友人と読んでいた在中日本人向けのフリーペーパーに鄭(てい)さんっていうネイルショップで働いている中国人の従業員が載ってたんですが、友人、妙にその記事に食い付いているので興味でもあるのかとからかったら
「なんかこの鄭さんって名前良いですね、鄭鄭鄭鄭ていていていていてゐてゐてゐてゐ・・・って」
東方なんてニコニコと又聞きの知識しかありません。
ラヴウラフト全集や中国の女装文化の本や筒井康隆の『虚人たち』や中国のミステリ雑誌『推理』や中国文学やら何やらを読んでいるともう頭が痛くなっちゃって脳に負担のかからない小説が読みたいと飢えていたら、友人の部屋でこれを見つけたので借りてきました。
日本語を勉強している中国人の友達に教科書の読み方を教えることもあるんですが、彼女らが日本語を読んでいるのを聞いているとなんだかデジャブに襲われることがあります。
彼女らの日本語を話す声が僕ら本物と比べて発音の抑制や声調が異なるのは仕方のないことで、普段話している時はあまり気にならないんですが文章を読んでいるとき違和感がかなり目立ちます。
そしてそれが何かに似ているような気がずっと前からしていたんですが、最近になってようやく謎が解けました。
初音ミクと似ているんですよ。彼女らの朗読の声と、あんまり調教してないボーカロイドが。平坦で抑揚の付け方が奇妙な声が、言葉の表面だけをなぞって音読する初音ミクとそっくりなのです。
ボクは大学の近くにあるセブンイレブンをよく使っているんですが、そこの近くに小中学校もありまして昼は学生でだいぶ混雑しています。中国は弁当の習慣がありませんので学生が昼飯を学内の購買や学食で済ましたり、外へ買いに行くからです。
この前、その最も混む時間にコンビニへ行ってレジに並んでたんですが、僕の前に小学生の男の子が束になったカードをリュックから取り出して嬉しそうに眺めているのですよ。それで、何だろうなと彼の頭越しに盗み見したら昔懐かしの遊戯王カードでした。
今更ながら食の問題が言及されている食の王国中国には和洋中あらゆる料理が揃っています。そんな中国にいる日本人留学生の一番のごちそうはなんだと思いますか?フカヒレスープ?アワビの姿煮?それとも北京ダック?いえいえ違います。そんな、お金を出せば食べられるものなど真のごちそうではありません。
日本人が欲する最高のぜいたく品、それは卵かけごはんです。
日本人は生卵が大好きです。卵かけごはんだけじゃなくラーメンに入っている半熟卵、トロトロの親子丼。そのような舌の上にまとわりつく感触が容易に得られるのはひとえに養鶏家の清潔に掛ける努力のおかげなのですが、海外では普通はあり得ません。
清潔感に欠けると言われる中国の、来るたんびに味が違う適当な料理屋でさえも、目玉焼きやニラ玉炒めの卵がガッチガチに加熱されてますので、なまの食感にありつくことはかなり難しいです。と言うよりも、ありついたが最後確実に病院送りです。
なので、そういう普通のものが食べられない状況にこそ、真のごちそうとは何であるかを理解できるときじゃないでしょうか。