柳の綿(柳絮)が舞う春の北京を取り留めもなく散歩してみた。
近所の川では陽光の下、太公望たちが釣りに興じていた。この川は夏の暑い日に悪臭を発することがあるのだが、この日は特に臭わなかったし、水面の色もどぎつい緑ではなかった。
彼らが食べるために釣っているのか、それとも観賞用に持って帰るのかはわからないがこの川にいる魚はどちらの用途にも不向きだと思う。
この日見ていた限りでは鮒のような小さい魚しか釣果はなかったが、去年の11月には鯉ぐらい大きな魚が釣り上がるのを見たことがあった。それを釣った老人は魚をタモに入れたまま岸から上がり、しばらく歩いたかと思うとせっかく釣った魚を歩道に置き、歩行者に向かって「1匹15元だよ」とたたき売りを始めた。
小汚い魚1匹しかなく、しかも仕入先がすぐにわかる露天に買いに来る客は一人もいないんだが、老人がお店を開いていた場所が1年前まで大きな市場があった跡地の前だったことが気になった。
まさか市場があった時はこの川で釣った魚をここに卸していたんじゃなかろうか。
今日釣れた魚は売り物にするには小さすぎたが、一番手前のオッサンが2匹目を釣り上げてもまだ糸を垂らしていたので、やはり食べるために釣っているのだとなんとなく思った。
その後は書店がひしめく書籍の卸売マーケットビルに行った。ここでは以前『涼宮ハルヒの驚愕』を買った。
面白い中国産ラノベはないのかと上記の書店以外もいろいろ探したのだが見つからなかった。しかしこのビルに入っている書店は店舗ごとに取り扱っている本の種類が異なるのだが、50にも上る店舗数がありそうなのにミステリ関係専門の書店が一つもないのが寂しい。
ここでの収穫はアマゾンや京東では回収され未だ再販の目処が立っていない天聞角川のライトノベルの一つ『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』がまだ売られていたのを確認できたことぐらいだ。
あとはこの統率のとれていない音楽のテキストだろう。
バスから見つけた亀おじさん。
通行人や停車している車に話しかけている。かなり大きな亀だが値段は一体いくらなんだろうか。そして食用として売っているのだろうか。気になるところだ。前述の魚1匹で露天を開いた老人のように、この亀もどこかから獲ってきた(盗ってきた)ものじゃあるまいか。
そして最後は高級デパートで見つけたお店。
これもう(何屋だか)わかんねぇな。
正体は上海生まれの有名な花屋らしい。このデパートには1ヶ月という期間限定で出店するようだ。
店をかなり回ったのにほとんど何の収穫もなかった。帰りに見つけたこのケーキ屋で何か買おうと思ったが怪しいので止めた。日本、台湾で20年以上の人気を持つ『ミスターアンドリューのチーズケーキ』と書いているが、日本でこんな店を聞いたことがなかったからだ。首都圏でのみ出店している店なのだろうか。(アンドリューのエッグタルトという店は見つかったが…)
この前偽物のチーズケーキ屋が北京で見つかったというニュースを聞いたので、これも昨今のチーズケーキブームに乗った胡散臭い店なんじゃないだろうか。