『北京高校推理聯盟 第1回ミステリー作品募集大会』では北京の各大学合計12のミス研が参加し、12の作品がエントリーされました。当日に全ての作品を読む時間などは当然無かったため、執筆者による作品のあらすじと特徴の紹介に留まりましたが、中国色を強く出した作品や、同人誌的なパロディ、実験的な内容、有名作品のオマージュなど、聞く限りでは面白そうでした。
本当は前作品きちんと紹介したいのですが、何せもう二週間以上前のことで、しかもメモも十分に取っていなかったので、入賞作品のみ紹介しようと思います。
とりあえず参加団体の一覧をば。
北京大学推理協会
北交推理社
北航推理愛好者協会
北京体育大学夏鎮SHARP-SOUL推理
北京電影学院
北京第二外国語大学
華北電力大学風庄推理社
首都経済貿易大学灰斑馬推理社
清華大学学生推理協会
中央民族大学夜之瞳協会
中国人民大学推理協会
中国法政大学推理第13研究会
これら12団体の中から以下の作品が選出された。
清華大学から
寝室驚魂
(停電になった部屋に突如何者かが出現し、水浸しの靴跡を残して去っていった。そいつの目的とは一体?)
人民大学から
怪館風:五角館殺人密報
(カー、エラリー、アガサという名の男女が五角形の館に宿泊する。あの作品のオマージュだということは一目瞭然だ。)
華北電力大学から
戯子人生
(清の時代を舞台にした作品だったと思う)
3名の受賞者には『歳月推理』で『罪悪天使』シリーズを連載している推理小説家午曄氏から賞品が送られた。氏は北京の大学で教鞭を取っているので適任だろう。
華北電力大学から
三分之三復讐
(3人がそれぞれ相手の殺人を依頼する。誰か1人は残るはずだが全員死んでしまうという話。タイトルは『北の夕鶴2/3の殺人』から取っている。)
清華大学から
五幕劇
(全然覚えてない。タイトルから推察するに演劇関係の話だろうか)
これら2名の受賞者には李清?とかいう先生から賞が送られた。この人の素性は最後までよくわからなかった
人民大学から
関于心理健康的一個故事
(これも覚えていない。タイトルをネットで検索すると該当作品が出てきたので読んでみたところ、大学内で起きた過去の事件を告白する形式らしい)
1位の受賞者には新星出版社午夜文庫副編集長褚盟氏から賞品が送られた。
誰かが後日まとめてくれるだろうと期待していたからあんまりメモを取っていなかったんだけど、まさか今になるまで誰も書かないとは思わなかった。せめて司会を担当した北京交通大学のミス研ぐらいはレポート書いてほしかったが、写真をアップするだけで文章は何も書いていないようだ。
審査員の判断基準がいまいちわからなかったが、イロモノはあまり選ばれず手堅い結果になった顔触れだ。
私としては名前の響きだけで北京大学推理協会が書いた『十二生肖館殺人事件』が受賞すればと思っていたのだが、名前と内容が釣り合っていなかったのかあえなく落選。8,000字という文字制限の中でこのタイトルはあまりに仰々しかった。
そしてこれもネットを検索すると2011年にウェブに掲載した作品を読むことができる。大学のイベントとはいえ出版のチャンスもゼロではないのだから削除したほうがいいと思うんだけどなぁ。
受賞作が果たして内輪のみで発表されるに留まるのか、それとも世に出ることになるのかわからないまま授賞式典は終わり、進行はいよいよメインの島田荘司講演会へと移る。
長いので次回に。