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プロフィール
HN:
栖鄭 椎(すてい しい)
年齢:
40
性別:
非公開
誕生日:
1983/06/25
職業:
契約社員
趣味:
ビルバク
自己紹介:
 24歳、独身。人形のルリと二人暮し。契約社員で素人作家。どうしてもっと人の心を動かすものを俺は書けないんだろう。いつも悩んでいる……ただの筋少ファン。



副管理人 阿井幸作(あい こうさく)

 28歳、独身。北京に在住している、怪談とラヴクラフトが好きな元留学生・現社会人。中国で面白い小説(特に推理と怪奇)がないかと探しているが難航中。

 Mail: yominuku★gmail.com
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このブログは、友達なんかは作らずに変な本ばかり読んでいた二人による文芸的なブログです。      
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 人形軟件(humanoid software) 01霊魂上載
 
 注:軟件…ソフトウェア
 上載…アップロード
 

 本書は首届(注:第1回)全球華語科幻星雲賞最佳長篇小説賞に輝き、劉慈欣韓松倪匡ら中国で著名なSF作家の支持を受けた作品だが、正直な話をすると内容よりも表紙に惹かれてジャケ買いをした。
 

 本書は香港人作家譚剣により2010年に香港で発表され、翌2011年には中国大陸でも出版されたSF小説だ。つまり繁体字版(香港・台湾版)と簡体字版(大陸版)があるわけだが、私はその繁体字版の表紙に魅せられてしまった。
 
 renxingruanjian.jpg
 
 だから本当はこの香港版が欲しかったのだが、私は繁体字なんか読めないし、何より香港版を購入する手段がわからなかったので、妥協してアマゾンで大陸版を買った。

 renxingruanjian1.jpg
 
 大陸版の表紙も悪くはない。壁に寄りかかる男性の体には青い光の筋が点滅して走っている。彼の背後に鏡写しに見える白いシャツを着た平凡な姿の男性は影が薄く、この世に存在していないようだ。大陸版は大陸版で本書の特徴を上手く表しているのだが、やはり香港版のこのアナログかハイテクかわからないサイバーパンク的なジャケットの方が面白そうな中身に見えてしまう。
 

 中国大陸の読書家が海外作品を語る際、大陸版と台湾・香港版の表紙を比較して大陸版はやっぱりダサいと自嘲することがあるが、まさか自分まで大陸の人間と一緒に向こうの世界を羨むことになるとは思わなかった。

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 zhongjibaozha.jpg

 本書は中国ファンタジー小説界の最高の栄誉とされる銀河賞を1993年から6年連続受賞したベテランSF作家王晋康の最新短篇集だ。表題作の【終極爆炸】は2006年度第18回銀河賞で傑出賞を受賞している。

wikipedia:銀河賞(中国語)
wikipedia:王晋康(日本語)
百度百科:王晋康
 
 
 本書に収録されている小説は【一生的故事】、【可愛的機器犬】、【決戦美杜莎】、【時空商人】、【終極爆炸】、【有関時空旅行的馬龍定律】、【我們向何処去】、【新安魂曲】の8編だ。ここでいくつかの短編を取り上げて紹介してみる。
 
 
 【一生的故事】は映画ターミネーターを思わせる恋愛小説。30歳の独身女性SF小説家のもとに300年後の未来から美青年がやって来る。彼が生まれた300年後の世界は『大媽媽』(ビッグマザー)と呼ばれるコンピュータに管理され、何事にも不自由しない未来社会となっていた。だが機械に支配される社会に反対する者も少なくない。彼は自分たちの世界の基礎を創ることになる女性作家の子供を殺して未来を変えるために過去へやって来たのだ。

 本作には2人の母親が登場する。人間に奉仕するコンピュータとして自分を滅ぼそうとしている人間を律儀に過去へ送る『大媽媽』と、美青年の計画の全てを知ってもなお彼と恋に落ち、彼の子供を身ごもる女性作家だ。

 物語終盤、子供を身篭った女性作家は『大媽媽』が人間に対して見せる優しさの裏側に気付く。大きく膨らむ自分のお腹を見て、過去にいる自分すら『大媽媽』の支配下にあるのではと女性作家が恐怖するシーンは、決して本心を見ることができないコンピュータへの不信感と自分の胎内にいるものの正体に怯える妊婦の心理を表している。
しかし手塚治虫の【火の鳥】しかり、未来社会をデストピアにするのは何故いつも女性型AIなのだろうか。
 

 
 wuyexiaoshuohui.jpg


 11月11日の光棍節に中国で新たな雑誌が生まれた。その名も【午夜小説絵】。一般的な雑誌よりも挿絵に重点を置いた小説誌である。発行元は【歳月推理】と【推理世界】の2つのミステリ雑誌を出版している歳月文学雑誌社だ。

 【午夜】とは真夜中という意味を指す中国語である。ちなみに日本の有名なホラー映画『リング』は中国語で【午夜凶鈴】と言う。
 

 【午夜】という言葉を冠していることからもわかるように、本書の内容はホラー寄りである。本業のミステリとは似て非なるジャンルを挑戦したにも関わらず、歳月文学雑誌社は非常に豪華な作家陣を持ってきた。


 【鬼吹灯】の作者天下覇唱と【盗墓筆記】の作者南派三叔という盗墓小説の2大看板を惜しげもなく起用するあたりに雑誌社の意気込みが伺える。
 
 
 盗墓小説とは冒険小説や秘境探検小説のようなジャンルであり、誤解を恐れずに言うとインディー・ジョーンズやハムナプトラみたいな内容である。天下覇唱と南派三叔はそのジャンルを築き上げた立役者であり、中国小説界全体で人気を誇るベストセラー作家と言っても差し支えないだろう。
 


南派三叔
nanpai.jpg
コラしたい写真。
この角度はちょっと許されない。 

 
 中国のネット上で生を受けた都市伝説やネットロアの一部は、日本の都市伝説や怪談に影響を強く受けているとしか見えません。

それは人から人、メディアからメディアの伝播によって原話が変貌して中国社会に根差すような都市伝説になったのかもしれません。

もしくは日本の『タクシー幽霊』とアメリカの『消えたヒッチハイカー』のように偶然にも内容が酷似しているだけなのかもしれません。

 

しかし既に話を知っている身としましては、前述の『紅いチョッキ』はやはり稲川淳二先生の『赤い半纏』の焼き直しとしか思えません。そのような視点で再び中国の都市伝説を調べてみますと、日本の都市伝説や怪談、そして2chのオカルト板発祥の怖い話が原型と思われる話が他にも見当たります。

 

例えば

 

・何を見たかわかった

 (参照:我知道儞看見什麼

古い女子寮に住む2人の女生徒が首吊り自殺者の出た部屋まで肝試しに行く。しかしその部屋には鍵がかかっていて扉が開かない。そこで1人が鍵穴から部屋を覗いてみたが、中は血のように真っ赤で何も見えない。

「なんでこんなに赤いの?

彼女の呟きを聞いたもう1人の女生徒がその場に崩れ落ちた。そして真っ青な唇を震わせてこう言った。

「先輩が言ってたんだけど、その首吊り自殺をした女の子って、死んだとき目が真っ赤に染まっていたんだって」

 


 

これはネットの有名な怖い話『赤い部屋』に似ていますね。

 

日本の話だと、気になる女性が住んでいる部屋の扉のドアスコープを覗いた、または壁に空いた穴から隣の部屋を覗いたら、真っ赤で何も見えなかった。後日調べてみると、その人は眼病を患っていて目が血のように真っ赤だったことがわかった。という筋立てになっています。

 

見ているコッチが実は見られていた。恐怖が1拍子遅れてやってくる怖い話です。

 

 

 

またこんな話もあります。

 

  百度で『都市伝説』と検索してみると百度百科の『都市伝説』の項がトップに出て来ます。

 

(参照:都市伝説・百度百科

 

ページを見ると台湾や香港の他に中国大陸に存在する都市伝説が列挙されています。この単語もとっくの昔に中国語に馴染んだようです。

 

では北京に都市伝説はないのかと再び百度で調べたら、その名もまさに『北京的都市伝説』といううってつけの掲示板がヒットしました。

 (参照:北京的都市伝説

50近くあるのでボクが気に入ったものだけ訳して紹介してみたい。下手な日本語訳なのはご容赦願いたいです。

 

 

1故宮

 gugong.jpg

みんなも知っている通り故宮って実は一部分しか開放していなくて、大部分は閉鎖されている。具体的な原因は誰もはっきりとは説明できない。けれど噂では解放(注:1949年の中華人民共和国成立のことか)されたばかりのとき、故宮博物館を夜中巡回している警備員がいつも奇妙な動物を目撃していたらしい。ネズミのようだけどとても大きく、豚のようだが恐ろしく速い。人が言うには皇族が東西宮の鎮宮で飼っていた獣らしい。

その後多くの人間がこれを捕まえようとしたが、60年以上が経った今でも、見た人間ばかり増えるだけでまだ誰も捕まえられていない。考えてみれば不思議だ。

  


いかんせん故宮は一度も観光したことがないので、その大部分が閉鎖されているとは知らなかったです。

ネズミや豚に似ているということはきっとありきたりな姿をしているのでしょう。ですが正体不明の奇怪な動物が今も故宮に暮らしていると考えると、改めて故宮の広さに思いを馳せます。

先日故宮博物館で間抜けな盗難事件が起きたときも、きっと警備員は泥棒をその動物だと勘違いして見逃してしまったんでしょう。 

 故宮にはこの話の他に数多くの異変が起きたと言います。


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