冬の季節に帰国したことだし久しぶりに札幌雪祭りを観に行った。
ボクが大学に在籍していた頃と比べて心なしか外国人観光客の数が増えているような気がした。とりわけ中国人(北京語を話さない団体)の姿が目についた。
札幌市の一大イベントには日本全国のみならず多様な文化圏から外国人が観光に来る。それを配慮してなのか雪祭り会場の入り口には『不愉快な行動を慎むように』云々の立て札が立てられていた。
しかし雪祭り会場である大通公園の一角は今年も北方領土返還の署名活動の場所になっていた。
この署名活動は毎年必ず、少なくともボクが札幌にいたときは毎回あったように記憶している。2月7日が北方領土の日となっているから雪祭りと日程が重なってしまうのだろうが、この日に近い日取りを選んで雪祭りが開催されているようにも思える。
北海道に生まれた身として北方領土問題は小さい頃から教わっていたし、返還運動も間近で見てきた。だから一通り署名活動の必要性も理解はしていると思うのだが、領土問題というデリケートな事柄をよりにもよって外国人が集まる祭の会場で想起させなくても…と雪の中署名を呼び掛ける彼らに非難じみた視線を送ってしまう。
雪祭り自体は期待に溢れた観光客の目に適うものばかりだった。しかし去年流行ったタレントやワンピースといったメジャーアニメの雪像に混じった初音ミク雪像が一般人にどういう受け取られ方をしているのかが不安だった。
毎年『ぷよぷよ』の雪像を展示している常連・チームびっくり魔導人間
雪祭り会場の入り口である大通公園1丁目の横断歩道付近に、プラカードを首にかけたルンペンみたいなオッサンが立っていた。プラカードには細かい文字がびっしり書かれており遠目からでは汚れにしか見えない。かろうじて断と雪という漢字が見えたので、てっきり札幌の除雪作業に文句を言っているのかと思ってオッサンの横を通り過ぎようとしたらプラカードには北方領土に関する文句が羅列していた。
会場には入れないこのオッサンと、大通公園の一区画を使っている団体に何の違いがあるのだろうかと考え、どっちも迷惑だという共通点しか見出せなかった。