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プロフィール
HN:
栖鄭 椎(すてい しい)
年齢:
41
性別:
非公開
誕生日:
1983/06/25
職業:
契約社員
趣味:
ビルバク
自己紹介:
 24歳、独身。人形のルリと二人暮し。契約社員で素人作家。どうしてもっと人の心を動かすものを俺は書けないんだろう。いつも悩んでいる……ただの筋少ファン。



副管理人 阿井幸作(あい こうさく)

 28歳、独身。北京に在住している、怪談とラヴクラフトが好きな元留学生・現社会人。中国で面白い小説(特に推理と怪奇)がないかと探しているが難航中。

 Mail: yominuku★gmail.com
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このブログは、友達なんかは作らずに変な本ばかり読んでいた二人による文芸的なブログです。      
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 2010年にネットで連載を開始し、2014年に出版された同名小説を、番外編を加えて2019年に再出版したのが本書。新装版は表紙で耽美色を強調している。




 桐花中路にある私立協済医院へ歯の治療に来た孫正(表紙右側)は、そこで大学時代の友人・路遐(表紙左側)と偶然再会する。この病院の院長が路遐の叔父だと聞き、世間話をしていたところ突然停電が起き、病院内にいた他の患者も看護師の姿も消えてしまう。路遐によれば、都市には拭い去ることのできない罪と呪いが渦巻いており、それらが集まる場所が「穴」となり、自分たちはその「穴」に落ちてしまったのだという。2人がいる場所は過去の病院で、各病室や部屋では以前起きた怪異が再現される。2人は無人の院内を探索しながら、過去に関係者が残したファイルなどを手掛かりに怪異の原因を解き明かし、行方不明になった路遐の兄たちの足跡を追い、病院から抜け出そうとする。




 物語が始まって4ページでいきなり事件に巻き込まれるというスピード感はもちろん、特殊な能力に頼らず、手掛かりを集めて怪異の正体やそれが起きる原因を調べ上げ、そしてまた新たな怪異に遭遇するという展開は、まるでフリーホラーゲームの小説を読んでいるかのように感じた。


 関係者が残した書類には、当時の状況が会話さえも詳細に記録されており、なんで書類が小説形式になってるんだよというツッコミもあるし、路遐の兄が残した数々のテープの会話内容もまたご都合主義的だなと思うが、それでも孫正と路遐のたった2人だけで全編が進むところは評価したい。


 中盤に以前病院にいた関係者によって「穴」から呼び出されたこの世のものではない存在「它(それ)」が出てきて、これが怪異の中心となって2人を脅かす。この「它(それ)」とはおそらく、あの有名ホラー映画『IT/イット』のオマージュだろう。


 表紙からも感じるが、本書は中国で腐向けホラーとして人気を集めたようだ。確かに孫正と路遐は久々に会ったにしては単なる友人とは思えない近い距離感で、スキンシップも多い。だが、特に直接的な描写はないので、そこまで耽美か?という印象を受ける。想像の余地が多いのかもしれないが、男同士なら腐向けとして扱われるのがちょっと悲しくもある。


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