忍者ブログ
カレンダー
06 2025/07 08
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31
フリーエリア
最新コメント
[12/21 LenkaAdhes]
[09/26 MabelKarce]
[09/25 Rositaelego]
[08/19 Jessiehop]
[08/19 HaroldLab]
最新トラックバック
プロフィール
HN:
栖鄭 椎(すてい しい)
年齢:
42
性別:
非公開
誕生日:
1983/06/25
職業:
契約社員
趣味:
ビルバク
自己紹介:
 24歳、独身。人形のルリと二人暮し。契約社員で素人作家。どうしてもっと人の心を動かすものを俺は書けないんだろう。いつも悩んでいる……ただの筋少ファン。



副管理人 阿井幸作(あい こうさく)

 28歳、独身。北京に在住している、怪談とラヴクラフトが好きな元留学生・現社会人。中国で面白い小説(特に推理と怪奇)がないかと探しているが難航中。

 Mail: yominuku★gmail.com
     ★を@に変えてください
バーコード
ブログ内検索
カウンター
アクセス解析
* Admin * Write * Comment *

*忍者ブログ*[PR]
*
このブログは、友達なんかは作らずに変な本ばかり読んでいた二人による文芸的なブログです。      
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

 
 前作で仲間から真犯人の疑いをかけられた刑事陸凡一と彼の天敵であり良き理解者である欧陽嘉がまたしても残酷な連続殺人事件に直面する。

 22574838-1_o.jpg
 
 あの『遺骨档案620』連続殺人事件から半年後、女ホームズの異名を持つ欧陽嘉と重案隊の上司許建東は結婚し、警察関係者が見守る中5つ星のホテルで結婚式を挙げる。しかし2人の新婚生活は一日も続かなかった。何故なら披露宴後、新郎の許建東が女子トイレで無残な死体となって発見されたからだ。

 許建東の跡を継いだ謝剛はこの警察への挑戦とも取れる殺人事件を解決すべく部下に檄を飛ばすが、場馴れした警察官ですらたじろぐほどの凄惨な死体の様子と結婚式に起きた事件ということで、犯人の動機が警察への復讐かそれとも痴情のもつれによるものかで内部でも意見が対立する。

 そこで職場復帰した陸凡一は事件当日の状況から犯人が重案隊の中にいると推理し、ある一人の老刑事を容疑者として指摘する。

 だがその容疑者すらも後日警察署の女子トイレで許建東と同様の手口で殺害されたことで、疑惑の目はまたしても陸凡一に向けられた。
 

PR
 l75354540580022002170.jpg

 前作に法医学者としての自身が経験した事件をまとめた『我是法医』があるが、本作は彼の経験を基に書かれた小説である。

 作者の張志浩は去年日本の大学に招かれて来日した次の日に東日本大震災に遭遇している。そのときの体験を著した本『日本大震災 親歴記』を出版したあとも日本に滞在しているようなので、彼の名を知っている日本人もいるかもしれない。

 625362.jpg
 
 ストーリーは若手の法医学者浩哥(もちろんモデルは作者の張志浩)が女性だけを狙った惨たらしい連続バラバラ殺人事件の被害に遭った死体の検死を脊柱にしている。更にその合間に発生する個別の殺人事件にも駆り出される彼は、検死によって死者の死ぬ直前の行動を推理し、事件解決に一役を買う。
 

 検死のシーンやところどころに挟まれるウンチクなどはまぁまぁ面白く、裏方作業に徹する浩哥の仕事ぶりもそれなりにリアリティを感じる。しかし、大きなストーリーの合間に小さな事件を挟むやり方は、作者の貯金を崩して誌面を水増しさせている感が否めない。そもそも本書のあらすじに、女教師の墜落死やガス中毒死などの案件はバラバラ殺人事件と関係があるのだろうかと煽っているのに、やっぱり関連はありませんでしたじゃあまりにもヒドイ。
 

 512Mr-iXsnL._SS500_.jpg

 著者の塵世牧人は薬毒物分析鑑定の仕事に十数年携わっているという法医学のプロフェッショナルだ。つまり本書は著者の豊富な経験に裏打ちされた中国の鑑識現場をリアルに描いた法医学ミステリである。
 

 浴室で一酸化炭素中毒死を遂げた少女の胸には真っ黒なX型のアザがあった。監察医の林栗はそのアザが銀の酸化で起こる化学反応によるものと理解し、事件は風呂の不完全燃焼に見せかけた殺人事件であると見抜く。被害者が付けていたとされる銀のアクセサリは誰かに持ち去られたらしく行方不明であり、事件をたぐる唯一の線は彼女が生前最後に連絡をとった男しかいない。
 林栗は新聞記者を名乗る許雅玲とともにその人物が住んでいる村へ向かうが、彼の住居は全焼しており焼け跡から男の死体が発見された。しかも許雅玲から、その村では12年前に5人の犠牲者が出た炭鉱爆発事件が起こっており、事件を独自に取材していた記者も2年前に交通事故死していたことを告げられる。

 X型のアザを残して死んだ少女と村で起こった数々の不可解な事件にはつながりがあるのだろうか。
 
 

 
 ここ最近の読書歴を振り返ると出来の悪い長編ばかり掴まされている気がする。駄作だとわかっている作品を一週間近くかけて読破するぐらいならば、様々な作家の作品が読める短篇集を読んだほうがダメージが少なくなくて済むし、得るものは多い。その中に傑作の一篇でもあれば言うことはないのだが、それは高望みというものだろう。

 2359650.jpg
 
 中国の有名なサスペンス作家やミステリ作家の作品で組まれたこの短篇集は全三部のシリーズで構成されており、時間的灰燼というタイトルからもわかるように各作品には『時間』という大きなテーマが扱われている。
 作家のラインナップは豪華なのだが、『時間』というテーマのスケールが強大かつ曖昧であるために、収録作品が互いに個性を消し合っている感が否めなかった。
 
 
 氷山之下 著:庄秦
 
 陳青雲という青年は自分の家族が経営する物流会社の倉庫を全焼させ、自社に莫大な被害を与えた。しかし彼には事件当時の記憶がなく、何故自分が放火したのかさえわかっていなかった。
 保険金目当ての犯行の線を捨てきれない保険会社に調査を依頼された民間調査員(オプみたいなものだろうか)の馮自強はまずは陳が現在入院している精神病院へと向かう。そこは偶然にも一年前に発生した連続猟奇殺人事件から生き残った彼の恋人も入院していた。
 陳の主治医から話を聞くにつれて馮自強は陳が多重人格者ではないかと疑いを強める。しかし調査で明らかになる数々の新事実は陳の犯罪を暴くものではなく、馮自強が過去に自分の恋人すら手にかけた連続猟奇殺人事件の真犯人であるという証拠だった。 
 果たして馮自強も多重人格者で事件の記憶を喪失しているだけなのだろうか。

 殺猫小屋 著:今夕何夕我是誰 

 shamao.jpg
 
 タイトルからは想像もつかないが本作はシャーロック・ホームズのパスティーシュ作品である。しかし中身はパロディと言うか大学のミス研が書いた二次創作レベルの代物で、なんでこんなものが25元もするのか腑に落ちなかった。
 
 いくらホームズ物の作品が世にありふれているとは言え、1894年のロンドンにテレビとテープレコーダー出しちゃマズイだろう。
 
 


 1894年5月10日から毎週日曜日になるとロンドンの有名な場所にミンチ死体によって描かれた真っ赤な七芒星が現れる。『七日血案』と名付けられた凶悪事件の7番目の舞台として予告されたディファナ寺院に向かったホームズとワトソンだったが、そこでも犯人の凶行を止めることは出来ず、七芒星が描かれた寺院は炎で燃え落ちる。
 捜査に行き詰まる二人の前に、『七日血案』の犯人を知る人物が現れる。彼は犯人の真の目的は自分が所持している『聖石』にあると訴え、ホームズにそれを託したあと何者かに殺されてしまう。
 凄惨な事件と『聖石』の間には一体どんな関係があるのか。そしてホームズは徐々に世界の真相に迫っていく。
 



Copyright: 栖鄭 椎(すてい しい)。。All Rights Reserved.
Powered by NinjaBlog / Material By 御伽草子 / Template by カキゴオリ☆