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栖鄭 椎(すてい しい)
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非公開
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1983/06/25
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契約社員
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ビルバク
自己紹介:
 24歳、独身。人形のルリと二人暮し。契約社員で素人作家。どうしてもっと人の心を動かすものを俺は書けないんだろう。いつも悩んでいる……ただの筋少ファン。



副管理人 阿井幸作(あい こうさく)

 28歳、独身。北京に在住している、怪談とラヴクラフトが好きな元留学生・現社会人。中国で面白い小説(特に推理と怪奇)がないかと探しているが難航中。

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以前ブログでも紹介した東野圭吾の原作小説の映画製作が中国で行われている件について続報が入った。『容疑者Xの献身』の中国版の製作が正式に決定したのだ。

 

この東野圭吾作品の映画化でネットを騒がせたのは中国人映画監督の賈樟柯(ジャ・ジャンクー)と台湾の映画俳優兼監督の蘇有朋(アレックス・スー)の2人だ。報道当初は東野圭吾の何の作品を手掛けるのか情報が出て来ず、ネットでは『容疑者Xの献身』や『白夜行』の中国版が出るのではと期待が高まったが最近になってにこの両者が立て続けに発表した。

まずは賈樟柯が10月末にとあるインタビューで自身の映画会社・暖流が東野圭吾の『パラドックス13』を映画化することを明かした。しかし彼自身が監督するわけではなく作品自体も前述の『容疑者Xの献身』や『白夜行』と比べて知名度が低く、賈樟柯もインタビューで発表というよりポロッと口に出した程度だったのでさほど大きなニュースにならなかった。


これにかぶせるように蘇有朋が11月初めに『容疑者Xの献身』を監督・撮影することを明らかにした。蘇有朋はこの正式発表の数ヶ月前、即ちネットで東野圭吾作品が映画化されるという情報が流れた当初に自身のマイクロブログ上でファンに「一番好きな東野圭吾の小説って何?」と聞いていたことがあるが、まさかファンの人気投票が反映されたわけではないだろう。


 

2人の選んだ作品の知名度や作品に対する取り組み方も異なるがこれで2人の格付けが済んだわけではない。どちらもまだキャストも公表されていない段階だが、蘇有朋は既に大入りの観客が約束されているものの日本や韓国で映画化されている作品を撮影するにあたって感じるプレッシャーは半端ないだろう。

一方、賈樟柯は映画会社として『パラドックス13』を皮切りに今後も定期的に東野圭吾作品を映画化していくではと商業的な臭いを感じる。

ちなみに『パラドックス13』を日本のヤフーで検索すると関連検索ワードに「パラドックス13 つまらない」と出てきて出鼻をくじかれるのだが、中国のアマゾンや百度百科には「容疑者Xの献身以来の傑作」と宣伝文が書かれているので中国での評価は高いのかもしれない。(もしくは高いことにしたいのかもしれない)

 

そして東野圭吾映画化の波はこの2作に留まらない。最近になり今度は『ナミヤ雑貨店の奇蹟』も映画化され2017年には上映されるというニュースが流れた。中国では2014年に発売された本書は『白夜行』に次ぐヒット作と称され、この売上のおかげか東野圭吾は中国における2014年度富豪海外作家の第2位にランクインしている。

 

更に2014年に遡ると島田荘司の『夏、19歳の肖像』も版権が買われている。



 中国で日本の小説を原作にした映画を制作するという話自体あまり聞いたことがないのだが、この流れに皆が喜んでいるわけではない。

中国にも原作小説の映画化が地雷になり得ると考える者が多く、上記のニュースを伝えた私のマイクロブログには「失敗しそう」というコメントが相次いだ。だがしかしこの映画化の波には映画会におけるチャイナマネーの新たな使い方として注意した方がいいかもしれない。

中国では年間映画館で上映する海外映画作品の本数が制限されているが、このように海外作品を中国現地で製作する場合その制限には引っかからないのだろう。もしかしたら韓国で映画化された『オールド・ボーイ』のような逆輸入も起こるかもしれない。

 

 

 

ちなみに、『容疑者Xの献身』と同様に映画化が期待された『白夜行』だが、犯罪者が逃げおおせるラストが中国の実情にそぐわないと考える人間が多いのか、期待しているが実際は無理だろうと言う諦めの声も多かったことを書き記しておく。


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