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プロフィール
HN:
栖鄭 椎(すてい しい)
年齢:
40
性別:
非公開
誕生日:
1983/06/25
職業:
契約社員
趣味:
ビルバク
自己紹介:
 24歳、独身。人形のルリと二人暮し。契約社員で素人作家。どうしてもっと人の心を動かすものを俺は書けないんだろう。いつも悩んでいる……ただの筋少ファン。



副管理人 阿井幸作(あい こうさく)

 28歳、独身。北京に在住している、怪談とラヴクラフトが好きな元留学生・現社会人。中国で面白い小説(特に推理と怪奇)がないかと探しているが難航中。

 Mail: yominuku★gmail.com
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 グランプリの結果はてっきり来月号の誌面で発表すると思いきや、5月号の発売に先駆けて公式サイト【推理MYSTERY】で既に受賞者の名前が挙げられていた。
 
 プロの審査員たちにより40作もの候補作の中から選ばれた受賞作は大方の予想通り非常に手堅いものであった。
 第1回華文推理グランプリ受賞者発表
 
 huawenzuizhong.jpg
 
1等賞

《看朱成碧》                           作者:遠寧
 

2等賞

《第五大道謀殺案》                作者:林斯諺
《恋愛反身》                           作者:江離
 
3等賞

《衆里尋她千百度》                作者:騰騰馬
《鉄獣》                                  作者:王小niu(紐の部首が女)
《推理作家的遊戯》                作者:猫咪
 
最佳新人賞

《黄昏公園》                           作者:鯨川
 


 
 栄えある一等賞(最優秀賞)に輝いた《看朱成碧》は著者遠寧お得意のディー判事が主役の《大唐狄公案》シリーズに属する。読者投票では3位という位置にいたがミステリの完成度以上に作品の舞台が古代中国を舞台にしていたのが審査員に好まれたらしい。
 
 審査員のコメントを見ると、文学性が強くストーリーも凝っており(于洪笙評・北京偵探推理文芸協会常務副会長兼秘書長であり中国人民公安大学教授)作者の教養が出た素晴らしい作品(鄭炳南評・香港小説学会創始者にして栄誉会長)と芸術面の出来がひときわ評価されている。

 また推理小説としての評価も高く、作品には中国の古典的な雰囲気に満ちながら欧米的なミステリの技法も取り入れられ
(既晴評・台湾の有名推理作家であり評論家)最終候補に残った作品で唯一の古代中国を舞台にした緊張感に富んだ典型的な本格ミステリであり(老蔡評・推理之門管理人)《大唐狄公案》シリーズと《謝瑶環》シリーズの初の合作としてそれぞれ別の場所で推理を展開し事件を解決させ2人の名探偵の異なる魅力を見せた (天蠍小猪評・ミステリの達人、評論家) 、とある。
 
 
 2等賞(優秀賞)を受賞した林斯諺は台湾出身のそこそこ名の知れた推理作家。島田荘司推理小説賞でも2度ともに候補者に名を連ねたが、どうも審査員受けが悪いようで今回の華文推理グランプリでも惜しくも1位を逃した。
 
 
 3等賞(佳作)の審査員評を読むと次に期待ということで話がまとまっている。いわゆる探偵がいるから犯人もいるというコテコテの推理小説ではなく、横道にズレたやや実験的でアンチミステリ的な小説が選ばれたようだ。
 
 
 審査というのは残酷だと思い知らされるのは最佳新人賞(最優秀新人賞)を受賞した鯨川の《黄昏公園》の書評だ。ここには何故鯨川が優れていて猫特の《嫌疑人0的献身》がダメだったのか比較となるコメントが書かれていない。これじゃ読者も猫特も書評で挙げられている鯨川の長所がすべからく猫特の短所だと仮定して読まなければいけない。
 
 
 主催誌上では著名な作家の人気シリーズが最優秀賞に選ばれた今回の第1回華文推理グランプリ。現代ものではなく中国古典を題材にした作品の受賞に何らかの意図が感じられなくも無いが、第2回もおそらくあることだし新作を引っ提げてきた新人はこのまま小説を書き続けていってほしい。


 ただ中国人であれば誰でも応募可能な大会なので2回目も遠寧の《大唐狄公案》シリーズが受賞しちゃうかもしれないけど。
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