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栖鄭 椎(すてい しい)
年齢:
41
性別:
非公開
誕生日:
1983/06/25
職業:
契約社員
趣味:
ビルバク
自己紹介:
 24歳、独身。人形のルリと二人暮し。契約社員で素人作家。どうしてもっと人の心を動かすものを俺は書けないんだろう。いつも悩んでいる……ただの筋少ファン。



副管理人 阿井幸作(あい こうさく)

 28歳、独身。北京に在住している、怪談とラヴクラフトが好きな元留学生・現社会人。中国で面白い小説(特に推理と怪奇)がないかと探しているが難航中。

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ぼくは眠れない 椎名誠


 


この本は冒険家、SF小説家、エッセイストなど数多くの顔を持つ椎名誠が35年間続いている不眠症を告白した本です。出版当時(2014年)はまさか椎名さんが不眠症に罹るなんてと驚いた覚えがあります。


 


その時は本自体には興味を持たなかったのですがしかし最近になって私も環境の変化などが原因で不眠症を患い、日本に帰国する機会がありましたので購入しました。


結論としてはいつもの椎名さんの本のような雑学や小言、体験談を期待して読むと読み応えに欠ける内容でしたが、椎名さん読者なら知っているサラリーマン時代や旅行の裏側で椎名さんが睡眠の面でこんな苦労をしていたのかと驚かされるので、各種エッセイの裏話的な本として読むと面白いと思います。


 


 


椎名さんは自分が不眠症になったのはサラリーマンと作家を両立させていた頃だとし、それから会社を辞めても出版社から時間を無視した電話連絡が来たり、ストーカーに悩まされたりで病気がますます酷くなったと述べています。


ストーカー問題はとっくの昔に解決していますし、今更椎名さんに深夜に仕事の電話をする人はいないでしょうし、その対策も初期の段階でしていたようです。しかし椎名さんの不眠症は会社を辞めようが問題が解決されようが治りませんでした。


 


そして椎名さんには睡眠薬が効きましたが、親しい人が睡眠薬により体を壊したことと睡眠薬自体にマイナスイメージを持っているため「睡眠薬は怖い」と思いあまり使いたくはないそうです。それに椎名さんの場合は起きたら仕事をするという選択肢もあるため、皮肉にも作家という仕事のおかげで不眠症と折り合いを付けられているようです。


 


 


本書を読んでいると不眠症になったばかりの私も頷けることばかりで、私もこれから30年以上この病気と付き合わなければならないのかと陰鬱な気分にさせられます。私ももう既に不眠症の原因となった環境からは離れているにも関わらず、睡眠は12時間ぐらいしか持続しません。


そしてこれは病人に成りたての者特有の思考かもしれませんが、睡眠薬を使って寝ることはダメなことだと考えて、今日は大丈夫だろうと何の根拠もなく服用せずに寝たらやはり全然寝付けないしすぐに目が覚めてしまいます。


ただ、睡眠薬が私と合わないのか服用して寝られることは寝られるのですが快眠効果は得られず寝起きが非常に悪いです。だから睡眠薬は使いたくないと思い、余計睡眠不足になるという悪循環が発生します。


 


椎名さんも最初は抵抗があったようですが今は睡眠薬服用しているようですし、体が万全じゃないからこそ薬に頼るべきなのに素人判断で余計な意地を張れば快復からますます遠のきますしね。あとは椎名さんのように、寝られないのであれば無理に寝ようとせず自分のことをやって時間を潰せば、自分が病気に翻弄されていない気分になるので苛立ちは少なくなるかもしれません。


 


 


私はもともと睡眠時間が少なく、朝の4時や5時に起きても大丈夫でしたし敢えて早起きすることも多かったです。もしかしたらそれが病気への第一歩だったのかもしれませんが不眠症になってわかったことがあります。それは自分の意志で短時間睡眠を心がけている人と不眠症の人の睡眠は時間が一緒でも意味は全然異なるということです。全然寝られなかった寝起きの不愉快さは一日中残ります。不眠とは人生から快楽がひとつ減る重大な病なのです。


 


 


 


 



 

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