この日は12時に北京行きの高速鉄道を乗らなきゃいけなかった。10時過ぎに虹橋駅に着いたが、月曜日だというのにまぁまぁ人が混んでいました。写真を拡大させてみればわかりますが中央にいるのは全て人です。
高速鉄道でもお弁当が売られていますが高いのと日本の車内販売と比べると添乗員の歩くスピードが早くて捕まえられないので、駅内のすき家に行き温泉卵カレーセットを食べました。
そして12時から6時まで長い汽車の旅です。前の席の3人家族(祖父、母親、娘)がどうやら娘のチケットを買っていないらしく(何歳未満はチケット購入不要ということなのだろうか。不明)、女の子が始終立っていたのが気になったがそれ以外は特に不愉快なことはなかったです。
北京に着き、日本から来た久々に会う友人と建国門にある四川省レストランで夕食。画像は一回蒸し上げた豚のスペアリブの塊に甘・酸・辛の三つが揃ったソースをかけた料理です。
・総評・
今回の上海ブックフェアの旅はルームメイトも中国人ミステリ読者であったことからある程度予想はしていましたが、それを上回るぐらい多くのミステリ関係者に会うことができました。中でも面白かったのはNiaNNNN君や棄之竹君らが大学生なのに作家や編集者と交流があり出版事情に詳しいということです。
私は日本の大学のミステリ研究会の事情にも疎いのですがそういったミス研に入っていれば出版社や作家との接点も生まれるでしょう。しかしNiaNNNN君らはそういったものに入っているわけでもないし、作品を発表したこともない一学生です。ですが彼らは出版事情を知っていて「中国の出版社が日本の××というミステリ小説家の版権を買おうとしたが、日本側が提示した価格が高すぎてどこも買わなかった。」などの裏事情を編集者から直々に聞いていたりするのです。
今回の旅行でNiaNNNN君から中国人の読者と作家の距離感を表す質問をもらいました。「日本の作家もSNSで読者とコミュニケーション取るのか?」と聞かれ、私はそれに「いるにはいるが中国ほどではない」と答えました。
中国人のミステリ小説家は掲示板で新作のスレ立てを自分でする人もおり、そこで質問の受け答えをするなどして読者との距離が近いです。作家側に自分が作家であるという意識が少ないのかもしれません。
そもそもの話、業界人である編集者の華斯比と大学生そして日本人が同じユースホステルに泊まるってこと自体が変わっていますね。私自身もこのような密な付き合いを今後も保っていきたいのですが、マイナーサークル故の親密さかも知れず中国ミステリの発展を願う身としては少々複雑な思いに駆られます。