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HN:
栖鄭 椎(すてい しい)
年齢:
40
性別:
非公開
誕生日:
1983/06/25
職業:
契約社員
趣味:
ビルバク
自己紹介:
 24歳、独身。人形のルリと二人暮し。契約社員で素人作家。どうしてもっと人の心を動かすものを俺は書けないんだろう。いつも悩んでいる……ただの筋少ファン。



副管理人 阿井幸作(あい こうさく)

 28歳、独身。北京に在住している、怪談とラヴクラフトが好きな元留学生・現社会人。中国で面白い小説(特に推理と怪奇)がないかと探しているが難航中。

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 中国のアマゾンにおすすめされた漫画本。第一印象で面白そうだと思った作品が実は日本の書籍の翻訳版だったというガッカリを今まで何度も味わってきた身として変わったタイトルで『rakugaki』という作者の名前にまた日本の本かと期待していなかっただけに、良い作品に出会えた喜びもひとしおだ。


 本作の主人公は2人。1人目は兄貴とその親友のカップリングを作るぐらい腐っている妹と、もと同人作家の母親と非オタクの父親がいる裕福な家庭で暮らす楊唯(読みはYang wei)という非オタクの男子高生。2人目は両親の馴れ初めがコスプレイベントというオタク家庭に暮らし、周りにはオタクであることを隠している佟琪(読みはTong qi)という女子高生。

  
左が楊唯、右が佟琪


 発端は楊唯が妹の楊依が描いた自分とその親友の石葉のカップリングイラストを発見することから始まる。しかし叱りに来たはずの母親は娘に対し「石葉は誘い受けじゃなくて健気受けでしょう」と楊唯には全く理解できないことを言い、彼は尚更混乱する。翌日、楊唯は隣の席の佟琪に純粋な好奇心から「健気受けってなに?」と聞き彼女を狼狽させる。その後もいろいろあって楊唯は佟琪に彼女以上の秘密を持っていると誤解されたまま彼女と友好を深めようとする。



 娘にカップリングを説く母親


 この作品の見所は親のオタク趣味が子供に影響するという点だろう。本書の本来のタイトルが『宅腐2代』(オタクと腐女子の子供)ということもあり、主人公二人の親もまた主役であるべきだ。それを表すかのように、作中では親が大学生だった頃の話が挿入される。中でも私が衝撃を受けたのはこの話だ。

   

 これは佟琪の父親が大学生だったときに参加した同人誌即売会で隣にいた人気同人作家が楊唯の母親だったというエピソードなのだが、注目して欲しいのは「それは今から20数年前のCB10動漫イベント」という文章の下で佟琪の父親が着ているSOS団のTシャツだ。

 (CB10の意味は不明。第10回コスプレ・○○イベントという意味だろう)
 

 これを見たとき「えっ?!ハルヒってもう放送から20年経ってるの?」と怖くなったが、『涼宮ハルヒの憂鬱』のアニメは2006年に放映されているのでハルヒ放送から20年後となると2020年代後半となる。作者は巻末で各キャラの設定を身長から血液型まで考えているのでこの時代設定が単なるミスとは思えない。そこから考えるとこの漫画は敢えて近未来を舞台にしていると理解できる。

(中国で血液型は日本ほど重要視されない。)


 遠藤誉の『中国動漫新人類』によれば中国では2000年頃からコスプレ現象が爆発的に流行したとある。そして私が留学していた2007年にも北京の大学構内でコスプレイベントが開催され、少量だが同人誌(健全)も売られていた。2000年代後半にオタク学生だった中国人もその20年後の2020年代には40歳代となり、子供がいれば楊唯や佟琪の年になっているだろう。


 漫画では楊唯の母親が息子からシンジとカオルをイメージした2本1組のエヴァ香水をもらって喜んだり、娘の楊依に漫画の描き方を教えたりしてアニメや漫画が親子のコミュニケーションを円滑にしている。一方、父親が昔女装コスプレイヤーであったという佟琪も小さい頃は六花(中二病でも恋がしたい!のキャラ)のコスプレをして友達にドン引きされたという過去が描かれている。

 

 初音ミクが母親で戦場ヶ原ひたぎが父親


 この漫画に描かれている親子二代に渡るオタクコミュニケーションって、現在30代でもう結婚して子供もいる元オタク学生の家庭に将来訪れる未来なんじゃないだろうかと思う。

 2巻では『家長会』(生徒の親が学校に来て教育に関する説明を受ける保護者会)で楊唯や佟琪の親が接触することになるようだが、今後は親を巻き込んでオタク家庭同士が交流していくのかが期待だ。


作者のマイクロブログアカウント:落書KI
作品のマイクロブログアカウント:宅腐2代



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