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栖鄭 椎(すてい しい)
年齢:
41
性別:
非公開
誕生日:
1983/06/25
職業:
契約社員
趣味:
ビルバク
自己紹介:
 24歳、独身。人形のルリと二人暮し。契約社員で素人作家。どうしてもっと人の心を動かすものを俺は書けないんだろう。いつも悩んでいる……ただの筋少ファン。



副管理人 阿井幸作(あい こうさく)

 28歳、独身。北京に在住している、怪談とラヴクラフトが好きな元留学生・現社会人。中国で面白い小説(特に推理と怪奇)がないかと探しているが難航中。

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 今月、ミステリ関係の記事を何も書いていないのはマズイと思い、百度で『推理小説』とググったらなかなか新鮮(日付が)なニュースがあったので紹介します。
 
 80後推理迷褚盟:99%推理小説不値得看第二遍
 (80年代生まれのミステリマニア褚盟:推理小説の99%は2回読む価値はない)
http://www.chinanews.com/cul/2013/04-23/4755377.shtml
 
 
 新星出版社で国内外の推理小説を専門に出版している『午夜文庫』副編集長褚盟氏のインタビュー記事です。タイトルは若干過激ですが記事の中でも言及されているように、推理小説に限らず、そもそも2回読む小説ってのが多くないでしょう。ここで褚盟氏は2回読む価値のある小説にホームズシリーズとアガサ・クリスティの作品を挙げているのが、いかにも『らしい』ですけど。
 
 インタビュー内容は褚盟氏が以前から主張していることの焼き直しなので、取り立てて目新しくはありません。欧米や日本のミステリを賞賛し、中国ミステリを眼中に置かない姿勢は変わっていません。
 



 ミステリは中国ではまだ大衆的ではない。
 
 欧米ミステリにはその1%(2回読む価値のある)にあたる名作が出ている。
 
 日本ミステリは純文学の域にまで達した。
 
 中国ミステリの創作レベルはまだかなり遅れている。
 『氷を排水口に詰める』というような『トリック』もある。
 
 松本清張は『憤青』ではない。
 
 東野圭吾は最もケレン味溢れる作家だ

 
 
 記事の太字箇所を抜き出してみましたが、中国ミステリの低レベルぶりを表す『氷を排水口に詰める』というトリックは以前も褚盟氏が自著『謀殺的魅影』で書いていました。これは褚盟氏の鉄板ミステリジョークなのかも知れません。
 
 
 このようなトンデモトリックのネタを聞いたとき、バカミスなら中国で発展するのではと誤解したことがありますが、バカミスってミステリ文化が成熟していないと受容されませんよね。

 
 東山彰良の『ジョニー・ザ・ラビット』の中文版が出た時も紹介文に『巴嗄(Baga)推理』(バカミス)と書かれており、バカミスというジャンルを浸透させようという意識を感じたのですが、蘇部健一や鯨統一郎の作品が翻訳されるのはまだまだ先のようですし。上手い中国語訳が当てられた『六枚のトンカツ』とか読んでみたいのですが。
 
 
 さて、1920、1930年代に登場した程小青の霍桑シリーズは当時の日本ミステリのレベルを遥かに上回っていたという褚盟氏の意見は他のミステリ研究家からも聞きます。
 
 
 確かに霍桑シリーズって推理小説としてなかなか完成されたスタイルであるのですが、シャーロック・ホームズのパスティーシュが強くて『オリジナル』としてはなかなか受け入れづらいんですよね。 探偵霍桑と助手の包朗の関係なんてホームズとワトソンそっくりですし(包朗が結婚してから霍桑との同居をやめるなど)。

 あとあまり関係ないんですが、霍桑シリーズって日本語版出てないんですね(Wiki調べ)。なんででしょう。
 
 
 インタビューで久々に中国ミステリに対するブレない姿勢を見せてくれた褚盟氏。海外ミステリを専門に取り扱う『午夜文庫』副編としては正しい態度なのかも知れませんが、これまでずっと氏のメガネに適う中国ミステリが生まれなかったのが残念でなりません。氏が中国ミステリ小説の帯文を書く日は一体いつになるのでしょうか。
 
 
 念のため補足しておきますと、褚盟氏が期待していないのはあくまでも『現在』の中国ミステリであり、これから長い時間をかけていけば良いものが生まれるかもしれないという希望も抱いています。

 褚盟氏の言うとおり、中国ミステリはまだまだ未成熟ですが、だからこそ日本と同様もしくはそれ以上の発展を遂げる可能性も見ていて損はないんじゃないでしょうか。
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