中国のオタニュース、というか日本のアニメや漫画に対する中国人オタクの反応が見られる動画サイトに気になるスレッドがありました。
日本のクソオタ!その天朝(中華人民共和国のネット用語)娘を放せ!
日本人のオタクが中国人の可愛い女の子と付き合っているコスプレ写真でも掲載してるのかなと思ってクリックしたら、出て来たのが小林尽の新連載漫画『一路平安』です。
小林尽と言えば代表作の『スクールランブル』と『夏のあらし』がアニメ化されてyoukuとかにもアップされているので、中国でも比較的知られている漫画家でしょう。
その作者の新連載漫画に登場するヒロインが中国人の女の子ってところが中国人のクソオタたちの目に止まったようです。
主人公の日本人の少年は当然中国語を話せませんし、この女の子は日本語が上手くなさそうです。
ここでは女の子の台詞の上にピンインと四声(アルファベット上のマーク)が書かれていますが、原文では日本語のルビが振られているんでしょうか。
そして主人公が力を借りるのがアニメ動画の中国語字幕。必死に記憶を辿って今の状況に適した中国語の台詞をサラッと言ってのけます。(これ原文でも流暢な中国語を喋っているんですか?)
・中国人の反応
スレッドのタイトルと相反して掲示板のコメントは穏やかなもので、作品への悪口は見当たりません。ヒロインがスクランの八雲そっくりじゃねぇか、とか、スクランのラスト返せよ、とか、播磨と八雲を返せよ小林バカ、とかばかりでオマエラもうスクールランブルは終わったんだから蒸し返すなよ。
じゃあ百度の掲示板ならどうかと覗いてみたらという不穏なタイトルのスレが立っています。おいおい百度じゃけっこう叩かれているのかとスレッドを開いたら2008年7月付けの投稿で、スクールランブルをあんなラストにしやがってよぉという恨み言が書かれていました。
スクランのラストってそんなに酷かったのか…?
・ 個人的感想
言葉の壁を破壊するために主人公が頼ったのが、中国人がネットにアップしたアニメ動画っていうのがとても面白く親近感が沸きます。中国人がアニメや漫画を通じて日本語を学ぶ光景はもうありふれたものになりましたが、日本人だってそれらに付けられた中国語字幕を見て、なるほどここの日本語はこう訳すんだと勉強することもあります。
もちろん字幕は信用できない翻訳を元にしていることがあるので、誤訳なんか多々あるわけですけど。
・理由をつけてみる
ただし、この掲示板でも突っ込まれていますが、文字を見ただけであの難しい中国語の発音まで学び取ることは不可能です。アニメの字幕文から中国人に通用する中国語を話せるこの主人公はきっとただ者ではありません。
しかし、このぐらいのフィクションを気にしていたら漫画は楽しめないでしょう。『クロサギ』の黒崎君なんかいつの間にか中国語を話せるようになって上海の詐欺師をはめてますし。
あと、外国人と話し慣れている中国人ってこっちの中国語の発音が多少デタラメでも、だいたいこんなことを言いたいのだなと意味を理解してくれますから、このヒロインがとっても気が利く人って解釈もできなくもないです。
・予想
今後は主人公が誤訳を喋ったり、とんでもねぇ意訳を口走ってヒロインに迷惑をかけたりするんでしょうか。
そして中国人読者は漫画に登場した中国語台詞の元ネタ探しとかに励むんでしょうかね。1話を見る限りでは、主人公が借りた台詞は最近のアニメから持ってきたものではないようなので苦労しそうですし、そもそも掲示板ではそこらへんのこと全然触れられていませんけど。