ネットを巡回してたらおもしろいもの見つけたさんでオモシロイ動画を見つけた。
二つある動画のうち、上の方は英語でこの動物園の詳しい場所も書かれていないから特定できなかったけど、二つ目の日本語字幕が付けられたイギリスのニュース番組動画に出た動物園は見覚えがあった。去年行って来たハルピン東北虎林園(通称ハルピン野生動物園)だった。
でもその動画はそんな懐かしいものではなく、その動物園で行われている残酷ショーとそれを楽しむ中国人を批判するニュース映像だった。You tubeの元動画でもおもしろいものを見つけたさんでもコメント欄で議論が白熱してるので、他にはどんな意見があるのかといろいろネットで調べたら、このハルピン動物園の残酷ショーは2007年5月25日にも日本のメディアで取り上げられたことがわかった。
上では中国人が日本語を使って中国バッシングをする日本人に意見しているので、中国での反応はどうなのか中国版グーグルの百度でいろいろ検索をかけてみたけど、出て来るのは人食い虎や共食い虎ニュースばかりで当動画は見当たらなかった。だから大陸にいる中国人がこれら動物園をどう見ているのかは不明。確かに上記二つの事件の方が重要だわなぁ・・・・・・
僕がこの動物園に行ったのはオリンピックも終わった昨年9月の下旬でしたが、このショーはいまだに行われていました。むしろこれ以外何もない動物園なので止めるわけにはいけなくなってるぐらいに。
檻が付いたバスに乗って出発すると車内の係員がエサ売りを始めます。一台の車両で捕食シーンを見ることになるので乗客全員がワリカンで支払うシステムになっています。しかしそこは中国、奮発して個人で買う客もいます。ニワトリや山羊や牛などが売られているんですが、僕が乗った車には太っ腹な客はいなかったようでニワトリを五羽ほど買うだけに終わりました。
僕が残酷ショーは見たいけど正直金は払いたくないなぁと思っていると、同行していた日本人のオバチャンが、私はこんな残酷なの見たくないから買わないって言ったのには肝を冷やしました。ある中国人客が僕らの分まで支払ってくれてその場は何事もなく済みましたが、僕はその瞬間殴られるぐらいは覚悟しました。実際は、楽しみたくないヤツはそれで良いよ、という下級生の臆病さを小馬鹿にする上級生、のような構図で平和的に終わったんですけど。
道中で虎を見たり
こっち見んな
小便引っかけられる旅行客を見て楽しんだり
慌てふためく車内
鉄網の間からチケットやペットボトルを出して虎に喰わせようとしてる奴ら
を見て呆れたりしていると、ひらけた場所に出て来ました。
すると別の車が来て、さっき買ったニワトリを放します。辺りには何頭もの虎がエサを待ち構えていました。それを一咬みでしとめた虎は大ざっぱに羽をむしり取ってからニワトリの腹にかぶりつきました。
エサは山羊や牛などのいわゆる『鳴く』動物ではなかったから、捕食シーンを見ても僕はそれが残酷とは思わなかったです。そしてもし動画のように山羊が虎に食べられるところを見たら、興奮はしないけど面白がるでしょうね、間違いなく。
さて、この動物園の出し物はやはり『残酷』と言わざるを得ません。それはこの動物園がしていることが主流である欧米世界の価値観と照らし合わせてあまりにも逸脱しているからであるのと、しかし『残酷』は面白いんです。
そして中国には『娯楽』が足りないんです。
ゲームセンターでいい年したオッサンが日本製のコインゲームに勤しんでたり、喧嘩をする夫婦の周りに止めるでもない数十人の野次馬が出来たり、ネットカフェ(网吧)にたむろしたり、そのぐらいしか娯楽なんてないんです。
日本の習慣でセブン・イレブンへ入ったら漫画が一冊も置いていないことに嘆いたり、中国産アニメ観ようとしたら日本やアメリカアニメの丸パクリで呆れたり、中国人に面白いドラマがあるか聞いたら、そんなもんねぇよと鼻で笑われたり、そんなことが往々にあるんです。
ですからこのエサやり風景を残酷だ何だという前に、今の時代に適していない中国の文化の少なさを指摘すべきだと思います。そして中国もいくら楽しみが少ないとは言え、こういうことは自制すべきでしょうね。もう内輪だけ楽しければ良い、っていう時代じゃないんですから。