北京生活の数少ない日常的娯楽としてコンビニの新商品チェックがある。ここで言うコンビニとはセブンイレブンのことである。
セブンイレブンだから変な物なんて置いていないだろうと思いきや、意外とキワモノ商品が多い。
最近のヒットは目玉焼きと鶏肉のハンバーグをライスバーガーのように挟んだ『親子丼おにぎりバーガー』だ。普通のおにぎりの値段が3元台の中、5元以上する大型おにぎりでソースのマヨネーズがクドく、一個がなかなか喰いきれない。『親子丼』と書かれてはいるが正しくは『照り焼き鶏つくね』だろう。
しかしセブンイレブンには留学当初から感謝している。中国のコンビニ『好隣居』より値段が安いし品揃えも豊富だし、独り暮らしには欠かせない弁当も売っている。日本の弁当とは異なりご飯に好きなおかずを載せるドンブリ系の弁当だが、そこら辺の食堂より味は良い。
それに何より日本の商品が買えるのが嬉しい。最近コンビニに置かれるようになった1,5Lペットボトルの黒烏龍茶は常に冷蔵庫に入れさせてもらっている。
だが見つけて得した気持ちになるのはやはりキワモノだ。ホンモノなんだかニセモノなんだか一見しただけではわからないクオリティにハラハラさせられる。
だからこのお菓子を見つけたときは、これがセブンイレブンに侵入したイレギュラーなのかどうかだいぶ迷った。
はんなり豆腐 ゴマビスケット
はんなり豆腐ゼリー 豆乳味と紫イモ味
まず値段を見て驚いた。1個10元もする。オレオやポッキー、そしてポテトチップスは6元弱だからやや高級なお菓子に分類して良いだろう。
値段から見てこりゃ正真正銘の日本の商品に違いないと思ったが、はんなり豆腐という商品名のくせにどちらのお菓子にも豆腐が入っていないのが買うのを躊躇わせた。
そもそもはんなり豆腐なんて物は、購入後グーグルで調べるまで知らなかった。日本じゃ有名らしいが中国では聞いたことがない。更にこのキャラクター、中国語では『温柔的豆腐』と書くが、この言葉を百度で調べても全然ヒットしない。
そして一番不安になったのが、はんなり豆腐をいくら調べてもぬいぐるみや本がヒットするだけでお菓子になったって記事が一件も出てこないことだ。
しかし商品には著作権マークⒸBEANS/PASSPORT/SWと書いているのでホンモノであることは間違いない。だからこれは中国限定のはんなり豆腐グッズなのかもしれないが、「メジャーでもないグッズを一体何のためにお菓子に?」という疑問がまだ残る。
そして肝心の味の方だが、どちらも中国で売っている一般的なお菓子よりは美味しく、10元という価格にしては納得できない味だった。
まず黒ゴマビスケット。てっきりパッケージの黒ゴマ豆腐君みたいなヤツが入っていると思ったら本当にただの黒ゴマビスケットだ。
ゼリーの方も外見はただのゼリーだ。
2種類とも『魔芋粉』というコンニャク粉末が練り込んである。
だから豆乳味はコンニャク臭さが気になるし、紫イモ味は安い芋羊羹のような芋臭さがある。コンニャク粉末のおかげで歯応えがあるのが特徴だけど、何で豆腐キャラクターのお菓子に歯応えが必要なんだろうか。
豆腐キャラクターのお菓子なのに原料に豆腐は使われておらず、形も手抜きだ。10元っていう高額でセブンイレブンで売っていなかったら絶対ニセモノだと勘違いする。
グッズ展開するんならまずはキャラクターの知名度を上げなきゃいけないと思うのだが、どうも優先順位がわからない。
お菓子として中途半端だし味も格別美味くも不味くもないので、こんなインパクトがない商品はきっとニセモノであってほしい。ただ、日本の許可は取っているが中国でのオリジナル商品なのでホンモノかニセモノかの境目がそもそも微妙だ。
終わりに
不安定なグーグル(中国語を入力すると接続がリセットされる)で『温柔的豆腐』を調べてみたら下記のサイトがヒットした。
http://www.nettuan.com/team.php?id=731
http://www.baituans.com/comp-510/841063.html
どうやら『温柔的豆腐』のお菓子は2010年の12月に、セブンイレブンではないものの既に中国市場に登場していたようだ。ボクが知らなかっただけで中国じゃ一定の知名度を得ていたのか。
商品を取り扱っているを調べてみると、セブンイレブン以外に多数の海外企業と契約し、主にキャラクターグッズや化粧品の代理販売権を持っているようだ。
『はんなり豆腐』ではなく『温柔的豆腐』という中国ブランドとして考えるべきか。
思い付くまま長々と書き続けたら着地点がわからなくなった。長文失礼