中国ではお会計のことを「埋单」(mai dan)と言います。「买单」とも言いますが、客は「おーい埋单してくれー」と言えば、ウェイトレスは「10番テーブルのお客さん、埋单でーす」と返します。
この「埋单」という単語、もともとは広東から来たもので、北方では「买单」と書くのですがそんなに古い言葉ではないようで、一種の流行語のように使われている面もあります。
しかし流行ゆえでしょうか、最近では「埋单」に取って代わって「建账」(jian zhang)という言葉が用いられています。中国人の友達が言うには、この言葉も北方から来たものらしいのですが、飯屋に行けば日に日に「建账」と聞こえる数が増えます。
ボクが初めてこの単語を聞いたのは6月ぐらいですけど、来年までにはこの言葉が一般的になるんじゃないでしょうか。
こうやって考えると、まるで日本民俗学の太祖柳田國男先生の『蝸牛考』を想起させます。「建账」という単語がどこから来て、今はどこまで流行っているのか、北京では通じるけど、南京では使えるのかとかいろいろ考えさせられます。