先日、幼いころから憧れていた『鉄鍋のジャン!』の『食べるラー油』をここ中国で再現しました。しかし、一番楽だと思った材料の調達に手間取るとは思いませんでし。
・唐辛子粉
このラー油には普通の唐辛子粉(一味唐辛子)とキムチ用の唐辛子粉の2種類を使用します。普通の唐辛子粉は中国のどこでも入手できますが、キムチ用となると一般のスーパーではまず見かけません。そこで留学生の街・五道口にある韓国食材専門店で購入しました。
韓国産唐辛子粉ならさらに良かったのですがそれだとだいぶ費用がかかってしまうため、中国産で済ませました。
写真右のサラサラしている方がキムチ用唐辛子粉です。写真左は葱と生姜です。
・香辛料
手前が陳皮、左の丸まった八つ橋みたいなものが桂皮、右が八角、後ろのつぶつぶが花椒。
スーパーに陳皮がなく市場でまとめて購入しました。思えば一般的な中華料理には陳皮はあまり使わないのでスーパーでも取り扱っていないのでしょう。
後日、漢方に詳しい友人にこの話をしたところ、漢方薬店で生薬として売られている陳皮を買えば良かったのにと言われて眼から鱗が落ちました。
・酒
桂花陳酒。
これも近所のスーパーには売っておらず北京の『イオン』で購入しました。
・油
原作では『白絞油』となっていましたが、家で常用している稲米油(お米の油)を使用しました。(香辛料の写真の左側)
・下準備
まずは香辛料を入れた油を80度まで加熱させて冷まし、また加熱するという行程を3回繰り返し、一晩寝かします。
熱せられた油から柑橘系のいい匂いがします。花椒の清冽な香りもしてきましたが、桂皮の匂いが全然感じられなかったのが意外でした。
・本番
2種類の唐辛子粉をボウルに入れて桂花陳酒で練ります。
この作業は唐辛子粉に香りを付けるためだと思っていたのですが、熱した油を入れた時に唐辛子粉が焦げないようにする処置のようです。
ちょっとお酒を入れすぎたのかコチュジャンみたいな感じになってしまいました。
葱と生姜を入れて油をじっくり熱します。材料から泡が出始め、油の色が徐々に黄金色になってきました。そして30分ほど加熱して油の温度が200度になったら、油をお玉ですくって唐辛子粉にかけます。
と言っても私は揚げ物用温度計を持っていないので感覚で大体200度になったなと思ったら唐辛子粉を混ぜ合わせました。
レシピによれば油を注いだ後に唐辛子粉からゲップ(気泡)が出るとのことですがいくら待っても出てきませんでした。
・完成品?
このラー油は原作ではスカーレットと形容されていましたが、確かに市販のラー油よりも色が濃かったです。(写真左が市販品で右が自家製品です)
味はと言えば通常のラー油より味が強くこってりしていました。風味の奥に辛さが隠れていると言った感じでしょうか。『飲めるラー油』の正体は一般のラー油よりも味が濃厚なために辛さを感じづらいラー油なのかもしれません。
しかしゲップが出ていないために今回のラー油作りは成功とは言えないでしょう。その一方、ゲップありとゲップなしで味にどれほどの違いがあるのかがわからず、失敗作とも言いづらいです。
・反省点
1. レシピを重視するならば稲米油よりもまずは大豆油で作るべきでした。
2. ゲップが出なかったのは油の温度が低かったからだと推測。今度は温度計を使って200度を測るか、もしくは唐辛子粉に投入する前に火を大きくして温度を上げる必要があります。
3. 中国産のキムチ用唐辛子粉が果たしてどれほどの品質を持っているのかが不明でした。確かに一般の唐辛子粉と比べて辛くはなかったのですが、本物のキムチ用唐辛子粉を知らないのでもしかしたら結構辛いのかもしれません。
4. これは味とはあまり関係ありませんが、陳皮などを一回洗って付着している汚れなどを取るべきでした。油に黒い粉が残っていてちょっと丁寧さが足りなかったなと思います。
ちなみに自家製ラー油で作った飲めるラー油炒飯は後を引く辛さでなかなか美味かったです。
市場で香辛料を余分に買ってきたので再チャレンジしたいと思います。今度は一緒に買ったナツメグや羅漢果、龍眼なども加えてオリジナリティを出してみましょう。
(典型的な料理下手の行動)
近所の八百屋は一見どこにでもある冴えない果物屋だが品揃えがなかなかよろしい。
アフリカから空輸したというミニトマトを売っていたことがある。食べてみるとスーパーで売られているようなものとは皮の張りも色も甘さも段違いで、日本のミニトマトに引けを取らなかった。値段も定価の2倍以上したが美味いのでそれ以降見つけたらいまとめ買いするようにしている。
そしてこの八百屋は柑橘系に力を入れているようで、奇妙なみかんを何の説明もなく売っている。(そもそも中国の八百屋では品名や価格を表示しない)
この果物は今年1月に買ったものだが、金柑らしい外見とは裏腹に味も食べ方も異なっていた。
直径4センチ程度の果物には柑橘系の皮にあるような斑点状の模様がなかった。皮は指で剥ける硬さなのだがその感触は洋なしに似ている。表皮を向くと白い皮が見えるが、みかんの白い筋と同じように剥くことはできず、爪で削るかナイフで削ぎ取るしかなかった。
味の方はというと非常に淡白で酸味のかけらもなく、蜂蜜のような甘みを若干感じる。この微かな甘みが余計に金柑を想起させるのだが、この果物の隣に売られていたのが金柑だったので別種なのだろう。
あまりにも不思議な味だったので後日店員になんて名前か聞いたのだが、発音だけ聞いても漢字が想起できず百度でそれらしい漢字表記を打ち込んでみたのだが結局ヒットしなかった。そして探すことを諦めて名前の方もすっかり忘れてしまった。
先日買ったこれも目についたからついつい衝動買いしてしまった。なにせこんな毒々しい赤い色の果物など見たことはない。一応店員になんだこれはと聞いたんだが、「これは酸っぱいんだ」という答えしか得られなかった。
皮を剥くと硬い皮とは裏腹に果肉を包む薄皮は柔く、真っ赤な果汁がにじみ出る。なんと中まで赤かった。香川県には小原紅早生という赤いみかんがあるようだが、色の濃さではこちらの勝ちだろう。
輪切りにしてみると各房の外側だけが赤く、中身は普通のみかんと変わらない。
肝心の味はというとそこまで酸味はなく、房の薄皮が柔らかいグレープフルーツといった感じで美味であった。
近所の何でもない八百屋でも珍菓が手に入る。これが北京のいいところと言うべきか。食の危険が叫ばれる昨今、こうした不思議な食料を漁るのが私の娯楽の一つになっている。
中国は明日10月1日から10月7日まで国慶節長期休暇に入ります。この間は企業のみならずレストランも休みに入りますので、新疆料理を一旦食べ納めに来ました。
ウイグル人が経営している本来の新疆料理屋なら彼ら自身の文化に国慶節が関係無いため、北京にいようが店を閉めることはないのですが、私が現在住んでいる家の近所の新疆料理屋の店員がほぼ全員漢族なので通常通り休みを取りますので。
国慶節に入る直前に摂取した羊肉は以下のとおりです。
前菜 蒜泥羊頭肉(ニンニクと羊の頭の肉の和え物) 26元
羊に頭の肉を削ぎ、玉ねぎやピーマンなどと和えた冷菜。コリコリした触感が楽しめます。
あとは全部『串物』です
あの◯◯っていうお店、日本の有名店と同じ名前だけど全然関係ないんだってね。という話はよく耳にするものの、そもそも日本の有名店に行ったことのない私はその噂を聞いても実際気にしたことはなかった。
例えば北京で有名な日本式のトンコツラーメン屋『無敵家』は池袋の『無敵家』と名前が同じであるがそれ以外に関係性はなく、日本の有名焼肉店『鶴一』と同じ名前の焼肉屋だって実際には日本の本店と何の関係もないようだ。
こっちに暮らす人間としては、ニセモノであっても美味ければどうでもいいと思うのかあまり問題視しない。海賊版DVDを購入する際は「中国では本物を手に入れることが難しいから仕方ない」と若干の罪の意識を感じるものの、こういう店で食事をするときはそんな罪悪感すら浮かばない。
日本人の知らないところで日本の有名店と同じ名前のお店が北京にオープンし、日本人から評判を得ている。日本の有名焼肉店『叙々苑』の名前を真似た焼肉店『叙上苑』はまだ可愛い部類に入るだろう。
さて、今年7月に北京で日本から来た1軒のラーメン屋がオープンするはずだった。「はずだった」と言うのはこの店、プレオープン後にいきなり休業して今日に至るまで再開する気配がないからだ。
その店の名は『豚旨 うま屋ラーメン』。日本の愛知県に本店を構え、中部地方にチェーン展開を続けているとんこつしょうゆラーメンとチャーハンが自慢のラーメン屋だ。
この店がオープンすると知ったのは北京で日本人向けに発行されているフリーペーパーの新店舗紹介を読んだからで、フリーペーパー各紙には愛知県の『豚旨 うま屋ラーメン』の支店であるという旨の宣伝文が書かれていた。
フリーペーパー誌『コンシェルジュ』や『ウェネバー』のウェブサイトを見ると、確かに『愛知県発祥、上海でも評判を博した話題のラーメン店がついに北京に登場!』とある。
コンシェルジュ ちゃいなび北京
http://www.chainavi.cn/beijing/user.html?sid=22241715
ウェネバー北京
http://whenever-online.com/store/bj_store/bj_gourmet/1928.html
しかし、私が既にオープンしているはずの7月初めに行ったところ、プレオープンの貼り紙が貼っているというのに店は開いておらず、そればかりか店内の様子は準備中というよりも閉店のようだった。
この店と同グループであるはずのカレー屋とケーキ屋も同様に閉まっており、それ以降もちょくちょく様子を見に行ったが開店する気配はなかった。