先日僕がよく利用する漫画アップサイトに気になる記事が載っていた。黒きオーラさんも紹介していた金庸原作の漫画のレビューらしかった。
そこで、日本で連載されている中国武侠小説原作の漫画が中国人の目にもう触れたのかと、この逆輸入現象をネタにしようと翻訳に取りかかったのですが、うーん・・・・・・
ちょっと黒きオーラさんに謝らなきゃいけなくなったかもしれません。でもこんなことそうは起こらないので翻訳した文章を拙訳ですが全文載せることにします。
というわけでまず原文はコチラ。中国のサイトです。
金庸号泣 日本で『射雕英雄伝』連載開始
金庸の名声がどこにでも広く知れ渡っていることは最早言うに及ばない。ここ最近は原作が改編された映画やドラマなどが人気を博しているが、多くの武侠物好きは依然として彼の小説に耽溺している。
オリジナル作品をインスパイヤすることに長けている11区ACG界(注・11区とはコードギアス中で日本を表す『イレブン』から。ACG界とはAnimation、Comic、Gameの略)が金庸の名作をみすみす見逃すわけがなく、直ちに金庸の許可を取って漫画版《射雕英雄伝》の連載を始めた。
漫画版の正式名称は『射雕英雄传EAGLET』と言い、第一話は既に《月刊少年シリウス》で連載された。作者は白井三二郎である。白井三二郎と言えば昔《西遊記》を萌えだけのクソ漫画にした(原文ママ)『Dear Monkey西遊記』の前科があるので、今度の『射雕英雄伝EAGLET』もきっとオリジナル通りに行くことはないだろう。
『Dear Monkey西遊記』についてちょっとだけ触れておく。三蔵は萌えたっぷりの妹[この子も経文を取りに行く]と共に悪の妖怪孫悟空に立ち向かうという聞くも涙語るも涙というストーリーだ。
今回の『射雕英雄伝EAGLET』も読んでいて涙が流れるところが少なくない。十三世紀の中国大陸で長髪の美少年郭靖が和服を着て、日本刀を佩き、関西弁のカワイイロリ黄蓉と一緒に冒険を繰り広げるという・・・・・・一話目でもう原作派の方々は読むのを止めたんじゃないかな。郭靖はロリコンなのか、母親思いなのか?母親と助け合って暮らしてるんじゃないの?なんでここで金の兵士に殺されるの?
それに黄蓉だけども・・・・・・確かに良いロリキャラだけどやはりツッコミを入れざるを得ないし、なんで隣の舞台(隔壁戏棚は直訳すると隣の舞台という意味になるのだが、これが何を指しているのかは不明)のツンデレ女・御坂美琴の必殺技【レールガン】が使えるんだよ・・・周りの電流描写はどういうことだ?コインを碁石と取り替えて【弹指神通】に出来ると思うなよ。ってか【弹指神通】って何?碁石使えば何でも『通じる』とでも思ったら大間違いだぞ。あぁ・・・・・・まぁいいや。ついさっきあのヒドイ『月工霊王』(原文では月工灵王、調べても何も出てこない)を思い出しちゃった。
眼のない郭靖(黒い方)
ロリ黄蓉
なんではっきり“レールガン!”と叫ばないんだ!
これで良いだろ(サッ)
ある意味当然の反応とも言えるが、中国では名作とされている原作の大幅な改変はやはり大きな反響があった。
この評論を読んで中国のネットユーザーたちは脊髄反射的な日本バッシングをするものの一部ではこのような発言も出た。
今の俺たちってこういうのすら描けないよな。
(和服や日本刀に文句言ってる奴多いけど)これお前らじゃなくて日本人が読むものだろ?本物の武侠漫画描いてもアイツラわかんの?
自分たちの名作すら日本に漫画化されるなんて中国の漫画業界はマジで遅れてるな。
和服はちょっとなぁ・・・しかしロリは認める。
中国人オタクの歯ぎしりが聞こえてきそうだ。ここらへんに彼らの拭いきれない文化劣等感がある気がする。
中国にも射雕英雄伝の漫画はある。しかもコッチは中国人オタクが望むような本格武侠物だ。しかし好まれる絵柄は果たしてどちらだろうか。