ママンから物資が届いた。
その中にあったのは押切蓮介先生の『ピコピコ少年』と『猫背を伸ばして』。
『猫背を伸ばして』は押切先生の漫画エッセイ。絵面のわりにお母さんが意外と良いこと言っているので、水木しげるの『のんのんばぁとオレ』のような雰囲気があった。
『ピコピコ少年』の方は押切先生の少年時代からのゲーム遍歴を漫画化したものだが、やはり少し年代にズレがあるのか『あるある』と思える箇所は少なかった。
ピコピコと言えばボクが初めて遊んだゲームは叔父からハードごともらったファミコンのマリオだった。そのあと親にスーパーファミコン、ゲームボーイ、プレイステーション、プレステ2、ワンダースワンを買ってもらい、大学卒業を契機にソフトも全部売り払ってしまった。
アーケードゲームと言えばストリートファイター2が初めてである。だが格ゲーがヘタなボクは友人のプレイを見ているだけで、ゲーセンではもっぱらコインゲームのじゃんけんとかコイン落としなんぞをやっていた。
ある友人は脱衣麻雀ゲームをやりこみ、とうとう脱がせるまでに成長した。脱衣シーンを見ようとみんなで筐体を囲んだことは良い思い出だ。
ボクらの子供時代はスーパーの隅っこやちょっと大きなゲームショップにいくつか筐体が置かれていたが、今じゃぁデパートの1フロア全部がゲーセンなのがほとんどだろう。
ゲーセンに置かれたゲームも1回500円とか高額化が進んできた。ただ、ゲーセンでパチンコやパチスロをやる人(老人が多いんだコレが)はいまいち理解できない。
ボクがピコピコ少年だったか、それはちょっと違うと思う。ボクは友人のプレイを見ているだけで面白かったし、横からアドバイスを出したり一緒に叫びあったりするのが大好きだった。
ゲーセンに行っても他人がプレイするハウスオブザデッドやダンスダンスレボリューションを見て喜んでいた。そして今はニコニコ動画で顔も名前も知らない素人の実況プレイ動画を見て楽しんでいる。
さてボクは押切先生が言うような『ピコピコ少年』なんだろうか。
ひとつ言えることは、25になった今でもまだゲームが好きでゲームをやっている人が大好きなんだ。
さて中国じゃあゲーセンのゲームと言えばKOF97が一番メジャーな機種(どうやらこれが初期に入ってきて、ゲーマーたちは毎年更新されるゲームを面倒がるらしい)だ。ゲーセンに行く子供は日本より少ない、と思う。
中国のゲーセンはお金を専用のコインに両替して遊ぶ。地方によって差があるが北京だと2元で一枚。スト2などの格ゲーは一枚で、ハウスオブザデッドなどのアーケードは三枚ほどで楽しめる。
そして日本から来たのは液晶筐体だけではない。コイン落としのゲームも入っている。しかしこれを1ゲーム1コインだからあっという間になくなってしまう。当たればでかいがやっているのはほとんど大人だ。
コインを集めると商品と交換できるのがコイン落としの魅力だろう。ゲームによってはチケットが発券されることもあり、何万点か貯まるとこれも商品がゲットできる。
ボクが北京にいる二年間でゲーセンはあんまり変わっていないようだ。一応中国製の筐体もあるのだが、取り立てて日本との差異を見つけることはできない。日本から新機種がたまに入ってくる。しかし鉄拳5の隣にスト2があるのがなんとも楽しい。そして相変わらずカップルはバスケットをやっている。ゲーセン自体が変わらない限り、彼らの欲望はこのままのようだ。