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栖鄭 椎(すてい しい)
年齢:
41
性別:
非公開
誕生日:
1983/06/25
職業:
契約社員
趣味:
ビルバク
自己紹介:
 24歳、独身。人形のルリと二人暮し。契約社員で素人作家。どうしてもっと人の心を動かすものを俺は書けないんだろう。いつも悩んでいる……ただの筋少ファン。



副管理人 阿井幸作(あい こうさく)

 28歳、独身。北京に在住している、怪談とラヴクラフトが好きな元留学生・現社会人。中国で面白い小説(特に推理と怪奇)がないかと探しているが難航中。

 Mail: yominuku★gmail.com
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このブログは、友達なんかは作らずに変な本ばかり読んでいた二人による文芸的なブログです。      
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今も昔も女の子は突然やってくるものだ。というような不文律に基づき、いまはてなでは空から女の子が降ってくるオリジナルの創作小説・漫画を募集している

空から~と言われて僕が思い浮かべるのは『天空の城 ラピュタ』
『羽衣伝説』ですけど、このたびの企画降臨賞ではより稀なシチュエーションを書くのが求められていますので、一読して既出の作品が頭をかすめるようなものはNGとなります。

しかしこういうテーマは難しいですね。王道的なテーマだからみんな王道を避け、または露骨に意識して結局似たり寄ったりの内容になってしまいます。文字数も1000字程度と制限されているので、文章力で魅せるということも難しいです。

でも面白そうなので、わざわざはてなユーザーにもなって一篇書き上げました。

興味のある方は下部を御覧下さい。


男はいつまで経っても一言も発しない少女に不満を募らせていたものの、日々注がれる羨望の眼差しに浮かれ、人と会うたびに自ら自慢話を吹っ掛けては憂さ晴らしをしていた。男と会う者たちの目的も男が連れてきた異質な美しさを持つ女のことなので、聞かされて悪い気はしない。だが代わり映えのしない内容を熱心に語る男に当初の好奇心など忘れて辟易していた。

 

「銃で脅しても喋るどころか服も着替えないし、御飯も食べないなんてな」

 

男の友人は今日も男と少女の様子を訪ねに来た。

 

男は友人の視線の先にいる少女の方を振り向く。その姿は会った当時と何も変わらない艶めかしさを保っていた。

 

「何もやらせてくれないんじゃ拾った意味もないな」

 

一時期は雪崩のように舞い込んできた来訪者も今ではこの友人の一人だけになってしまった。そしてこの友人も既に少女への興味をなくしている。大勢の客と一緒になって女の全身を睨め付けていた眼はもう乾いている。

 

「ところで知ってるか?また女が降って来てるって」

 

友人の言葉に男は耳を疑った。

 

「お前が捕まえた所でだ。お前の例があるし誰も捕まえようとはしないけど、物好きな奴らがそろそろ動き出す頃だろうな。俺は御免だけどね、お前みたいにはなりたくないからな」

 

友人の言葉が体に浸みていく。男は握り締めていた銃の感触を思い出すと、あの場所へ駆け出していた。

 

後ろから友人の怒声が聞こえた。

 

「おい、女が逃げたぞ」

 

あの少女と姿形が同じ女どもがそこに立っていた。空を睨み付けると徐々に下降してくる姿が見える。男はひとまず地面に降りている女たちに銃弾を浴びせた。

 

少女たちは声も上げず一様に逃げようとするが次々と銃弾に倒れた。空からは脱力した死体が露わな格好をして落ちて来る。

 

男が四方に散らばる女たちを撃ち殺していると不意に背中に気配を感じて反射的に引き金を引いた。やはりあの少女が死んでいた。

 

最後の一人になるまで片付けてから男は身構えて、まさに地面に降り立つ少女を待ち受けた。少女を抱き止め、確かに感じる感触に男は安心した。両手に埋もれる少女の肉体は以前と異なる肉感を備えており、男の眼には少女の顔が前にも増してより美しく映った。

 

男が前よりも美しい女を連れて来たと人々が噂するまでに時間はかからなかった。見物客と共に物言わぬ女を観賞する男の眼は一際輝いていた。

 

だがしばらくすると人々には飽きが来て、一言も喋らない少女に男も腹が立ってきた。

      文字数 1000字



拙作に目を通していただきありがとうございます。

なんというか、奇を衒いすぎた感が否めません。楽しんでもらって、感想でもいただけたら幸いです。



ちなみにラブコメ少女漫画の王道、遅刻遅刻~と食パンをくわえて駆けてくる女の子とぶつかって・・・・・・っていう話は1970年代から出て来たらしいのです。

今ではギャグ漫画でもやらない手法ですけど、当時の読者はこれをどう捉えたのでしょうね。僕らがエヴァ最終話で見たのと同じようにギャグだと感じたのか、それとも羨んだのか。

でも今も昔もボーイミーツガールは往々にして突然なんですね。

だから人生に希望が持てるんでしょうね。

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無題
犬彦うがや
登場人物に名前を与えないのはナイスアイデアだと思います!
千文字だとそんな余裕はないすよね。雰囲気も出ますし。
千文字なので、エロ、もしくはグロ、あるいはヘンタイに特化してみたらどうでしょうか。
もしくはパロディ。

または、おもいっきり奇をてらって「落下少女の取扱説明書」や「墜落する際の心得」をでっちあげるとか
思いつくまま書き散らかしてすみません
無題
阿井 URL
感想ありがとうございます。

登場人物に名前がないのは僕の癖なんです。自分でも思いますけど、なんか変な制約ですよ。

肝心の結果は惨憺たるものでした。僕の小説は趣味に走ったエログロで、『空から女の子が降ってくる』というシチュエーションへの必然性が足りなかったです。

犬彦うがやさんが仰るようにメタ的になった方がテーマに沿ってる気がします。

ちなみに下記のアドレスが今回大賞を取った作品です。

http://q.hatena.ne.jp/1231366704#a885562

小林泰三を思わせるウンチクぶりです。圧巻させられるオチに、ボーイミーツガールには欠かせない二人が『結ばれる』様をド迫力で書き出しています。

不条理ですね
黒きオーラ URL
拝読しました。お題一つで創作できるのはすごいなぁと思います。
世界観自体が不条理で、何故?どこから?彼女達は何者?など、詮索する必要がないお話でしたね。
だから名前は不要。無意味。
最終兵器彼女で敵国の国名とか一切不明なのと似ている。と的ハズレな感想を。

ちなみに、空から女の子が降ってくるマンガ、私なら高田裕三先生の『リトル・ジャンパー』思いつきました。
突然というのが萌え展開のポイントなんですね。
無題
阿井 URL
友人に、最近のボーイミーツガールはどんなのがあるのか聞いてみたんですが、かなりトンデました。
ジュースを飲もうと口を付けたら、缶が女の子になったり、レズビアンの女の子が女子校で可愛い女の子を見つけたらそれが女装した少年で・・・・・・

『突然』にも限度とTPOがあるでしょうに・・・・・・

個人的に五話ぐらいやったあとにヒロインが登場するってラブコメを読みたいんですけど、それでは登場以前に打ち切りですよね
まるで空に落ちていく夢を見たような
犬彦うがや
Q、少なくない創世の神話において、両性具有の神が「はじまりの神」である理由を述べよ。
A、空から女の子が降ってきたから。

今回は相手が悪かったですね。僕が選者でもアレを選んだと思います。
あやしい理論のせいで、あやしさがカモフラージュされたあやしい造語。
有精生殖とか無精生殖とか中1くらいのコゾーが喜びそうな単語までちりばめて。
やたら大風呂敷で、投げっぱなしで、無意味。
教訓や説教臭さのカケラもないのはいいです。

「アキカン!」の人気の半分はイラストを担当した鈴平ひろの人気だと思います。
僕も懸賞で色紙が当選して以来ファンです。
(↑懸賞ヲタです)
西叉葵の同人パートナーとして有名な人ですが、相方より作品の引きが弱いんですよねぇ。
ピアキャロ3、銀盤カレイドスコープ、最新作のステラ☆シアター…なにが足らないんでしょうか。米のパッケージ描けばいいんでしょうか。

ラブコメとは違うんですけど、天元突破グレンラガンはヒロインの登場が遅かったです。
まるでプラトンが説いた原初の人間像
阿井 URL
あのままダラダラしたウンチクが続くと思いきや、マンアフターマンを彷彿させる異形のオチは我々の未来の姿なのか、はたまた始まりの姿なのかと想像力を刺激しましたね。

缶が美少女に~っていうアニメは『アキカン』だったんですね。ウルジャンで連載とは全然知らなかったんですが、懸賞に色紙が当たるなんて羨ましい限りです。僕なんかガンガンでウチワをゲットしたぐらいですから。

イラストレーター業界には無知なのでよくわかりませんが、綺麗よりも可愛い画風が好まれてるのかも知れませんね。

ああ、でもニアには全然感情移入が出来なかったですねぇ。

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