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プロフィール
HN:
栖鄭 椎(すてい しい)
年齢:
34
性別:
非公開
誕生日:
1983/06/25
職業:
契約社員
趣味:
ビルバク
自己紹介:
 24歳、独身。人形のルリと二人暮し。契約社員で素人作家。どうしてもっと人の心を動かすものを俺は書けないんだろう。いつも悩んでいる……ただの筋少ファン。



副管理人 阿井幸作(あい こうさく)

 28歳、独身。北京に在住している、怪談とラヴクラフトが好きな元留学生・現社会人。中国で面白い小説(特に推理と怪奇)がないかと探しているが難航中。

 Mail: yominuku★gmail.com
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このブログは、友達なんかは作らずに変な本ばかり読んでいた二人による文芸的なブログです。      
その人の漫画を始めて読んだのは高校三年生の頃だったか。ずっと昔から親の本棚にあるのに、歩み寄っていると思われるのが恥ずかしく興味を持たないようにした。

しかし読んでみると、その四コマ漫画にはまってしまった。青年誌掲載で不条理や哲学がテーマの学生が理解するには難解すぎたが、つまらないとは思わなかった。きっと自分の読解能力が足りないのだろうと、辞書を引き、漫画のネタになった専門書に手を出したこともある。
四コマ漫画の癖に20巻ほどの単行本が出ていたがすぐに読み終えた。

物足りなくなり、その作者が描いた別の漫画も全部読んだ。

新刊が読みたくてたまらず、親の代わりに本屋で買っていた。

大学に入学すると帰省するたびに本棚から単行本をかっさらい、全てに目を通した。一度読んでいる内容に新しい笑いを発見した。例え読者に理解させないよう描いた漫画でも、何度も読み返すと作者の意図がわかるようになり誤解が解かれていった。不条理な四コママンガは徐々に難解ではなくなった。

せっかく初期作品を理解できるほどの年齢になったのに、作家の方は新しい読者に受けようと、初期作品に存在していた作者の描いても書いても充ちぬ自己満足の慢性的な欠乏感がなくなり、良い意味で言えば洗練され、古くからの読者が見ればきっと物足りない内容になってしまった。四コママンガも不条理系ではなく、作者が実際に見聞きしたことをネタにする実録系になっていった。

大学を卒業する頃になると、雑誌上にこの作者が連載している漫画を見つけることが難しくなった。新刊を買うと初期シリーズにあった読者に漫画の面白さを半ば強迫的に訴えかけるクドクドしさが復活していて、ページを透かして裏から見ると歪みに歪みまくっていた絵柄は見やすくなっていた。

だが、この読みやすさは果たして求めていたものだったのか。そもそも、読みづらくて誰かを頼りたくなるような難しい内容だったから自分は好きになったんじゃないだろうか。

その後もその作者は掲載誌を転々として細々と漫画を描き続けた。ボクは逃亡犯のような彼を追い続けるのに疲れてしまった。彼の噂はごく稀に耳に入ったが、予想を裏切るグッドニュースは一つもなかった。

その作者は萌え四コマとは対をなす、ネタ重視の漫画家だったからその凋落を見るに忍びなかった。


興味を失った作家の今後
なんか見ない方が良いだろう。だが彼がホームページを運営しているとの噂を聞いて、少しばかり残酷な読者心理を見せてそのサイトを覗いてしまったのだ。

日記と刊行情報を主とするサイトのBBSはファンとの交流場所になっていて、管理人である漫画家は丁寧に返信をしていた。日記は趣味のこともあれば、昨今の漫画業界に対する怒りや期待を綴っていた。

しかし、読者であったボクは思った。
ホームページにクドクド書くぐらいなら、それを漫画にしろよ。第一線から遠退き漫画を売れなくなった人間なんてブログぐらいしか意見を表明できないのか。

漫画家なら漫画で表現してくれ。

ネットがない時代、消えた漫画家のいまを知るのは大変難しかったし、彼らも漫画以外で自己を主張する術を持っていなかった。だから『消えた漫画家』なんていう珍奇な特集本に価値があった。

しかし現在、力を無くした漫画家が読者の前から消えることは大変難しい。ネットに拠点を移し再起を図っている人間もいるだろうが、しかし読者はそこに現役を退いたロートルの悲哀と新しく生まれてくるものへの嫉妬を感じる。

ネットのおかげで読者は作家との距離をだいぶ縮めたが、『ただの人』になってしまった作家たちの老醜とも呼ぶべき姿を目撃することになる。

今回帰省して本棚の奥の方に突っ込まれた漫画を再び手にとって読んだ。漫画以外に自己表現の場所がないと打ち込んでいる作者の鬱憤や不満が詰まっている初期作に、高校生の頃よりも面白さを感じた。そして、現在はネットが一番の情報発信の場所にしている作者のことを思うと、それ自体が自虐ネタに見えてくるのである。



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Web漫画
しゃおりん URL
「漫画onWeb」の佐藤秀峰先生って1973年生まれだったんですね、関係ありませんが。。。^^;

今はでも、出版不況で漫画家さんも大変みたい。不条理四コママンガの先生のことはよくわかりませんが、きっといろいろ昨今の漫画業界に対して、いいたいことがあるのでしょう。

でもおっしゃる通り、ファンとしては好きな漫画家には漫画を描き続けて欲しいですよね。Web漫画だっていいんじゃないの?と思います。
無題
阿井 URL
また別の漫画家の話ですが、ブログで自分が描いた漫画原稿を売ることを発表して読者に衝撃を与えましたね。
ボク個人のわがままな意見を言えば、漫画家には漫画家以外の顔を見せてほしくないんですよね。少年の頃の思い出が汚されるような気がして。

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