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プロフィール
HN:
栖鄭 椎(すてい しい)
年齢:
41
性別:
非公開
誕生日:
1983/06/25
職業:
契約社員
趣味:
ビルバク
自己紹介:
 24歳、独身。人形のルリと二人暮し。契約社員で素人作家。どうしてもっと人の心を動かすものを俺は書けないんだろう。いつも悩んでいる……ただの筋少ファン。



副管理人 阿井幸作(あい こうさく)

 28歳、独身。北京に在住している、怪談とラヴクラフトが好きな元留学生・現社会人。中国で面白い小説(特に推理と怪奇)がないかと探しているが難航中。

 Mail: yominuku★gmail.com
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このブログは、友達なんかは作らずに変な本ばかり読んでいた二人による文芸的なブログです。      
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イリーガルなオタク情報は大抵ロシア人アンドリーからもたらされる。

 

この前はかなりの数の漫画が日本語並びに各種言語で読めるという、まるで漫画喫茶のようなサイトを紹介された。しかも有名漫画はその掲載雑誌が発行される前にアップされることがあるので、発行国の日本にいる読者より外国人の方が早く続きが知れるというわけです。

 

それで木・金曜日にワンピースとかフライングして読んだりしてるんですが、やっぱり読むんなら中国では絶対読めない漫画の続きが読みたい。マイナーな本は北京の漫画喫茶には置かれないんです。

 

ボクは3月に日本に一時帰国してから2ヶ月間、留学中のブランクを埋めようと購買していた単行本を読み漁り、もうそろそろ終わりそうな雰囲気の漫画を見つけました。

 

確かにもう長いことやったよな、と最終回を迎えるのを悔やみながら帰国中に結末が読みたいなぁと思っていた矢先に再び中国へ向かうことになったので、つい最近までその漫画が続いているのかどうかも忘れていました。

 

そしてアンドリーから教わったサイトでその漫画のタイトルを見つけてようやく思い出したわけです。

 

押切蓮介先生のホラーギャグ漫画『でろでろ』を。

 


7andy_07186605.jpeg

 

思い入れのある漫画やアニメをこういう非合法な手段で見るのは気が引けるので、読む前に心の中で

「押切先生、それと黒きオーラさんごめんなさい」と謝りました。

 

最新話をクリックして読み進めると、案の定最終回でした。

 

『ぼくと姉とオバケたち』のような、押切先生らしい綺麗にまとまった最終回でした。

 

この漫画、日常に起こるちょっと不思議なことや変わったことを全部妖怪のせいにして主人公の耳雄が鉄拳でもってその怪奇現象を解決するという、霊能力とか一切関係ないホラーギャグ。

 

本屋で立ち読みしてるときにトイレ行きたくなるのも、話をしている最中空間が急に時間が止まったように無言になるのも、駐輪場で自分の自転車が見当たらなくなるのも全部妖怪のせい。あるあるネタを妖怪に置き換えたこの漫画、ボクは大学生のときに発見して以来ずっとファンだったんですが、ここ中国でまさかの最終回を目にすることになりました。

 

押切先生ありがとう、長い間お疲れ様でした。

 

と、心の底から感謝とねぎらいの言葉が出て来るのですが、まてよ・・・・・・

 

 

ボクにそんな権利があるのだろうか。

 

雑誌を買ったわけでもない、単行本も購入してない(ってか帰国したとき売っ払った)

 

そんな自分が『読者』を名乗って良いのだろうか。

 

外国人のオタクと接していると、果たしてコイツは『良い』オタクなのだろうかと区別することが良くあります。

 

理由は簡単。彼(または彼女)がその作品を正当な手段を用いずに知り得たからです。いくら熱狂的なファンを謳ったところで、彼(彼女)はネットで無料で漫画やアニメを観ている限り日陰者なわけです。

 

しかし外国人だから日本人よりずっとその作品に思い入れがあるって事もあります。そもそも外国ではものを購入しづらいし、正規版を買うとなると日本よりだいぶ遅くなっちゃいます。だからみんなネットの違法動画や漫画を見るのですが、何せ翻訳レベルが低いからたまに意味の通じない台詞になったりして楽しめません。

 

ボク自身、アンドリーから何度か日本語バージョンとロシア語バージョンの漫画を見比べさせられて「この台詞ってこういう意味だよね?この意味じゃないよね?」と相談を受けたことがあります。

そしてアンドリー、何をするかと思ったら友人とチャットをやりだし、「日本人がこう言ってんだからこの翻訳は間違ってんだよ」と、間違った翻訳台詞を信じている友人を糾弾し始めました。

 

外国人オタクにはいろんな苦労があるんです。好きな作品がマイナーなモノだったらそれは尚更で、作品に対するのめり込みようは日本人より深いでしょう。

 

もし『でろでろ』の外国人読者がいたら、ボクは絶対に会いたいです。あの日常を妖怪化するという設定が外国人に理解できるのか興味ありますから。しかしその読者の『好き』という感情は作者になにも還元されていません。

 

それは中国にいるボクも同じなんですよね。ボクは今、押切先生に対し何も出来ないわけですから。それで外国人オタクもボクもなんだか気まずさを感じながら大好きな作品を見るわけです。

 

そういう人たちが作者に対してお礼を言える身分にあるのか。

 

ちょっと思ってしまいました。


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禅問答
しゃおりん URL
うーん、禅問答のような難しい話ですね……。
でもこの間、北京で行われた日本の声優さんたちのイベント(アニメファンとの集い)は大盛会で、声優さんたちも事情はわかっているのかもしれないけど、それでもとっても嬉しそうでしたよ。
もうノリノリといった感じで、ギャグをかまし続けていました。会場も大喜びでした。

>気まずさを感じながら
というところがポイントで、まじめな読者のそんな苦悩?を知ったら作家も喜んでくれるんじゃ? 

逆に「気まずさ」さえなくした読者に対しては、作家もあまりいい気持ちはしませんよね……。
構造的な課題
黒きオーラ URL
サーバーメンテナンス中で、書き込み遅れました・・

これは現在の漫画・アニメ全般に関わる、構造上の大問題ですね。
正直に告白すると、私も不当な手段(動画サイトなど)で無償で視聴したアニメ多数ありまして、外国のオタクたちと全くの同罪なのです。
アニメの本場日本といえど、辺境では放映されぬ番組が大多数、特に私のような田舎者の状況は外国のアニメ好きと五十歩百歩だったりします。
ならば対価を支払って観るべきなのですが・・全部に金払うのは、経済大国の人間でもキツイのです。
しかし製作者が正当な対価を受け取れなければ、いずれ文化の発信元が死滅してしまう。
・・広く薄く、製作者に正当な対価を支払える仕組みがあればいいんですけどね。
というか、それも良い訳にすぎず、やはり改めるべきか・・。
・・いや、難しい問題だし、現状が望ましくない事は、確かですね。
その上で、それでも・・
その作品が好きな気持ちは、触れた手段の正邪に関わらず、胸を張ってもいいと思いますよ。
むろん、作者に対価を払うべきだという倫理は捨ててはならないけれど、ファンが広がるのは掛け値なしに良い事だと思いたいです。
無題
阿井 URL
しゃおりんさん

返事が遅れて申し訳ありません。
ボクも外国の読者の熱に水を差すつもりはないのですが、そういう苦悩を見たことがないのがちょっとなぁと思ってしまったり。日本に帰った友人が、中国にいるときより見れるアニメが少ないと嘆いているのもなんとも・・・・・・
re:構造的な問題
阿井 URL
黒きオーラさんへ

返事が遅れて申し訳ありません。
かく言う自分も日本にいたときはYOUTUBEなんかでアニメやお笑い番組を見たりしてました。
辺境の釧路出身の身としましては、現在のネット社会が子供の頃にあればエヴァもポケモンも見れてたのになと悔しがることがあります。
多分自分はガキの頃に、見れないモノは見れないと諦めていたのに今では世界中で無料で見られる現状を納得していないんじゃないかと思います。しかし今では中国でその恩恵に与っている自分がいるわけです。
アップサイトがなければ大好きな作家の漫画も読めないわけですし、最終回とかを知れないわけです。
答えが出ない議論ですが、海外にいる人間はどうやって作者に還元できるのか。もうちょっと考えてみたいと思います。

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