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栖鄭 椎(すてい しい)
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性別:
非公開
誕生日:
1983/06/25
職業:
契約社員
趣味:
ビルバク
自己紹介:
24歳、独身。人形のルリと二人暮し。契約社員で素人作家。どうしてもっと人の心を動かすものを俺は書けないんだろう。いつも悩んでいる……ただの筋少ファン。
副管理人 阿井幸作(あい こうさく)
28歳、独身。北京に在住している、怪談とラヴクラフトが好きな元留学生・現社会人。中国で面白い小説(特に推理と怪奇)がないかと探しているが難航中。
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反日デモの軽さに耐えられそうにない
2012/09/18 [Tue] 14:29
昨日17日、会社に中国の商務委員会というところから安全のため9月18日の営業を取り止めるよう通達があった。この措置が果たして北京の日系企業全てに取られたかは不明だし、どのくらいの強制力があるかわからない。だがうちの会社はこのお達しに従い18日は臨時休業することにした。
この通達の意味は柳条湖事件から81年目の9月18日に何かが起こる可能性が高いことを表しているだろう。
今回の反日デモは日中の国交が正常化されてから過去最大級の規模だと言われている。大使館からは連日公共の場では言動を慎むようにとメールで注意を受けているが、そのメールも徐々にきな臭く緊張感漂う内容になってきて、とうとう18日の窓口業務を休止する知らせが来た。
今のところ北京でデモによって日本大使館以外に大きな被害が出たという情報はない。しかし安全だと思っていた場所が何かのはずみで危険地域にならないとは限らない。デモを直接見ていなくても、連日の報道にじっくり耳を傾けていなくても、いつもどおりの日常生活を送ることが既にデモの狂気に触れているのだ。
日系企業だけでなく、日本と関係している全ての店がデモの対策に追われている。
中国人が経営している日本料理屋は五星紅旗を掲げ、『日本料理』という文字を覆い隠すために、あろうことか国旗をカバー代わりに使用している。ある店の壁には
『日本料理屋だけど中国を愛する中国人が経営している純中国人の店』
という文句が書かれていた。店は大勢の中国人客で賑わっていた。
偽ブランド品売り場として名高い
『秀水市場』
は特製の看板を作り、『秀水市場拒絶日貨』と失笑を禁じ得ない面の皮の厚い宣言を堂々としている。果たして山寨商品は日本製品に数えられているのか店員に聞いてみたい。
私の住んでいるマンションでは今日、インターネット・プロバイダによるこんな張り紙がしてあった。
フォントの大きな文字を敢えて翻訳する気はない。だが下の
『9.18を紀念して10MBセットを1年918元で提供』
という文章を見過ごすわけにはいかない。日本人相手でもこのサービスは適用されるのか試してみたい気持ちが沸いてくる。
私が目にしたこれらはぶん殴られたり物を壊されたりすることに比べればどれも他愛のない反日的行為だ。だけど中国人が見ても引いてしまうレベルのどうしようもない暴力行為があったため、保身や媚に過ぎない上記の行動が非常に理性的な愛国的行為に見えてしまう。
このような一見冷静に見える環境の中で、北京にいる私はひたすら沈黙を強いられる。デモ隊には指をさして大声で笑ってやりたくなるが、国旗が掲げてある日本料理屋の前ではデモ隊と同様に無力だ。入店して追い返されれば良いが、受け入れられると度量の広さを見せつけられるようで怖くて入れない。客商売として当然のサービスを受けているだけなのに、だ。
それにこの処置は日本人が経営する店でも行なわれている。これを中国で生きていくための強かさと言うべきか。
店頭に掲げられた五星紅旗は店側の不安の現れであり、それはデモ隊の理性を取り戻させ、一般人の団結力を高め、日本人を孤立化させる。それはつまり私のふとした行動が周囲の中国人に『悪』と見做され、愛国的行為の『きっかけ』を与えてしまうことになりかねない。
今回の反日デモを日本と関係するものは全て敵と見做されて愛国的制裁を受けるいつもと変わらない闇雲なデモだと切り捨てられればいいんだけど、国旗や標語を掲げて愛国者たちから身を守る店の存在がそれを躊躇わせる。
その消極的愛国行為に出るまでの店側にも苦悩があっただろうし、店を破壊される不安その手段を取らざるを得なかった彼らには同情を禁じ得ない。しかし自身を守るためにやむを得なかったことだと考慮してもなお、彼らの行為は今回の反日デモに加担している。
本日9月18日を機にデモが下火になるのか私にはわからない。しかしほとぼりが冷めた頃には皆それぞれ店頭から国旗を外し、車から『釣魚島是中国的』ステッカーを剥がすだろう。その時私は何の政治的意図を廃したそれらに対し、デモ以前の頃と同じように接せられるだろうか。
『いらっしゃいませ』と拙い日本語で挨拶してくれる日本料理屋の店員に笑顔を返せるだろうか。
国旗を免罪符代わりに乱用するデモの軽さに私は呆れているし、こんなものに守られなければならない『日本』の弱さと、こんなものに怯えナイーブになっている自分自身に少々参っている。いつになったら外で日本語を使って会話ができるんだろう。
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中国
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マジで心配でしたよ
黒きオーラ
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阿井さんお久しぶりです。例の件以来、更新が途絶えていたので心配しておりましたが、御無事なようで正直ホッとしました。
心中お察しします。
言いたい事は渦巻いておりますが、今は何も言うまい。
とにかく、朋友と同胞全ての生命と財産そして尊厳が無事である事を、切に祈るばかりです。
2012/09/19(Wed)20:27:11
編集
re:マジで心配でしたよ
阿井
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いやご心配をお掛けしました。更新がなかった原因は仕事のせいです。
国旗が掲げられた日本料理屋を見る度に、味方が減っていく心細さを感じます。
北京は今日でデモが一段落したので、危険はひとまず去りました。だがこれで調子こいて日本語を話そうものなら何が飛んでくるかわからないので、オドオドする日はまだ続きそうです。
2012/09/19(Wed)23:59:34
編集
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