なんだかんだで首都北京には各国料理店がひしめいている。日本料理、韓国料理は言わずもがなマイナーな海外料理まで、北京にいながらにして本場の味が楽しめる。
これは北京に3店舗しかないトルコ料理屋の話だ。
トルコ料理A店のa店長(中国人)
「ウチが北京じゃ一番美味いトルコ料理屋だね。ダンナがトルコ人だから彼に教えてもらってるんだよ。B店とC店はねぇ、あんまり他店の悪口は言いたくないね」
B店のb店長(中国人)
「ウチは伝統的なトルコ料理がウリで、トルコ大使館からもお客さんが来るほど人気だよ。A店とC店かい?ウチはそことは比べものにならないよ。」
C店のc店長(トルコ人)
「今まで北京に来てから美味いトルコ料理に出会ったことがなくて自分で作っちゃったんだよ。A店とB店の料理は、今ひとつだったね」
B店の常連b′さん(トルコ人)
「オレは北京に来てから今までずっとB店が最高のトルコ料理屋だと思っている。これはオレの客としての意見だ」
さすが世界三大料理の一つトルコ料理。みーんな自国の料理に自信満々だ。
でもボクが初めて行ったトルコ料理屋はこの3つ以外の別の場所だった。
ボク「そういやDってトルコ料理屋もありますね」
するとみんな口を揃えて
abc店長「アレはトルコ料理じゃない」
さすが世界三大料理の一つに関わる者たち……自国の料理に対するプライドの人一倍だ。店舗数が少ないから間違ったトルコ料理を本物として広めたくはないのか、彼らの口調から嫉妬は感じられなかった。
外国人のボクからすれば、どの店も美味いんですけどね。