2015年末から中国全土で上映されているサスペンスコメディ映画『唐人街探案』(英語タイトル:DETECTIVE CHINATOWN)の興行収入が1月11日の時点で6.5億元を超えた。人気俳優・陳思誠が2014年の『北京愛情故事』(北京ラブストーリー)の次に監督した作品であるからある程度の売上は予想されていただろうが、口コミで人気が広まっているようなので面白さは本物だと思う。
しかし上映されてまだ二週間も経っていないのに制作側の良識が問われる悪いニュースが報道された。この映画とほぼ同時期に上映されていたコメディ映画『悪棍天使』を侮辱するような比較広告を掲載したポスターが公開されてネット上で騒動が起きたのだ。
このポスターに書かれている「悪棍終結者」というキャッチコピーは普通に訳せば「粗悪な映画を終わらせる映画」という意味になるが、タイミング的に考えて「悪棍天使を終わらせる映画」という非常に挑戦的な意味にしか読めない。
『唐人街探案』側はすぐに謝罪してポスター内容を修正する一方、このポスターは公式に発表したものではないと発表し、現在原因を調査している。
そして、ポスターの件から一週間も経たずに今度は監督陳思誠のスキャンダラスな創作方法が彼の仇敵とも言える脚本家の李亜玲によって暴露された。
http://news.gmw.cn/2016-01/08/content_18415349.htm
暴露内容を要約すると、陳思誠は映画の脚本を全て自分で考えたと言っているが、実際はアイディアを出してから幾人かのネット小説家や新人にストーリーをいくつか書かせて、良いところだけ抜き出したら脚本家に初稿を書かせ、その初稿をまた別の脚本家に渡して第二稿、第三稿と修正していき、最後に自分でまとめるという手法を取っているという裏事情だった。それなのに『唐人街探案』ではクレジットタイトルの最初に自分一人だけの名前を持ってきて、その他の脚本家の名前を最後に載せるのは脚本家の地位を貶めるものだと李亜玲は陳思誠を糾弾している。
この李亜玲という脚本家はドラマ版『北京愛情故事』(北京ラブストーリー)で陳思誠と原稿料で揉めて何度も彼を起訴している。そういう確執があるので彼女の暴露話を鵜呑みにすることはできない。そもそも陳思誠の脚本制作方法はさておき、画像のように自分一人の名前を目立たせるのは要するに超監督:陳思誠みたいなものであまり目くじら立てるようなことではないと思う。
李亜玲の暴露を受けて陳思誠側は弁護士を雇い、彼女を名誉毀損で訴えるという法的手段に出た。李亜玲は『唐人街探案』の制作には全く関わっていないので、これは完全な場外乱闘だ。『唐人街探案』は話題に当分尽きることはないだろう。
あと、調べたら『唐人街探案』側から喧嘩を売られた『悪棍天使』も挿入歌にPerfumeの楽曲のパクリ疑惑がかかっていたことを知った。ネガティブなニュースばかりじゃないか。