中国在住の阿井です。
二月六日は中国の一大イベント春節(旧正月)だ。この日は日本で言うところの大晦日で、中国全体が国を挙げて盛り上がる一日である。街のあちこちには蚤の市のようなものが建てられ、そこで春節の主役である花火や爆竹が売られている。
冬休みだって言うのに日本にも帰らずどこにも旅行に行かない僕はせっかくいる中国を満喫しようと、朝から友人たちと一緒に春節の祭りが行われる『廟会』に参加した。この『廟会』っていうのは全国各地のとても広い公園で行われており、僕らが参加したのは北京は王府井近くの『龍潭湖廟会』。
また、北海道カレー団子っていうのも売られていたけど、これは単に魚のすり身を油で揚げたもので、何が北海道で何がカレーなのか道民の僕にすらよくわからなかった。
夜はお待ちかねの花火爆竹。昼間ぐらいから既に町中に爆発音が絶えず、あちこちで花火が打ち上がり爆竹が爆ぜていたのだがやはり本番は夜の、しかも午前零時前後。
それを見ようと十二階建ての大学寮の屋上に上って、花火の打ち上がるのを見ていた。十二階で更に中国製ともなると花火を『眺める』のではなく『見下ろす』かたちの見学方式になっている。集合住宅のはざまで爆ぜる花火というのは意外とオツなものだった。
そしていよいよ零時になると四方八方から色とりどりの花火が打ち上がり爆竹が絶えず鳴り響き、目と耳をその光景に奪われた。
中国の花火は日本のものよりずっと質が劣っているが、こうも何千発も打ち上げられているのを見ると壮観で、感動のあまり屋上から飛び降りたい気持ちに駆られもした。
最後に自分たちで爆竹をやることにする。これぐれいの爆竹で五百発ぐらい入っており、一分間ぐらいはずっと爆発し続ける。耳がキンキンした。
あと、花火の後始末をしないのは中国スタイルみたいで、道端には爆竹の残骸が広がっていた。
この春節の花火大会を見れたことだけで十分、北京にいる価値があった。