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栖鄭 椎(すてい しい)
年齢:
41
性別:
非公開
誕生日:
1983/06/25
職業:
契約社員
趣味:
ビルバク
自己紹介:
 24歳、独身。人形のルリと二人暮し。契約社員で素人作家。どうしてもっと人の心を動かすものを俺は書けないんだろう。いつも悩んでいる……ただの筋少ファン。



副管理人 阿井幸作(あい こうさく)

 28歳、独身。北京に在住している、怪談とラヴクラフトが好きな元留学生・現社会人。中国で面白い小説(特に推理と怪奇)がないかと探しているが難航中。

 Mail: yominuku★gmail.com
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このブログは、友達なんかは作らずに変な本ばかり読んでいた二人による文芸的なブログです。      
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去年に引き続き、今年も北京ブックフェアに行ってまいりました。今年の開催日は826日から30日の4日間で、前半2日間が中国を含む世界各国の出版社が各々持ち寄った本の版権を売買する商談の日となり、後半29日と30日が一般来場者向けの展示日となっています。

 

本当なら上海ブックフェアにこそ行きたかったんですがね。今年は仕事のせいで時間が取れなかったのです。

  

そして今年は抗日戦争勝利70周年を迎える年であり、更に翌週の93日には北京で軍事パレードも執り行われるのでブックフェアの展示も少なからずそれを反映していると予想して若干緊張しました。

 

 

 

5元のチケット代を払う代わりに受付でブックフェアの公式微信をフォローすることで無料入場することができました。まずは日本ブースに行きます。

 

 

・日本ブース

 

相変わらず講談社のブースが一番大きく、それ以外のブースも去年と同様といったところです。毎年参加しているということは一定の成果があるということでしょうか。

 

 

講談社ブースにて

 

既に日本語訳されている中国ミステリ『蝶の夢 著:水天一色』が置かれています。逆輸入でしょうか…?

 

『掟上今日子の推薦文』はポスターも貼られていました。

 

『竹』氏のイラスト集。しかし大陸では『戯言シリーズ』はまだ正式な簡体字版が出ていないのでは…

 

 

他の日本の出版社ブース

  

 

女の子向けの本が毎年必ずあります。

 

 

こういう『謎本』は去年も見ましたが中国語訳されたという話は全く聞きません。なのに展示する目的はなんなんでしょう

 

 

残念ですが北京でバルが流行るのはあと2年は必要だと思います。

 

 

 

日本ブースでは『日本アニメーター見本市』の動画が流れていて、けっこうな数の中国人が足を止めて見ていました。しかし動画の字幕が英語しかなかったのがちょっと残念です。

あと本当はいけないことかもしれませんが、動画一本を全てムービーに撮っている女性がいました。中国人ってこういうところで言語学習するから侮れないんですよね。

 

 

日本で2014年に年間ベストセラーになった本を展示しているコーナーです。二位にちゃんと大川隆法の本を置いているところにプロ意識を感じます。

 

ちなみに、ここでは版権を売り買いするだけですので、ここに陳列されている日本の書籍は買うことはできません。生殺しです。

 

 

・韓国ブース

 

なんか年々規模が大きくなっているような気がする韓国ブースですが本番はあくまで商談を主に行う平日のようで、去年同様一般参加日の土曜日には多くのブースが既に撤収しておりました。

 

そして韓国のアニメや漫画、ゲームなどを宣伝するブースも去年ほどの活気がありませんでした。タブレットがあって漫画を読めるようになっているのですが、漫画の内容だけじゃなく言語設定も韓国語仕様になっているので全然操作できませんでした。

 

パンフレットを見てみると既に多くの作品が中国語訳されてウェブに掲載されているようです。しかし…

 

TSものまであるのか…(困惑)

 

この『醜男変美女』は以下のサイトで読むことができますが、紹介文に『韓国原作』とか全く書いていない不親切設計です。お釣りに500ウォン硬貨を渡している描写がないと舞台がどこなのか本当にわかりません。

 http://www.u17.com/comic/83116.html

  

さて、韓国ブースが年々大きくなっていると書きましたが、確かに面積では韓国の方が広いとは言え、実際の出展社数は圧倒的に日本の方が多いです。

  

これは会場に貼られていた出展社リストです。赤線枠内が韓国ブースで、青線枠内全てが日本ブースです。この数を見ると、海外勢では日本が最も多く出展しているようです。日本側は以下のように十数の出版社が協力して一つのブースで展示しているようで、そのためこんな数になるのだと思われます。


  

その他、ドイツやアラブ首長国連邦のブースも例年通り大きかったです。特にアラブブースはダンスや絵画コーナーがあり、来場者への民族衣装の貸し出しなど行っておりお祭りのようでした。

 

 

・中国のブース

 

海外ブースとは異なり、中国ブースではその場で本を購入することができます。別に中国の本はいつでも買えるので真剣に見る必要はないのですがそれでも今年は全然食指が動きませんでした。そこで期待したのが香港や台湾ブースなのですが、そこにも去年の廃墟の本のような心ときめく本がなく、結局今年は収穫ゼロのまま退場となりました。

 

 

本に英語の簡単な紹介文が付けられています。ただし全ての本についているわけではありません。また、日本ブースの一部の本には中国語の説明文が付いていました。

 


 

展示されている中国の書籍のうち、この『中国龍的発明』だけは面白そうでした。出版社は信頼と実績の『三聯書店』。思えば去年の上海ブックフェアでは買った本を確認したところ大半が『三聯書店』でした。

 

 

なんかエヴァっぽい…エヴァっぽくない?

 

 

 

・トークショー

  

829日の10時から12時まで中国SF小説の大家・劉慈欣のサイン会が行われていました。それを知ったのはこのスケジュールを見たあと…全く惜しいことをしました。

 

・抗日関係

 

去年の段階ですでに70周年に向けた展示をしていたのである程度覚悟していたのですが、今年の北京ブックフェアは『抗日』がテーマの一つであるようでした。

 

 

 

 

  

抗日関係の本が各ブースでズラリと並んでいます

 

 

すっごいブレてしまいました…一応言っておきますと本で『70』という数字を表しています。

 

 

絵本で学ぶ抗日。

 

 

念のため言っておきますと日本ブースの前で展示をするなど、そこまで下品なことはしていません。(そもそも会場が東館と西館に分かれていて、海外ブースの集まる館では抗日関係のブースがなかった気がする。)

 

しかしブースの数は多いですがこの展示が果たしてどれほど来場者の意向に沿っているのか疑問です。置くのならもうちょっと読んで楽しい本を置けよというのが一般来場者の本音じゃないでしょうか。

 

 

北京ブックフェアは決して本を購入するのが目的ではなく雰囲気を楽しむためだけに行っているようなものですが、今年は輪をかけてつまらなかったなぁというのが感想です。もっと推理小説、SF小説、武侠小説など大衆文学を置いて海外に宣伝してほしく、そのためには現地の中国人読者がもっと自国の小説に対して興味と誇りを持つことが大事なのではないかと思った次第です。

 

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