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プロフィール
HN:
栖鄭 椎(すてい しい)
年齢:
42
性別:
非公開
誕生日:
1983/06/25
職業:
契約社員
趣味:
ビルバク
自己紹介:
 24歳、独身。人形のルリと二人暮し。契約社員で素人作家。どうしてもっと人の心を動かすものを俺は書けないんだろう。いつも悩んでいる……ただの筋少ファン。



副管理人 阿井幸作(あい こうさく)

 28歳、独身。北京に在住している、怪談とラヴクラフトが好きな元留学生・現社会人。中国で面白い小説(特に推理と怪奇)がないかと探しているが難航中。

 Mail: yominuku★gmail.com
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このブログは、友達なんかは作らずに変な本ばかり読んでいた二人による文芸的なブログです。      
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 百度でミステリ系のネタを探していたら、以前このブログでも取り上げた【東野圭吾の版権売却一時停止問題】に関する記事が見つかった。と言ってもこの問題が話題になったのは3ヶ月も前の8月だ。しかもこの記事自体が1ヶ月も前の10月に書かれたものだから、わざわざ翻訳してまで紹介するには話題と内容ともに旬がとうに過ぎている。
 

 しかしこの記事には版権一時停止以降の中国人の反応が、やや偏った形で記されている。中国人読者が一時撤退を決めた東野圭吾をどのように見ているのかを知る上で一読の価値があると思うので、記事内容を抄訳してここに紹介してみたい。棒線で挟んでいる文章が記事の翻訳文である。
 
 
 記事自体は今年10月に出版された《新周刊》という雑誌に掲載されている。見られなくなった人のために、記事が転載されているサイトのURLも一緒に貼っておく。
http://www.dooland.com/magazine/article_172022.html

http://www.douban.com/note/179255755/ 
 


版権を渡さないのか、それとも金が余っているのか?
東野圭吾が中国に抱くやりきれなさ

 
文/丁暁潔
 

 中国ミステリマーケットのパイオニアとして、東野圭吾が著作権保護戦争を仕掛けた。しかしインターネット時代では第二のマルケスになれるはずがない。


 
 いきなりガルシア・マルケスの名前が出てきた。やはり中国人にとって今回の決断を下した東野圭吾の選択は、『百年の孤独』を中国で出版させることを頑なに拒否し続けたマルケスと被るようだ。
 
 
 記事は中国で受けている外国人推理小説家の数人が中国に訪問する昨今、一番のベストセラー作家である東野圭吾が中国に降臨する前に版権の受け渡しをストップするという大事件を簡単に説明している。
 
 
 

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 久々に【歳月推理】をほとんど(海外物以外)読んだ。というわけで11月号の感想を簡単に書き記してみる。まずは掲載作品の紹介から。
 
  suiyue1111.JPG
 
 目次(作品タイトル/作者名
 
 《オリジナル》
 罪悪天使―穿紫格子大衣的女人/ 午曄
 酔殺/ 章蒙霞
 消失的北極星/ Spring
 凶手車小春/ 黒骨
 1/2模倣犯/ 別問

 
 《海外物》
 神秘来客 / オースティン・フリーマン
 (ソーンダイクシリーズ。原題及び邦題不明)

  世界怪奇実話之復活的戦死者/ 牧逸馬
  

 《コラム》
 台湾地区推理漫談―“既晴流”
 (天蝎小猪による台湾人推理小説家『既晴』の紹介)
 
 

 いつもは1作品だけを取り上げてレビューを書くけど、今回はオリジナルミステリ5作の感想をざっと書いてみる。
 



 まずは【罪悪天使―穿紫格子大衣的女人】(紫色のチェックのコートを着た女)。本誌に久々に登場した午曄が罪悪天使シリーズの最新作を引っさげてきた。
 

 客で賑わう火鍋屋でフグ毒を盛られ殺された女。レストランだというのに財布すら所持していない女の身元を調べると、とある殺人事件の被害者として警察のデータベースに登録されていた。

 主人公たちは既に犯人も捕まっている過去の殺人事件に真実が隠されていると睨み、再調査に臨む。しかし、功を焦った同僚が彼らの調査の邪魔をする。
 
 
 死者がもう一度殺されるという絶対に起こりえない出来事に、物語では早くから警察内部によるデータの改竄が指摘されるが、実際そのとおりだから意外性がない。しかもその方法が警察官によるハッキングと言うからスケールが小さい。
 
 午曄と言えば物語の現実性と論理的な推理を重んじる小説家として知られているが、今回はリアリティを意識するあまり小さくまとまりすぎていた。それに、一介の警察官が警察のデータを本当に改竄できるのか、午曄の作品だからこそそこが疑問に残った。
 

 
 リアルなストーリー構成とローカル色を押し出したいミステリ小説業界は現在、中国的な小説を生み出そうと躍起になっているが、その土壌はサスペンス小説方面の方が肥沃なようだ。

 zhiwen.jpg
 
 今年の4月に新星出版社から出た《刀峰上的救贖》は中国の警察官の堅実な仕事ぶりや、真に迫った犯罪現場を精熟した筆致で描き出している。しかしストーリーは現実社会に準拠していながらも、その内容は凄惨な凶悪事件の目白押しで本当に中国が舞台なのかと錯覚させられるボリュームだ。
 
 
 妊婦誘拐や連続強姦殺人、そして左利き殺しなどの大事件が中国の北京市で短期間のうちに次々起こるわけだが、そこまでやってもストーリーが大味になっていないのは、警察官が主人公であることを利用して事件現場の検証や検死の光景と言った舞台裏まで描き出しているからだろう。
 

 この作者はよほど取材をしたのか、それとも警察関係者なのか、はたまた【CSI】【マイアミバイス】の大ファンなのかわからないが、わざわざ検死報告まで記述するところに貪欲さを感じずにはいられない。
 

 
 9月24日(土)、人民大学で推理小説イベントが開催されました。
 
 参考サイト:“謎”花倚石忽已“明“
 
 40名以上の大学生を集めたこのイベントを取り仕切ったのは人民大学の学生サークル中国人民大学推理協会と、ミステリマガジン【歳月・推理】を刊行する歳月推理雑誌社です。
 
 
 開始時刻になると講堂のスクリーンに推理クイズが映し出されました。正解者には【歳月・推理】が贈呈されるのですが、なかなか難しかったのか、それともみんなクイズよりもこのあとに行われるプログラムの方に興味があるのか、正解者は少なかったです。
 
 
 
 クイズの答え合わせが終わると次は当サークルの紹介に入ります。

 rendatuili.JPG

 この推理協会は2010年4月に人民大学で発足した学生サークルで、毎週集まってミステリ関係の映画や小説を鑑賞し内容に関して討論をしたり、トリックやアリバイを考える『殺人ゲーム』をすることが主な活動だそうです。日本の大学の、いわゆるミス研とはちょっと違った趣きがあります。
 
 
 紹介のあとはいよいよ本日のメインイベント、推理小説家の午曄(wu ye)先生と言木光(yan guang guangは木偏に光で1つの漢字)先生の講演です。
 
 参考サイト:百度百科・午曄
 :百度百科・言木光
 
  その1
  その2
 
 2日に渡って伝えてきた《ホームズの盗作スキャンダル》(注:このタイトルについては転載先のKINBRICKS NOWの表記に従うことにします。私が付けた《ホームズがスキャンダルされた》はエキサイト翻訳すぎた)も3回目の今回で最後です。


 ここでは劉臻と新星出版社を痛烈に批判した陳一白が、前回の劉臻の反論に対して最終通告とも見える再反論を加えています。以下は9月11日にお馴染みの東方早報で発表された陳一白の記事です。
 
 


《こじつけの弁解をしても剽窃の事実は変えられない》
(狡辯、改変不了剽窃的事実)
 

 《ホームズの盗作スキャンダル》を執筆したとき、私は【ベルヌ条約】や【中華人民共和国著作権法】及び【出版管理条例】に対して重大な違反行為をした新星出版社が【ホームズ全集】の回収を発表するなんて別に思っていなかったし、劉臻氏が自らの剽窃行為をあらため、レスリー・S・クリンガー氏や全集を購入した読者に対してお詫びをするということも期待していなかった。


 【上海書評】で当該文章を発表したのち、新星出版社は案の定亀のように首を引っ込める作戦を取った。一方では返事をせず、相手にもせずに有耶無耶にする厚かましい態度を取り、もう一方では京東ネット上で共同購入の形式をとって低価格で違反出版物を投げ売りしている。


 率直に言えば、これらは私の予想を出ないものだった。しかし、劉臻氏が9月4日に【上海書評】に掲載したあの文章《対《福爾摩斯被窃醜聞》一文的回復》には深い同情と訝しさを感じずにはいられなかった。

 
 
 前回の劉臻の反論に不満を示す陳一白。彼はこのあと改めて劉臻の問題点を取り上げてその行為を非難します。そして、劉臻が反論の中で述べた『慣例』の是非を読者に問いかけます。つまり、その『慣例』が事実なのだとしたら、海外のホームズ研究家のベアリング・グールドやクリンガーも劉臻同様に先人たちの成果を盗用していたのか?という単純な疑問を投げかけているのです。


 この疑問を確かめるために陳一白は驚きの行動に出ます。以下はまた抄訳です。
 


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