達がお腹に彫ったんですよ」
先生「タトゥーを?」
レオ「はい。それで、一体なんて文字が書いてるんだろうって見せてもらって、こう、お腹をめくってもらったんですよ。そしたらお腹の真ん中に『冷蔵庫』(冰箱)って書かれてて・・・・・・」
先生・クラスメイト「ひゃっひゃっひゃっひゃっひゃっひゃ!!」
先生「いや、でも合ってるで?食べたパンとかアイスとか肉とか全部そこに収められるわけやし」
レオ「でも『冷蔵庫』はないですよぉ・・・・・・」
腕に『鶏』って彫っているアメリカ人に「これなんて読むんだ?」と訊かれて、素直に「チキン」って答えたら殴られるブラックジョークを思い出したけど、こんなこと本当にあるんですねぇ。
ちなみにボクはオリンピック期間中に地下鉄で『金毛牛』って彫っている外国人を見ました。心の中で『アルデバラン』というあだ名を付けたのは言うまでもありません。