あと一二時間ばかりで帰国だ。中国に来たのが2007年の9月だからおよそ一年半ぶりの日本と言うことになる。
今は日本にいなくてもネットがあれば流行にはついていけるので、自分自身帰ってもあまりギャップは感じないだろうと考えている。しかし日本にいる雰囲気を忘れるのに一年半という歳月はもう十分だ。
国は各々臭いを持っているらしい。その風土や特色が来訪者に臭いを見せるのだそうだ。
ボクが初めて中国に来たとき、確かに古い油の臭いを感じた。埃臭い乾いた空気が妙に油っぽく、さすがは中華料理の国だと感心したものである。しかし今じゃ何も感じない。
ちなみに日本は醤油の臭いがするそうだ。では北海道はどんな臭いをボクに味わわせてくれるのだろうか。今はそれが楽しみである。
帰国と言うものの、ことが上手く運べばまた中国に来ることになる。しかし今は何かアクシデントが起こらないのか不安でたまらない。何も起こらなければ幸いだ。
しかし一年半も中国にいるとは思わなかった。その間一度も帰国しないなんてもっと思わなかった。北京から札幌までの飛行機代が異常に高いということもあるのだが、帰っても何もないという本音もあった。北京に行けば何かあるんじゃないかと、勝手に北海道に見切りを付けて学校で習っただけの中国語と辞典を引っ提げて来中したのが一年半前。
もう24歳だ。帰れなくて寂しいと思ったことはないが、帰らずに何をしようかと考えて呆けたことはしばしばあった。
まぁとりあえずは帰ったら友人に会おうか。札幌にも釧路にもいるはずだ。今度は北京の土産話でも引っ提げて空港を出ることにしよう。
これから小規模な飲み会を開いてもらう。徹夜である。この年になって徹夜で宅飲みができるとは思わなかった。
しかしその前に部屋の掃除だ・・・ああ、荷物が多すぎるんだ。