建造中のビルが近所にあるのですが、ある日まだ鉄骨が見えるビルの壁面に大きな電光掲示板がかけられていました。そこには数字が表示され、一日ごとに減っていくのです。隣に下げてある垂れ幕を読んでみると、その数字はどうやらあと○○日で屋上までの施工完了というカウントダウンらしい。
多分間に合わないだろうと、私は赤く光る数字を冷めた目で眺めた。
そしてそれから30日を切った今日、その電光掲示板の上に垂れ幕が下がっていました。
北京のとあるビルの話と見れば可愛いですが、それを国家ぐるみでやりたかったが結局できずどっちみち恥をさらしてしまっているのが今回の上海万博。
聞くところによれば未完成のパビリオンが多くて到底開催できない状態だったらしいですが、もう開催日も決まっていたので未完成のは見ないふりをしているらしいですね。
でも期日には間に合わないことなんて、私どころか中国に住んでいる外国人なら最初からわかっていたことでしたよ。
中国人以上に自分の首を絞めたがる人種もいないだろう。
列に並ばない、騒ぐ、パチモノを売りさばく、ぼったくる、万博開催中に起きたこれら全て、私の予想範囲内です。私の脳裏には香港でディズニーランドができた際、トイレが混んでたから野○ソで済ませた観光客がいた悪夢がよぎりましたが、意外や意外それはまだないそうです。
発表では万博一日の来場者数40万人を見込んでいたそうですが、実際はその半分もいっていない。しかしこの発表を聞いて一番驚いたのはとうの中国人自身だろう。いったいどこの誰か万博なんかに興味を持っているのか。そう思ったに違いない。だが万博関係者はマナーの心配をするばかりで入場者数の心配をせず、パニックが起こることばかり恐れていた。極めて楽天的な心配性である。
だが現実は非常である。関係者が予測できなかったことが次々起きている。
しかし私から言わせると、それら全て最初からわかっていたことなのだ。