先週HSKを受けました。
HSKとは汉语水平考试(Hanyu Shuiping Kaoshi)の略称で、留学生が行う中国語能力テストのことです。受験生はレベルによってランク分けされ、ある程度のランクがなければ大学入学や就職ができないのでみな必死になって取りかかります。
テストの問題は全て選択問題で听力(リスニング)语法(文法)阅读(文章読解)综合(総合問題)に分けられます。
三回目ともなるボクは慣れたもので、しかも漢字のわかる日本人だからということで他の外国人よりも余裕でテスト用紙を見てたんですが、ちょっと今回のHSKは臭いました。無視できないきな臭さがありました・・・
読解問題の文章に中国的新疆とか中国的西藏と言った単語が含まれていた。
故意にせよ偶然にせよ、この単語から政治的背景や最近の国内状況を思い起こさない人間はいないでしょう。
中国政府は相変わらずチベットや新彊ウイグル自治区の占有権を認めさせることで躍起になっているのでしょうが、しかしそうした主張を何も世界各国の学生が行うテストですることはむしろ逆効果なんじゃないでしょうか。
せっかく世界からデモの記憶が薄れていっているときに、何をチャンスだと思ったのか思い出させるようなことなんか書いてどうするんだ。言わなきゃ気付かないのに。
なんでそんなわかりやすいことするの?
まるで、戸棚に入ってたお菓子なんて知らないし食べてないよ、とわざわざ説明する子供だ。
自信がないヤツは多弁になると言いますが、まさにそれです。人間、あまり主張されると信じなくなります。
以前読んだ本で、アメリカのタバコ産業は子供をターゲットにするためにあえて喫煙のマナーを促す広告を貼ることで、彼らの反抗心を煽りタバコを吸わせるというちょっと考えられないことが書かれていましたが、中国にはこのぐらい心理学に精通しているブレーンはいないんでしょうか。
チベット暴動のあと雑誌やメディアはチベットと中国の友好関係を示すために、チベットの歴史や中国との歩みを積極的にアピールしていきました。
しかしそんな胡散臭いものを読んだら大部分の読者はわざとらしさを感じるでしょう。こんな簡単な手に引っかかる人間はいません。ましてや外の眼と内の眼を両方備えている留学生なら尚更です。
だからボクには中国の狙いが全くわかりません。
それとも我々に、こんなに疑われる主張をするってことは逆にこれは本当なんじゃないかと考えさせる一発逆転の証拠過多を狙ってるのか。
それなら中国政府のブレーンは久米田先生ってことで。PR