中国は明日10月1日から10月7日まで国慶節長期休暇に入ります。この間は企業のみならずレストランも休みに入りますので、新疆料理を一旦食べ納めに来ました。
ウイグル人が経営している本来の新疆料理屋なら彼ら自身の文化に国慶節が関係無いため、北京にいようが店を閉めることはないのですが、私が現在住んでいる家の近所の新疆料理屋の店員がほぼ全員漢族なので通常通り休みを取りますので。
国慶節に入る直前に摂取した羊肉は以下のとおりです。
前菜 蒜泥羊頭肉(ニンニクと羊の頭の肉の和え物) 26元
羊に頭の肉を削ぎ、玉ねぎやピーマンなどと和えた冷菜。コリコリした触感が楽しめます。
あとは全部『串物』です
おそらく中国で一番ポピュラーな羊肉料理。新疆料理屋だけではなく、一般の食堂や飲み屋でも売られている。
香辛料を振りかけた羊肉を串で焼くだけのシンプルな料理だ。
私が北京に来た2007年のときは1串0.5元~1元ぐらいの価格だったが、この店では1串4元で売っている。しかし肉は一般に売られているものより大きい。
中国ではこの羊肉串が実はネズミの肉ではないかという都市伝説が昔からまことしやかに囁かれ、実際今年には露店の羊肉串の一部が羊以外の肉を使用しているというニュースが流れた。
なので私はこのサイズと値段は安心を売っている価格であると考えている。
羊肝(羊のレバーの串焼き) 1串4元
一口サイズに切った内臓を串に差して香辛料を振りかけて焼く。淡白な味にインパクトを出すためか、どちらの串にも羊の脂肪が付け足されている。ハツはシャキシャキしており血の味が楽しめる。バーはしっとりして牛肉よりもクセが強く、豚レバーよりアッサリしている。
小羊排(羊のミニスペアリブ) 1串18元
スペアリブの串焼き。普通の羊肉串より肉質が柔らかく滋味がある。ただこれ1本に18元も出すのなら、羊肉串を頼んだほうがいいと思う。
腰子(羊の腎臓の串焼き) 1串20元
腎臓を二つに割って串に差して焼いただけで味付けは他の串焼きと変わらない。おそらく鮮度が一番試される羊肉料理。鮮度が悪いとパッサパサでアンモニア臭が漂う肉を味わうことになるので、こればかりは信用できる店で食べるに限る。
留学生時代に行きつけだった新疆料理屋では確か1串10元ぐらいで出していたと思うが、いつの間にかこんな値段にまで跳ね上がった…なので不味い物に当たると死ぬほど後悔する。
私の友人は腎臓の周りに付いている脂を取ってから食べるが、私は脂肪と一緒に食べる派である。
これら新疆料理はみなビールのお供に最適だ。
しかし新疆は回族、つまりムスリムの土地である。ウイグル人が中国で経営しているお店でも客のためにビールや白酒を用意しているが、店員の彼らは飲酒をしない。だからビールの代わりにナンを食う。
羊の串焼きを食べるたびに私は、何故こんな料理があるのに酒を我慢出来たんだとウイグル人の忍耐力の強さに敬意を抱きながら燕京ビール(北京生産のビール)の一番安い鮮啤(口偏に卑)をかっ食らうのである。