例えば人に友人を紹介するとき、まず始めにその友人がいったいどんなヤツかを説明するでしょう。でも人の姿や性格を表現するのは大変なことです。
「明るいよ」とか「丸顔だよ」とか言ったところでそれは発言者の主観に過ぎず、いざ会ってみたら「どこが丸顔だよ、丸って言うか楕円じゃねぇか」っていう事態も起こりえるわけです。
「誰に似てるの?」
「速水もこみちに似てますね」
「速水もこみちってアレ?ラフってドラマに出てた背の高いヤツ?アイツ、日ハムのダルビッシュみたいに格好良いよな」
「うーん、まぁそうですね」
「ってことはソイツはダルビッシュ似なのか、そりゃいい男だな」
「いや、似てるのは速水もこみちであってダルビッシュじゃありません」
「でも似てるじゃん、その二人」
(´・ω・`)ショボン
お互いの趣味嗜好を理解している親しい間柄同士だったら、人を形容する言葉を自由に選べるでしょう。相手にわかりやすい言葉を選んで、相手が知っている有名人や芸能人を例えに出せばいいのです。
「体格的にはノアの丸藤っぽいけど、顔は松本清張で髪質は大泉洋、雰囲気は長瀬智也がやった池袋ウエストゲートパークのマコトっぽいですね、でも声の質はプロ麻雀士の馬場さんかな」
「ツラが致命傷だな」
となるのです。
しかし、自分の知り合いに似ている有名人などそう多くいるはずもないので、有名人に頼るのも限界があります。それに有名人と一般人では生まれつき持っている素材も美しさの維持費も比べようないので、そもそも有名人に例えるのがおこがましい話なんです。地デジ用のメイクをしている一般人がどこにいるんでしょうか。
それに男ならまだはっきりと外見について言えますが、女の子の容姿のことはなかなか正直には言えません。というか、悪口になってしまう。
鼻だけ長澤まさみとか、崩れた仲間由紀恵とか、可愛い森三中の村上とかと容姿を表現したら言われた方はきっと怒る。
こんなことを避けるためには最初から「誰々に似てる」なんて言わなければいいのですが、言わなければまるでその人が何の特徴もないみたいで相手に悪印象を与えてしまいかねません。しかもその人が本当はそこそこ可愛いのに、芸能人にも似ず、それに飛び抜けて綺麗なわけでもなく、目立った個性もないためにどうにも形容できないというのはもどかしいですし、その人に悪いです。
しかし嘘を吐いたり余計な情報を与えたりして相手の期待を煽るのも罪深い話です。
ということで僕は容姿を説明するのにこういう形容を思い付きました。
その名も、声優ヅラ。
昔は声優というと映画の吹き替えとかアニメの裏方とかクリカンなどというイメージしかなかったですが、近年は声優のタレント化が進んでおり声だけではなく容姿まで重視されるようになって来ています。しかし可愛いとは言ってもそこは声優、顔だけでは金は取れない容姿に落ち着いています。
ですので・・・
「その子可愛いの?」
「声優ヅラですね」
「何それ?」
「声優っぽい顔をしてるなぁと」
「可愛いのそれ?」
「・・・・・・・・・」
と、これなら相手に無駄な希望も失望も持たせることはないでしょう。ちなみにこの段階で平野綾や田中理恵あたりを思い浮かべたら負けです。そんな身の程知らずな空想をせずに田村ゆかりや丹下桜あたりを思い描くような良い心構えをしましょう。野沢雅子を思い浮かべた人は、そのまま帰って下さい。
どうでしょうこの表現は。これなら誰も傷付けることもなく、そこそこでこれと言った特徴がない女の子を形容することが出来ます。声優と聞いて実物よりも劣った容姿を想像すれば勝ちですし、高望みして声優業界では珍しい美女を想像したら負けです。
また「オレの彼女、声優ヅラだよ」と言って友人に自慢するのも良いでしょう。相手が、『声優ってことは芸能人だよな、つーことは美人?でもオレ、声優なんか一人も知らねぇぞ』とまるで霧の中にいるような嫉妬心を起こすこと間違いありません。
ちなみにこの声優ヅラという表現は男には使えないのでご注意下さい。あと、これそこそこ以下の女の子には使えねぇじゃんという方は、その子の性格だけ適当にあげつらって誤魔化せば良いんじゃねぇの?