春節の長期休暇が終わりました。ずーーーっと北京にいて何事もなく過ぎていきました。初日で飛行機のチケット買い忘れたことを後悔しましたよ。しかし楽しみがなかったわけじゃない。
帰国した友人が買ってきてくれる角川ホラー文庫はなんなんだろうなぁと胸を弾ませていましたよ。
「いやーゴメン阿井さん、ホラーコーナーに入るのも怖くて一冊しか買えなかったよー」
いきなり出鼻をくじかれる。
「でも安心してください。メチャクチャ怖い本買って来ましたから」
と書店のカバーの着いた文庫本をボクに差し出す。否応なしに期待が膨らむ。
メチャクチャ怖いってそんなハードルあげてオレを煽るなんて恐ろしい子。いったい何を買ってきたんだ?
グロ系?サイコ系?オーソドックスな怪談?
もしかして洋物?映画化もするっていう隣の家の少女とか?
もう笑みを隠し切れずカバーをはぎ取ったボクの目に飛び込んできたものは
飛び込んできたものは……
オレほんと、この子が男だったらぶっ飛ばしてやろうと思ったよ(最悪)
なんで数多ある角川ホラー文庫の中からよりによってコレ買って来るんだよ?!
しかもオレ、09年後半から10年に出版されたものって指定したじゃねぇか!でもこれ山田作品で言えば初期じゃねぇか!!
ということはおくびにも出さず、ビタースマイルフェイスを浮かべながら本をパラパラめくっていたら、
ああ確かに09年に出てるわこの本、重版でな!!
「阿井さん、今日は徹夜なんじゃないですか?」
「明日阿井さんがクマ作ってきたら責任感じちゃうなぁー」
と自分のしたことを良いことだと疑わない笑顔がボクに迫ってきます。ココまで来れば無知を装った故意とすら思います。
「ほんとに怖い思いしたんですからね」ニコ(*^_^*)ニコ
なんということでしょう。苦労自慢が始まってしまいました。『ありがとう』という暖かい言葉を強要されています。
もしも彼女が男だったら、さんざん罵倒してページを一枚一枚食べさせようと思うんですけど、
そこはボクも大人なので、スマイルから苦味をできるだけ取り除いた顔で『ありがとうございました』と言ってやりましたよ。
ここまで書いて、人が怖い思いをしてまで買ってきてくれたっていうのに、うわーオレほんと最低だなぁと実感しました。
しっかしこの本どうしよう。
いくら活字に餓えているからとはいえ、ゴミは喰えないしなぁ。かと言って捨てるわけにもいかないし。
北京で山田悠介を持ってるのってもしかしたらボクだけなんじゃないかなぁ。と考えたらちょっとだけ気分が良くなる。
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