ちょっと汚い話になります。
北京の路上にはゴミが多い。そしてゴミ箱の数も異常に多い。歩道に数十メートル間隔で配置されている。
日本に帰ったとき、コンビニで買った肉まんの下敷きの紙をどこで捨てようか迷ったものだけど、北京ではそのような心配は起こらない。
そもそもゴミをゴミ箱に捨てなくても良いのが北京だ。
誤解を恐れずに言えば、ゴミ箱にゴミを捨てるのは一般人ではなく、路上に捨てられたゴミを回収する都市清掃係だ。
万一彼らが取りこぼしたものがあっても心配はない。もしもそれがペットボトルや空き缶だったら、身なりをあまり気にしていないオッサンやオバサンが拾ってお金に換えるリサイクル事業に組み込まれるから問題ないのだ。
清掃係は大変だ。路上に落ちてるものなら何でも掃除しなければいけない。酔っぱらいの吐瀉物も、犬の糞も。底の抜けた瓶で地獄の泉の水をずっと汲み続けるみたいに、汚れ続ける歩道を綺麗にするのが彼らの仕事なのだ。
まぁ道端にゴミを捨てるのは構わないのだけど、犬の糞を始末しない飼い主は許せない。ましてや冬の間にそういうことをするのは本当にやめて欲しい。
これは北国の人間なら理解できることなんだろう。
犬の糞を捨てる人間は雪に隠しておけば大丈夫と思い込んでるフシがある。暖かくなった頃に雪の中から現われる犬の糞を発見すると正直気が滅入る。
そしたら先日、小犬を連れたオッサンがまた糞を始末していなかった。いつものことなのでそれほど気にもしていなかったが、そのオッサンの左手に空き缶が握られていたのが気に障った。
あのオッサン、自分のペットが出したものは片付けないクセに、誰が飲んだかわからない空き缶は拾うんだと思うと、やるせなくなりました。