中国大陸にはミステリファンの集まるウェブサイト
が2000年から今日に至るまで存在している。ファン同士の交流場所であり、創作小説の発表場所も兼ねたこのサイトは古くから中国推理を支え、業界の活性化に一役を買ってきた。
推理之門公式サイト:
ここからは多くの作家が輩出されている。百度百科によると現在も歳月推理で活躍している杜撰や午曄、最推理で長編を連載する王稼駿らも推理之門出身であり、数年前に日本で作品が出版された水色一天もそれに当てはまる。
百度百科:
推理之門は言わば一読者が小説家に変身する中国大陸の推理小説家の登龍門と言っていいだろう。
その推理之門で昨年12月から日本、欧米、そして中国の推理小説ベストテンを決める投票が始まった。投票対象作品は2011年1月から12月までに中国大陸で正式に出版された推理小説、またはミステリ関係の研究本である。
推理之門:
ここに掲載されているリストを見ても対象作品の多さが伺える。単純に数えただけで国内外合わせて500冊以上のミステリ関係の作品が、2011年のうちに出版されたのだ。そのうち中国オリジナルの作品は190に上る。
そして2月15日にそれぞれのベストテンが出揃った。その投票結果をここに転載してみたい。
2011年度推理小説ベストテン(欧米篇)
推理之門:
1位.ジョン・ディクスン・カー 《三つの棺》
2位.コナン・ドイル 《ホームズ全集(挿絵版)》
3位.エドワード・D・ホック 《サム・ホーソーンの事件簿 Ⅲ》
4位.アガサ・クリスティ 《ポアロ短篇集》
5位.アンソニー・ホロヴィッツ 《絹の家》
6位.エラリー・クイーン 《ダブル・ダブル》
7位.ジュリアン・シモンズ 《ブラッディ・マーダー 探偵小説から犯罪小説への歴史》
8位.エラリー・クイーン 《犯罪カレンダー》
9位.ポール・アルテ 《おぼろげな映像》
10位.ダシール・ハメット 《マルタの鷹》