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プロフィール
HN:
栖鄭 椎(すてい しい)
年齢:
40
性別:
非公開
誕生日:
1983/06/25
職業:
契約社員
趣味:
ビルバク
自己紹介:
 24歳、独身。人形のルリと二人暮し。契約社員で素人作家。どうしてもっと人の心を動かすものを俺は書けないんだろう。いつも悩んでいる……ただの筋少ファン。



副管理人 阿井幸作(あい こうさく)

 28歳、独身。北京に在住している、怪談とラヴクラフトが好きな元留学生・現社会人。中国で面白い小説(特に推理と怪奇)がないかと探しているが難航中。

 Mail: yominuku★gmail.com
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 3月31日に中国版『容疑者Xの献身』(嫌疑人X的献身)が中国大陸で上映されました。

 私は当日18:30に西単という場所にある映画館で見たのですが、予想に反してお客さんは少なく、席は半分ぐらい空いていました。まぁこれは明日土曜日も平日扱いで仕事があったからかもしれません。日中の学生街の映画館ならまた違った混み具合になっていたかもしれません。ちなみに若い女性2人組が多かったです。彼女らが東野圭吾読者なのか、それとも主人公役の王凱のファンなのかはわかりません。


 せっかく初日に見たので映画の感想を書きたいのですが、この映画の楽しみ方って原作や日本版映画と比較して「ここはこうなっていた」とか「これは省かれていた」みたいな確認だと思うので、それを書くこと自体がネタバレになるのではと思いました。そもそも、こんな知名度の高い作品のトリックなんかバラしたところでもう誰も怒らないでしょう。トリック自体が映画オリジナルだったら秘密にするべきですがそんなことはなかったです。


 そのため、Twitterには感想を書かず、完全ネタバレありとしてこのブログに映画を見ていて気付いたことを羅列します。ちなみに、これを書いた人間は原作を読んだだけで日本版映画及びドラマを見たことはないのでそれらに関する知識はほとんどありません(ウィキペディアを読んだ程度)。ですので、日本版のオマージュやリスペクト描写があっても気が付いていません。


 1.名前について

 舞台が中国で登場人物も中国人ですので、名前も当然中国表記になっています。
 湯川は唐 川(唐が名字で川が名前)、石神が石 泓、草薙が羅 淼、靖子が陳 婧、美里が陳 暁欣となっていました。ここでは混乱を避けるため日本語名で書きます(富樫とか名前忘れた)
 ちなみに、日本のドラマにいた内海薫はいなかったです。


2.環境設定

 石神は原作同様高校の数学教師でしたがそのクラスは学級崩壊(授業崩壊?)していて全く授業になっていません。しかし石神はそれを気にせず黙々と数式を書いています。

 湯川は大学の先生というか、公安の顧問として働く大学の副教授でした。私人じゃないので堂々と捜査に参加できます。

 靖子は小さなレストランの店長という役どころで、石神は毎日そこで同じメニューを朝ごはん?として買っていきます。



3.事件について

 開始10分で富樫の死体が川で発見されます。顔を潰され、指紋が焼かれ、近くには衣服が燃え尽きぬまま放置されていました。原作では新品だった自転車が、中国の最近の事情を考慮してレンタサイクルになっていました。
 私にとって最大の懸念点であった死体の入れ替えトリックですが、中国版でもちゃんと浮浪者が使用されていました。

 また富樫は靖子にロープで絞め殺され、美里がその手伝いをしました。これも原作通りですね。


4.人間関係

 湯川と石神は大学ではなく中学か高校の同級生という設定で、原作より濃い友情が描かれます。草薙は彼らの同期ではなさそうです。また彼ら二人は途中登山に行きます。これは日本版映画のリスペクトですね。そして後半、原作では素直に警察に出頭した石神ですが、映画では美里を狙いに行くと見せかけて湯川を襲って警察に逮捕されます。



5.その他

 冒頭で湯川が先日解決したという超音波装置を使用した物理学者が犯人の事件の講義をしていましたが、これはまさか日本版ガリレオのリスペクトだったのでしょうか。

 石神が原作より可哀想な環境にあり、また、より不器用な人間として描かれていました。原作であった自信すらなく、より哀れみを誘う存在になっていました。

 靖子はそんな石神を気にかけ彼に服を買ってあげようとします。石神に対して恐怖を抱いていなかったですが、工藤の登場によって動揺した石神に脅され、初めて彼を憎みます。原作で石神が靖子に送った「私のことは忘れてください」の手紙はなかった、と思います。それは石神の独白で処理されました。

 原作では3月10日がネックになっていますが映画では4月12日となっています。中国では北京で毎年3月初旬に『両会』という超重要な会議が開かれるのでそれゆえの改変でしょうか?ちなみに映画の舞台は『江北』となっていますがそれが南京かはよくわからない。


 石神と美里の交流。薄い壁を叩いてモールス信号を送り、壁越しに聞こえる美里の吹く楽器の音色に石神は癒やされます。

 原作では留置場で石神が泣いて終わりですが、映画ではそれから3ヶ月後が描かれ、公安の建物内部で四色問題の本を持ってエレベーターから降りる湯川に対し、手錠をかけられどこかに連行されるためにエレベーターに乗り込んだ石神が「それ難しいか?」と聞くシーンが追加されています。



総評

 大きな改変はなく、原作を読んでいないと理解できないという内容ではなかったと思います。湯川と石神の友情に焦点を当てており、彼らにバドミントンをさせ、登山をさせ、お互いの家(湯川の場合は職場で)で飯を食わせて邂逅の喜びと、警察と犯罪者の間に生まれる疑心暗鬼を上手く描いていたと思います。特に二人の少年時代の交流などは場内から黄色い声が上がるほどでした。また少年時代の石神役の少年が可愛いんだ。


 今回はビジネス街近くの映画館で夜に見たわけですが、今度は土日に学生街の映画館に行って反応を見てみたいと思います。できればその時まで人気が続いていてほしいです。


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