本屋で乙一の『ZOO』と『平面犬』を見つけて思わずニヤリとさせられた。若い小説家の名前を海外で見かけることは、昔の知り合いと偶然出会った時のようにうれしい。
そして、こっちで仲良くなったロシア人のオタク少年にロシア土産としてマンモスの骨で出来たアクセサリをもらった。外見は普通のキーホルダーだが開封してみると中から異様な臭いがする。『バキ』の板垣恵介風に形容すると、何百万年の時を経てとうの昔に骨と化したマンモスの巨躯が持っていた、未だこの世に消えずに残る「獣臭」が袋から放たれたのだった。
どうも、阿井です。ボクが中国でこんなに呑気に暮らしている間に、管理人のパソコンがぶっ壊れてブログの更新が不可能になりました。
そして最近では、中国で留学生の日本人女性が路上で強盗に襲われて重傷を負うなどという事件が起きました。
この事件は僕たちの周りでは意外とあまり騒がれていないが、同じ留学生の身として対岸の火事とは思えないので詳しいニュースを調べていたら、女性の方に過失があるという意見が多かった。
如何せん中国にいる身なので日本のニュースはネットで得ることが大半だから偏るのも仕方ないんだけど、中国に行ったんだから自業自得であるという論調が強いことに何やら恐ろしい心地がした。中国人留学生はみんなイラクへ人道支援に行った人と一緒の扱いしかされないのだろうか。
僕自身、自分が日本人であることで中国人に狙われることと言えば、ガラクタを数倍の値段で売りつけてくる露天商の客引きぐらいなんだけれども、彼らの目の前で友人と堂々と日本語で会話してたことは、彼らから見れば絶好のカモとして映ったんだろう。この前なんかは有名観光地『後海』で人力車のオッサンに「コンニチハ、安いよ、人力車です」と日本語で客引きされたぐらいだ。
海外で日本人が狙われる理由は、単純に金を持っているからだ。日本より物価の高い国に行かないとこの問題は解決しないだろう。
襲われるのはもちろん嫌だが、襲われたことを責められるなんて御免こうむりたい。しかしその論理が通用する国が中国なんだ。
中国で怪我したら中国人どころか日本人からも同情されないことがわかったから、今度からは注意して生きていかなければいけない、ということを知ったある日だった。