北京在住の日本人ならここ数日は絶対ブログを更新しているだろう。何せ北京市中心部で大事故が起きたのだからネタにしないはずがない。
花火の閃光に照らされて見える手前のビルはCCTV本館。形がパンツのようだから地元の人間からは『大裤衩』(デカパン)と呼ばれているらしい。そう言われれば麻雀牌の八索に見える。
右側に見えるビルが問題のCCTV別館である。動画の2分30秒辺りから屋上に火が上がっているのがわかる。
この動画を見たときに僕は元宵節の花火にしては綺麗すぎるな、と不思議に思ったんですが今日その理由が明らかになりました。
友人の用事にかこつけて事故があった国貿までタクシーで行ったのですが、北京では110日ぶりとなる雨に襲われいきなり出鼻をくじかれる。僕のカメラは天気にスゴイ左右される400万画素の年代物だから雨はかなりの痛手となる。
しかし雨とは言っても中国の雨、通り雨のようにすぐに終わるんじゃないかと思っていたが国貿へ入ってもジジイの小便みたいに降りやがります。そうしてようやく見えたCCTVがコチラです。
なんということでしょう。
あれほど、オリンピック中には出来る出来る言ってて年越しても完成してねぇじゃねぇかと、つーかアレもCCTVだったんだと馬鹿にされていたビルが今では遠目からでもはっきりくすんでいるのが分かります。
まるでコメディアニメに出て来るような消し炭っぷりを目の当たりにして後部座席を賑わせていると、タクシーの運ちゃんもやはり気になるのかさっきから視線を横に向けて前方をチラチラとしか見ていない。
事故は起きないと思うが頼むから前を見てくれ。
友人の用事を済ませて小雨降る中火事現場へ向かうと、雨のせいか野次馬は皆無。ただ、付近の地下鉄出口から出て来る人は一様に上を見上げていた。
近くから撮った写真がコチラ。
なんたる惨状、完成間近の社屋がボロボロだ・・・倒壊こそしていないがコレはもう修築ではなく建て直しが必要なレベルだろう。しかし、数百発打ち上げたとは言え花火如きでビル一棟が炎上することなんかあるだろうか。すると友人がこんな話を聞かせてくれた。
友人の知り合いAさんは元宵節の日も国貿に出勤していた。そろそろ退社という時間帯になって突然、北京オリンピックの開会式と見紛うような見事な花火が打ち上がったそうだ。そして景気が良いわねぇと同僚と会話を交わしてから車で帰宅する道中、CCTVが炎上しているのを見かけたという。
なるほど。そりゃあオリンピック級の花火が隣で上がってたら燃え移るわ。
あと、この写真の左に移っているのはおそらくマンションなのでしょうが
バッチリ延焼していました。
400万画素のデジカメでは捉えられなかったんですが、CCTV本館の方も若干焦げています。焦げパンです。
なんでこんなことになったのか。事件は現場責任者の逮捕、そしてが敷かれたことで収束に向かっているようですが、この事故は明らかに会社ぐるみの事故だ。現場の一任で高価な花火を勝手に打ち上げることなんか出来るはずないし、花火の購入にOKサインを出した上層部の責任は追求されるべきだろう。
でも結局はトカゲの尻尾切りになっちゃいそうで怖いです。何億元もの損失(おそらくは)を出した今回の国営テレビの事件の責任の所在はどこにあるのでしょうか。